澤瀉久敬歿後30周年記念シンポジウム「澤瀉久敬とその不満」
開催趣旨
澤瀉久敬(1904-1995)は「医学とは何か」という根源的問いに対し、単なる技術論や教育論の次元を超えて、思考の基底から光を当てようとした稀有な思想家である。『医学概論』や『医学の哲学』等、彼の著作群はいずれも医学の内閉を拒否し、科学・生命・医学という問題構成を媒介として、<医学>を再び思想の地平へと呼び戻す試みであった。
この視座において、医学に対する人文学的アプローチもまた単なる知識の集積ではなく、「現実の不満や矛盾と苦闘し、新たなる方向を見出すためにも求められる」(中川米造「『医学史研究』創刊に際して」 『医学史通信』第二号) 営為にほかならない。すなわち、医学、医学概論、医学史は、現代的実践への批判的介入を可能とする理論的装置である。
澤瀉久敬思想に、現代の医学哲学と生命論を刷新する礎と信念を見いだす。ゆえに本シンポジウムは、既存のディシプリンを踏み台にしながらも、その射程を測り替える。生命論、そして医学概論の新たな地平は、宣言ではなくこの身振りとして立ち上がる。
開催概要
日時: 2025年12月6日(土) 13:30〜
会場: 立命館大学大阪いばらきキャンパス A棟AN510
形式: ハイブリッド開催(会場定員: 30名)
主催: 立命館大学先端総合学術研究科 院生プロジェクト生命論研究会
共催: 立命館大学 生存学研究所
医学史研究会
プログラム
13:30-13:35 | 趣旨説明
13:35-15:25 | 基調講演
基調講演①:澤瀉久敬の生命論再考
講演者:檜垣 立哉(専修大学 文学部哲学科 教授・大阪大学 名誉教授)
基調講演②:医学概論100年にむけて 一病いという制度・医薬という権力・治癒という能力ー
講演者:村岡 潔(岡山商科大学 客員教授・京都府立医科大学 客員教授)
15:25-15:40 | 指定討論者によるコメント
コメンテーター:香西 豊子(佛教大学 社会学部 現代社会学科 教授)
15:40-15:50 | 休憩
15:50-17:20 | 研究発表
発表①:澤瀉久敬の医学概論と現代医学における意義 一医学概論は不要な学問か?-
講演者:杉岡 良彦(京都府立医科大学 大学院医学研究科 准教授)
発表②:ベルクソン、あるいは李時珍 -澤瀉久敬の漢方医学論一
講演者:曲 虹霖(立命館大学 大学院先端総合学術研究科 博士課程)
17:20-17:35 | 指定討論者によるコメント
コメンテーター:川端 美季(立命館大学 生存学研究所 特別招聘准教授)
17:35-17:45 | 休憩
17:45-18:55 | 総合討論
モデレーター:美馬 達哉(立命館大学 大学院先端総合学術研究科 教授)
18:55-19:00 | 閉会挨拶
要事前登録
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問い合わせ先:chuhunglin@outlook.com (担当:曲虹霖)


