デジタル時代における研究手法と倫理研究会(2012年度)

院生代表者

  • 小出 治都子

教員責任者

  • 吉田 寛

企画目的・実施計画

本研究会は、高度に情報技術が発達した今日において、主に人文学的研究がどのように情報技術と関わっていくべきかを、研究手法と研究倫理の双方から議論するために発足した。具体的には、テキストマイニングやビジュアライゼーション(可視化)といった、人文社会科学諸分野において今後重要となると思われる研究手法を学び、参加者各々の専門分野と結び付けてその方法論を模索する。
 以上から、本研究会は、デジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)の国内における主要拠点であるアート・リサーチセンターに協力を要請しつつ、情報学や哲学、倫理学の専門家である石黒義昭先生・稲葉光行先生・尾鼻崇先生を講師として迎え、技術的指導や関連書の輪読、ディスカッションなどを行うことで、参加者各々の本来の専門領域を越境した学際的(かつ実践的な)技術と知識を習得することを目的とした。
本研究会は、まず、参加者各自が自身の研究の中で情報技術を応用・援用したいテーマを発表し、その目的や予想される結果について議論を行なう。さらに講師からの助言を受けつつ、各自が(可能な範囲で)研究の結果を出し、報告を行なう。本研究会は、参加者の短期的な研究成果の蓄積ではなく、現代社会に生きる研究者がしかるべき情報技術という基礎体力を身にまとうことを達成目標とした。

活動内容

・第1回研究会 
日時:2012年7月7日(土)13時00分~14時30分
場所:創思館409号室
内容:
『デジタル・ヒューマニティーズ研究とWeb技術』第一章の分析考察を行なった。事前に、学生が読み、それぞれ疑問・質問を持ち寄り、討論を行う形とした。さらに、講師である尾鼻崇先生にコメントをいただいた。また、基礎的な知識としてアート・リサーチセンターでどのようなデジタル・ヒューマニティーズ研究が行われているのかを尾鼻先生から教わり、各自の研究とデジタル・ヒューマニティーズ研究がどのように関わることができるかを自由に話し合った。

・第2回研究会
日時:2012年11月27日(火) 16時20分~17時50分
場所:創思館409号室
内容:
『デジタル・ヒューマニティーズ研究とWeb技術』の輪読、および研究会のメンバーである小出が『アート・リサーチ』に投稿中の論文の検討を行なった。今回は、ヨーロッパ文化研究会と連続して研究会を行ない、学生だけでなく、石黒義昭先生にご参加いただくことで、Web技術を用いて分析した化粧品広告についてご意見をいただくことができ、有意義な研究会とすることができた。

・第3回研究会
日時:2013年2月14日(木) 14 時 40分~17 時 00 分
場所:アート・リサーチセンター プロジェクト1室
内容:
まず初めに、テキストマイニング手法の長所と短所について、政策科学研究科の稲葉光行先生にご教授いただいた。次に、テキストマイニングを使って論文を執筆された尾鼻崇先生にテキストマイニングを使うことの留意点についてご教授いただいた。それらの点を踏まえ、稲葉研究室の方とどういった目的でテキストマイニングを使うのが良いかを論議した。

成果及び今後の課題

 本研究会ではテキストマイニングやビジュアライゼーション(可視化)といった、人文社会科学諸分野において今後重要となると思われる研究手法を学び、参加者各々の専門分野と結び付けてその方法論を模索することを目的とした。
 当初は月1回の研究会を行うことを予定していたが、うまく予定を組み立てることができず、当初予定していたほど研究会を開催することができなかった。特に、他大学から講師を呼び、公開研究会を開催することができなかったことが反省点としてあげられる。
しかし、研究会においてメンバーの論文を読み、議論することができたこと、また、他研究会の先生に、研究会に参加していただけたことは、本研究会の成果であると考える。
 今後もこのような研究会を行い、人文学的研究と情報技術の関わりを論じる場を作ることを考えている。また開催頻度を増やし院生各自の研究発表をより多く行い、それぞれの学会発表あるいは論文作成に活かせるようにしていきたい。

構成メンバー

小出治都子(研究会代表者・表象領域2006年度入学)
下西 紀子(表象領域2006年度入学)
鹿島萌子(表象領域2008年度入学)
川崎寧生(表象領域2008年度入学)
角田あさな(表象領域2009年度入学)

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