歴史社会学研究会(2012年度)

院生代表者

  • 小出 治都子

教員責任者

  • 天田 城介

企画目的・実施計画

本研究科は学問横断的な研究を旨とするため、さまざまな学問分野に所属する学生が在籍する。そのような場に共通項として現れるのが歴史記述の問題である。歴史をどのように記述するかについては、歴史学のみならず、社会学、人類学、経済学、政治学の分野でも模索されてきた。その中で、歴史社会学と呼ばれる分野は、歴史学と社会学の融合を目指す点で、学際的な研究において歴史記述をどう扱うかという問題の重要な参照点となりうる。本研究会は、歴史社会学の定義の確立や歴史社会学の方法の一般化を目指す研究会ではない。歴史社会学を実践する諸文献を学際的に読み解くことで、そこで示されている歴史記述の手法をどのようにそれぞれの学問分野に応用できるのかを探求することを目的とするものである。日本においては、歴史社会学学会なるものは存在しない。歴史社会学を標榜する本研究会は、そのような現状に一石を投じるという意味で、おおいに意義のあるものといえる。
本研究会は2009年度より、文献の読みこみ、歴史社会学を専門とする研究者の講演の企画、『歴史から現在への学際的アプローチ』(生存学研究センター報告17)の刊行など、様々な活動を展開してきた。本年度は、これまでの研究の集大成として、洛北出版から『体制の歴史』を出版することを目指し、本の構成や各自の論文を検討する研究会の開催を中心に活動を展開した。

活動内容

第1回研究会
日時:5月11日(金)16:00~19:30
場所:創思館416
発表者・タイトル:研究会メンバー全員・『体制の歴史』構想発表

第2回研究会
日時:6月8日(金)16:00~19:30
場所:創思館416
発表者・タイトル:石田智恵、大谷通高、櫻井悟史、佐藤量、中田喜一、渡辺克典・『体制の歴史』草稿検討会

第3回研究会
日時:7月3日(火)13:00~16:00
場所:創思館416
発表者・タイトル:大谷通高、石田智恵、近藤宏、西嶋一泰、中田喜一・『体制の歴史』草稿検討会

第4回研究会
日時:7月13日(金)16:30~19:00
場所:創思館416
発表者・タイトル:角崎洋平、小出治都子、冨田敬大、橋口昌治、松田有紀子・『体制の歴史』草稿検討会

第5回研究会
日時:8月17日(金)10:00~19:00
場所:創思館416
発表者・タイトル:研究会メンバー全員・『体制の歴史』草稿検討会

第6回研究会
日時:9月20日(木)10:00~19:00
場所:立命館大学衣笠キャンパス アカデメイア立命21 3階
発表者・タイトル:研究会メンバー全員・『体制の歴史』草稿検討会

第7回研究会
日時:10月9日(火)10:00~19:00
場所:立命館大学衣笠キャンパス アカデメイア立命21 3階
発表者・タイトル:研究会メンバー全員・『体制の歴史』草稿検討会

第8回研究会
日時:10月31日(水)10:00~19:00
場所:立命館大学衣笠キャンパス アカデメイア立命21 3階
発表者・タイトル:研究会メンバー全員・『体制の歴史』草稿検討会

成果及び今後の課題

成果

天田城介・角崎洋平・櫻井悟史編, 2013,『体制の歴史』洛北出版.【出版予定】
角崎洋平, 2013, 「構想される「生業」への経路――貸付による離陸」天田城介・角崎洋平・櫻井悟史編『体制の歴史』洛北出版.
近藤宏, 2013, 「アポリアを生み出す自主管理――パナマ東部先住民エンベラから見る先住民統治体制」天田城介・角崎洋平・櫻井悟史編『体制の歴史』洛北出版.
松田有紀子, 2013, 「「女の町」の変貌――戦後における京都花街の年季奉公をめぐって」天田城介・角崎洋平・櫻井悟史編『体制の歴史』洛北出版.

今後の課題

 これまでの研究成果を『体制の歴史』としてまとめたので、まずは同書の合評会を開くなどして、批判的検討を行なっていきたい。そこで今後の課題をまとめ、その後、第二弾の本の構想を練っていく。

構成メンバー

  • 大谷通高(公共・2005年度入学)
  • 角崎洋平(公共・2008年度入学)
  • 小出治都子(表象・2006年度入学)
  • 近藤宏(共生・2006年度入学)
  • 中田喜一(公共・2008年度入学)
  • 西嶋一泰(共生・2008年度入学)
  • 松田有紀子(共生・2008年度入学)
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