精神分析研究会

院生代表者

  • 北村 隆人

教員責任者

  • 千葉 雅也

企画目的・実施計画

 本研究会は、精神分析の創始者であるフロイトの理論解釈と、その解釈を通じてメンバーの研究をさらに深めることを目的としている。研究会は、精神分析という学問において共通関心をもっているが、領域、専門分野および研究テーマは多彩なメンバーで構成されている。研究会メンバーの多彩な視点を通じて、様々な視点(精神分析の専門家、心理学、社会学、文学、文化人類学など)から精神分析における興味関心・問題意識を深めたり共有したりすることができる。
 2013年度は、月1回のペースで研究会を開催し、フロイトの翻訳版テクストの講読とメンバーによる研究発表を行う。まず、フロイトの精神分析理論の全体像を把握するための文献を1回で講読し、その後、フロイトの重要文献を年代順に読み進める。毎回の研究会では一つのテーマを設定し、フロイトの主要テクストを講読する回と、そのテクストに関して研究報告する回とを交互に行う。研究報告の回では、前回の研究会の論点や、扱ったテクストと各自の研究テーマとの関係についてなど、各メンバー独自の視点による発表を行い、研究会メンバーで議論・意見交換を行う(具体例としては、1回の研究会で『ヒステリー分析』を読み、次回の研究会で、ヒステリーに関する文献・論文を紹介したり、それを用いて研究報告を行ったりする)。

活動内容

  • 第1回研究会
    5月28日(火)14時40分~ @生命部屋
    『現代の精神分析――フロイトからフロイト以後へ』
    I フロイト理論の全体像
    1章・2章aまで:近藤宏
    2章b~c:中村亮太
    2章d~e:馬場久理子
    2章f:小西真理子
    II フロイトからフロイト以後へ
    1章~3章:小西真理子
    4章~6章:北村隆人
  • 第2回研究会
    7月2日(火)13時~ @生命部屋
    『フロイト全集2(ヒステリー研究)』
    観察1 アンナ・O嬢:田中壮泰
    病歴A エミー・フォン・N婦人:中村亮太
    病歴B ミス・ルーシー・R:近藤宏
    病歴C カタリーナ:北村隆人
    病歴D エリザベート・フォン・R嬢:馬場久理子
    ヒステリーの精神療法のために(フロイト):小西真理子
  • 第3回研究会
    8月6日(火)13:00~16:30 @生命部屋
    発表1:「アンナ・Oと共依存」(発表者:小西真理子・指定質問者:北村隆人)
    発表2:ドンブロフスキに関する発表(発表者:馬場久理子・指定質問者:大谷通高)
  • 第4回研究会
    9月10日(火)13時~ @生命部屋
    『フロイト全集 4巻(夢解釈Ⅰ)』
    第2章:北村隆人
    第3章:田中壮泰
    第4章:近藤宏
    第5章(A:大谷通高、B:小西真理子、CとD:馬場久理子)
  • 第5回研究会
    10月29日(火)13時~ @生命部屋
    『フロイト全集 5巻(夢解釈Ⅱ)』
    第6章(ABC:北村隆人・DEF:田中壮泰・GHI:近藤宏)
    第7章(ABC:中村亮太・DEF:馬場久理子)
  • 第6回研究会
    11月26日(火)13:00〜 @生命部屋
    研究発表(報告者:北村隆人 、馬場久理子)
  • 第7回研究会
    12月24日(火)13:00〜 @生命部屋
    研究発表(報告者:河原梓水、小西真理子)
  • 第8回研究会
    2月18日(火)13:00〜 @生命部屋
    「性欲論三篇」『フロイト全集6』
    第一篇:河原梓水
    第二篇:北村隆人
    第三篇:馬場久理子
    まとめ:小西真理子

成果及び今後の課題

 今年度は、月1回のペースで研究会を開催し、フロイトの著作(初期)の読解および精神分析に関する個人発表を中心として活動してきた。1年間の活動を通じてメンバーが、精神分析理論における基礎知識を習得することができた。今年度は、フロイトの著作を年代順に取り扱ってきたが、来年度は、メンバーの学術的関心に焦点を当てながら読解する著作を選抜し、より各メンバーの個人研究に還元できる活動を行っていきたい。

構成メンバー

  • 北村隆人 公共領域 4回・2012年度入学
  • 小西真理子 生命領域 5回・2011年度入学
  • 中村亮太 公共領域 1回・2013年度入学
  • 馬場久理子 生命領域 4回・2010年度入学
  • 由井秀樹 生命領域 5回・2011年度入学
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