国際コンファレンス「忍び寄るカタストロフィ-その多様性と遍在性-」

企画概要

通常、カタストロフィは突然、特定の場所と時間に降りかかってくるものだと受け止められている。しかしカタストロフィには、別の形態、より正確には別の側面がある。それは、実際にカタストロフィが起きてから見えてくる問題である。すなわちそれは、普段は可視化されておらず、問題の深刻さに事後的に気づく問題であったり、徐々にカタストロフィが迫ってくるがゆえに、逆に事前に対策が打たれることなく、その結果事態がより深刻化する問題であったりする。地球温暖化や地球規模で広がる格差、政治の腐敗、パンデミック、精神疾患、人口のアンバランス等が、カタストロフィのそうした別の形態ないし側面である。今年度のカンファレンスでは、そうした多様かつ遍在する慢性化したカタストロフィが正義の問題とどのように関わるのかに迫る。


国際コンファレンス「忍び寄るカタストロフィ-その多様性と遍在性-」

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開催日時・場所

開催日時:2015年3月23日(月)24日(火)・25日(水)
会場:立命館大学衣笠キャンパス創思館カンファレンスルーム
※入場無料・事前申込不要

Program

March 23 (Doors open at 9:15)

09:45 – K. Watanabe 渡辺公三(立命館大学副総長) Opening Address
10:00 – Eric M. Uslaner (University of Maryland) “Disaster and Trust”
11:15 – W. Sano 佐野亘(京都大学) “Permissible Injustice? The Problem of Corruption in Non-Ideal Theory”
13:30 – Simon. Caney (Oxford University) “Global Environmental Degradation as a Slow Moving Problem: Ethical Responsibilities and Institutional Responses”
14:30 – K. Shimizu 清水和巳(早稲田大学) “How Should We Evaluate Catastrophic Risk”
15:45 – A. Inoue 井上彰(立命館大学) “Prioritarianism in a Catastrophic world”

<Student Session>
16:45 – G. Niu (愛知大学) “A Theoretical Exploration of Corruption in China”
17:10 – 奥田恒 (京都大学大学院)「懐疑論者はいかにカタストロフィに取り組みうるか」
17:35 – 戸谷洋志(大阪大学大学院)「福島第一原発事故をめぐる「カタストロフィ」解釈の諸相」

March 24 (Doors open at 9:30)

※登壇者、スケジュールに変更がありました(3/11)
10:00 – Eric L. HSU (University of South Australia)“Theorizing Slow Moving Disasters in a High-Speed Society”
11:15 – R. Gotoh 後藤玲子(一橋大学) “Gratitude and A Moment of Cooperation”
13:30 – Pierre-Henri Castel (CNRS, Paris) “The Evil Which Comes. Or, What the Prospect of a Remote End of Mankind May Already Change in Our Everyday Ethical Behaviour”
14:30 – M. Osawa 大澤真幸(京都造形芸術大学) “Freedom in the Era of Impossibility”
15:45 – Paul Dumouchel (立命館大学) “Catastrophes and Time”

<Student Session>
16:45 – N. Tajan (Kyoto University) “Mental Health Issues as Slow Moving Catastrophes”
17:10 – 長谷川唯・桐原尚之(立命館大学大学院)「未来予測を根拠とした介入の失考――本人と他人の葛藤場面から」
17:35 – 越智朝芳(立命館大学大学院)「J・G・バラード『クラッシュ』におけるカタストロフィとポルノグラフィ」

March 25 (Doors open at 9:30)

10:00 – Frédéric Keck, (CNRS, Paris) “Biosecurity Practices in Labs and Museums: Sentinels, Simulation, Stockpiling”
11:15 – M. Matsumoto 松元雅和(関西大学) “War as Catastrophe: Considering the Proportionality Principle in Just War Theory”
12:15 – P. Dumouchel (立命館大学) Closing Address and General Discussion

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