映像人類学(センサリーメディア)研究会

院生代表者

  • 福田浩久

教員責任者

  • 小川さやか

企画目的・実施計画

 映像が調査方法/研究報告の一形態として人類学に登場し、認知されるようになってから久しい。しかしテクストと比較すると、いまだに映像は限られた研究者たちによる部分的な手法としての位置に留まっており、その他の研究者たちの「理解」との間には乖離があるようにもみえる。本研究プロジェクトでは、その乖離を少しでも埋めることで研究メンバーが、1)映像人類学を理論的に学び、2)メディア制作の実践を通じて調査・研究報告ができるかたちにすることを目的とする。
 具体的には、近年注目をあつめるセンサリーメディアという動向に注目したい。研究の目的にあわせてスチール写真、サウンド、マッピング、インスタレーション、パフォーマンスなど多様な調査のモード、成果発表の形態を採用する同手法は映像人類学の「先端」であるからである。本研究会ではその中でもスチール写真というセンサリーメディアの基礎に焦点をあてることで、最先端の研究成果を吸収しつつ、今後にも応用できるような確実な理解と実践を目指す。

活動内容

 具体的な構成としては輪読会と講師招聘の二部から成る。輪読会では基礎文献である『映像人類学: 人類学の新たな実践へ』(村尾et al., 2014)と『Doing Sensory Ethnography』 (Pink, 2015)を精読する。講師招聘だが、関西の写真コレクターを招いて秘蔵の写真集を持参してもらいレクチャーを受ける。コレクターを招聘するのは、少部数発行である写真集には図書館等に所蔵されていないものが多いからであり、写真というメディウムが持つ可能性や限界、倫理性についてすぐれた写真集を直に観て、議論するのが目的である。次に「実践面」においては、スチール写真にかんするレクチャーを踏まえて、研究メンバーが国内の同地域において1、2日の短期のフィールドワークを実施し、撮影とクローズドな合評会を行うことを検討している。
 以上で培った知識を研究メンバーが各々のフィールド調査の現場で応用・実践し、研究の成果を多様な方法によって報告できるようになることを、本プロジェクトの最終的な目的としている。

参考文献:
Pink, S. (2015). Doing sensory ethnography. Sage.
村尾静二・箭内匡・久保正敏 (編) (2014).『映像人類学 (シネ・アンスロポロジー)──人類学の新たな実践へ』 せりか書房

  • 輪読会
  • 2018.06 毎週月曜日の午後3時から2時間

  • 講師招聘
  • 竹中悠美先生に紹介してもらった松本工房の松本久木氏を皮切りに関西在住の写真集コレクターに秘蔵の写真集を持参のうえ、レクチャーをしてもらう。全5回を予定しており、第2回以降の講師はその前の回の講師に紹介してもらうという形式をとる。また写真集のコレクターは文化資本の蓄積のある環境で育ってきていることが多く、そうした京都の文化人たちと立命館大学の先端総合学術研究科の相互交流の場を形成するという目的もある。
    2018.06-09 毎月1回、松本久木氏を嚆矢として、ゲストを招聘してレクチャーを受ける。

  • New!映像編集ワークショップ開催
  • 立命館大学の映像人類学院生プロジェクトでは3/18,19の2日間にかけて小田昌教/イルコモンズ先生を講師に迎えて映像編集のワークショップをします。初日はレクチャー、2日目が実習となり、映像のリテラシーを知識として身につけるとともに、実習を通じて身体的な理解を促す、21世紀の知の基礎講座になります。

    【タイトル】立命館映像編集ワークショップ
    【講師】小田昌教/イルコモンズ 
    【日時】3/18(月) 14:00-17:00頃 レクチャー
    3/19(火) 14:00-17:00頃 実習
    【場所】立命館大学 衣笠キャンパス 有心館YS201
    【参加人数】10名程度
    【授業内容】このワークショップは、映像制作の「ハウツー」だけでなく、映像に関する知識と「リテラシー」を身につけながら、映像制作の「スキル」とそのたのしさを学ぶものです。具体的には「映画」のはじまりの時代から使われてきた編集術や特殊効果を、映像編集ソフトで体験することで、映像制作の基本を身につけます。まずはじめに、これまで一度も映像を制作したことのない人でも簡単にはじめられるように、YouTubeがネット上で提供している「YouTube動画エディタ」を使って、初歩的な編集を体験します。次に、パソコンのOSに付属している映像編集フリーソフトを使い、基本的な特殊効果を学びます。さらに、編集ソフト「AdobePremierePro」を使い、自分が表現したいものを映像化する「テクニック」を身につけます。

    【到達目標】「20世紀は人類がはじめて歴史を「動く映像」として見ることができた最初の世紀」であったことから「映像の世紀」と呼ばれました。20世紀の映像は、主に映画館やテレビのスクリーンで見るものでしたが、メディアの発達と多様化により、今ではパソコンをはじめ、携帯電話やスマートメディアのディスプレイで見るものとなり、あらゆる場所に映像があふれています。いまや映像は「メディア」のための「コンテンツ」とされ、消費されるものとなりました。私たちは、日常のささいな出来事まで「動く映像」として見る「二番目の映像の世紀」を生きていて、「最初の映像の世紀」の人たちが体験した驚きや感動を感じることはありません。このワークショップは、「はじめて映画を見た人たち」や「はじめて映画をつくった子どもたち」の姿を見ることからはじめます。そして「映像の最初の世紀」を生きた映画作家たちの思索や実験をふりかえりながら、それを追体験することで、もう一度、映像に向かい合いたいと思います。「映像の再発見」は、私たちの身のまわりの世界や人生の見方を変えるかもしれません。

    【事前・事後学習】ワークショップで紹介した映画やヴィデオを、ネットの「映像アーカイヴ」や「動画配信サイト」で見て、予習・復習をしてください。

    ▪️参加希望の方は以下のアンケートに回答のうえ、ふくだぺろ/福田浩久 isthisapen7(at)gmail.com ((at)を@に置き換える)までメールください。
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    氏名
    所属
    専攻分野・研究テーマ
    映像でなにをしたいか
    撮影経験
    編集経験
    使ったことがある編集ソフト
    好きな映画作品(5本程度)
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    ▪️シラバス

    ▪️参考資料:データを視覚化することの重要性を示す一例

構成メンバー

・福田 浩久 
・小田 英里 
・荒木 健哉
・今里 基
・八木 達祐
・酒向 渓一郎

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