精神医療史・医学史研究会

院生代表者

  • 幸 信歩

教員責任者

  • 松原 洋子

企画目的・実施計画

目的:精神医学者の呉秀三が、明治・大正期に調査した精神障害者の「私宅監置」の状況を報告してから、今年で100年となる。この報告論文「精神病者私宅監置ノ実況及ビ統計的観察」(1918年)は大きな反響をよび、翌年の精神病院法制定につながった。日本では法律の制定や改正を通して、精神医療保健の改善に向けた試みが行なわれ、「入院医療中心から地域生活中心へ」という方策を打ち立てた。しかし、30万床にのぼる日本の精神科病床数は現在でも世界一であり、未だに自宅監置の事件や精神科病院での拘束による死亡が報告されている。そこで、日本の精神医療と脱施設化に成功したイタリア共和国の精神医療への取り組みを比較し、日本の脱施設化がすすまない理由について問題点を挙げながら考察する。
方法:今秋に来日する精神科医イヴォンヌ・ドネガーニ氏(精神科医/ボローニャ精神保健局元局長)を招き、講演会を行なう。ドネガーニ氏は、精神科医療の脱施設化を目指す「精神病院を無くす法律」(180号法 通称バザーリア法)制定に向けてボローニャ市行政や専門職の意見を集約し、脱施設化への方向性を定める実践に携わってきたことで知られる。この講演会の成果をふまえて、精神障害者が地域で暮らす環境についての日本とイタリアの相違を研究する。

活動内容

講演会
第1回目

  • 開催日時  2018年9月29日 14時半~15時半
  • テーマ 「イタリア・ボローニャでの精神障がい者と地域との共生の歩み―よりあたりまえな地域社会の実現に向けて―」
  • 講師   イヴォンヌ・ドネガーニ氏(精神科医/ボローニャ精神保健局元局長)
  • 通訳   栗原和美(イタリア国立ミラノ大学 哲学専攻  東京ソテリア所属)
  • 場所   福井メトロ劇場(会場所在地:福井県福井市順化1-2-14)
  • *詳細はこちら(Facebook)

第2回目

  • 開催日時  2018年9月30日 9時15分~12時
  • テーマ 「この国に生まれたる不幸を重ねないために―座敷牢から地域での暮らしへ―」
  • 講師  イヴォンヌ・ドネガーニ氏(精神科医/ボローニャ精神保健局元局長)
  • 通訳   栗原和美(イタリア国立ミラノ大学 哲学専攻  東京ソテリア所属)
  • 場所   福井市地域交流プラザ・アオッサ会議室(福井県福井市手寄1丁目4-1 AOSSA5F)

第3回目

  • 開催日時  2018年9月30日 14時半~15時半
  • テーマ 「日本のこれからの精神医療保健の方向性は?×イタリアの勇気」
  • 講師   イヴォンヌ・ドネガーニ氏(精神科医/ボローニャ精神保健局元局長)
  • 通訳   栗原和美(イタリア国立ミラノ大学 哲学専攻  東京ソテリア所属)
  • 場所   福井メトロ劇場(会場所在地:福井県福井市順化1-2-14)
  • *詳細はこちら(Facebook)

成果及び今後の課題

第1回目
・参加人数 135名
第2回目
・参加人数 50名
第3回目
・参加人数 110名

会場から、当事者の切実な意見や医療従事者からの日頃の思いが語られ、講師の講演を聞くだけではなく会場が一体となった。地域一般の人も含めて、さまざまな立場の人々が参加され、歴史の事実を知り、一人ひとりが、今とこれからをつなぐ担い手である意識が深まる切っ掛けとなった。

構成メンバー

・柳田 千尋
・三浦 藍
・駒澤 真由美
・伊東 香純
・桐原 尚之
・寺前 晏治
・舘澤 謙蔵
・西田 美紀
・戸田 真里
・幸 信歩

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