スラムツーリズム研究会

院生代表者

  • 八木 達祐

教員責任者

  • 小川 さやか

企画目的・実施計画

 本プロジェクトの企画目的は、世界的に広がるスラムツーリズムの内実とその諸相を整理し、スラムツーリズムの議論の土台を築くことにある。主な実施計画としては、研究メンバーによる文献調査と、公開シンポジウムの開催である。公開シンポジウムでは、前半にアジア・アフリカ・ラテンアメリカ地域を専門とする各者の発表からスラムツーリズムの多様なかたちを表出させる。後半では全体議論を通じて、事例間の異質性や共通性を議論し、あらゆる既存研究との接続のしかたや新たな道筋を導くことを目指す。

活動内容

 特筆すべき活動内容として公開シンポジウム「スラムツーリズムの展開――その多様性と創造性」(2018年8月3日10時00分~16時30分、創思館303・304)の開催が挙げられる。当日はスラムツーリズム研究の中心的な研究者である観光社会学者のファビアン・フレンゼル(University of Leicester)の基調講演に加え、大阪・釜ヶ崎で観光人類学的調査を行ってきた須永和博(獨協大学外国語学部交流文化学科准教授)、開発援助の視点からチリでの人類学的研究・開発プロジェクトを実施してきた内藤順子(早稲田大学理工学術院准教授)による講演と、八木達祐(先端総合学術研究科院生)、佐久間香子(立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員)、福田浩久(先端総合学術研究科院生)による研究発表を行った。
 当日のプログラムとしては、第一部に、「スラムツーリズムの現在」と題して発表者たちによるアジア、アフリカ、ラテンアメリカを横断した個別具体的な調査報告を行い、スラムツーリズムの事例蓄積を目指した。第二部の「スラムツーリズムの外部から――空間・場所・他者」では、各報告者たちのフィールドにおける「他者」との出会いや空間・場所・移動にかんする考察について研究発表を行い、スラムツーリズムでない視点からスラムツーリズムとは何かを改めて議論した。第三部では、「総合討論」へと移り、あらゆる分野の既存研究におけるスラムツーリズムの位置付けや事例間の共通性・異質性、研究対象としての課題や可能性について幅広く議論を行った。

  • 公開シンポジウム「スラムツーリズムの展開――その多様性と創造性」
  • 日時:2018年8月3日(金)10:00~14:50
    場所:立命館大学 衣笠キャンパス 創思館303・304教室

    *詳細はこちら

成果及び今後の課題

 成果としては、公開シンポジウムの開催を通じて、国内で最初のスラムツーリズムに関する総合的な議論の場を設けることができたことが挙げられる。

構成メンバー

・八木 達祐
・荒木 健哉
・小田 英里
・酒向 渓一郎

先端研 刊行物 学術誌 プロモーションビデオ