農山漁村文化研究会(2024年度)

院生代表者

  • 長谷川 莉帆

教員責任者

  • 阿部 朋恒

概要

 本研究会は、日本および中国における農山漁村をはじめとする人口希薄地域(以下、農村と略記)の現状と課題に関心を寄せる院生が集い、各々が独自の学術的アプローチを涵養するための基礎的素養と洞察力を鍛えることを目的とする。
 「高齢化先進国」である日本において、なかでも農村地域の高齢化率はとりわけ高く、存続が危ぶまれる集落が遍在している。しかし一方で、地元住民自身が農村の活力をとり戻そうと模索しながら空き家や遊休施設(例:廃校)の活用を実践したり、都市の移住者がシカなどの害獣を素材にしたスモールビジネス(例:ジビエ料理店の開業)の起業を行うなど、新たな動きも見られるようになって久しい。このような日本における住民主体のボトムアップ型地域創生の取り組みは、今後、超高齢社会の到来をひかえる先進諸国の注目を集めている。
 他方、中国に目を向けると、都市部が急速な経済発展を遂げる中で、農村に暮らす人々の経済的困窮が是正されない状況が社会問題としてクローズアップされる。そのような、拡大する都市と農村との格差を是正すべく、農村へのエリート人材の派遣や、農林水産業の生産や流通にまつわるテクノロジーの刷新・先端化など、中国では国家主導での人材・技術の「大量動員」が行われ、ドローンやAI、天候操作などを駆使した世界に類を見ない生業が出現しつつある。
 本プロジェクトでは、以上のようにそれぞれの文脈において転換期を迎えている日中の農村の現況および研究動向について両国出身のメンバーが協働し比較検討を進めることで、従来にない研究視座を探る。加えて、類似した研究関心と異なる出自や学術的背景を持つ院生同士が集い、該当分野の基礎文献の講読や研究動向整理を共同で行うことで、効率的かつ網羅的に知識を身につけることができると考えている。
 さらに、身につけた知識を机上の空論としないためにも、現場との対話を通じて研究の視野を開いていく経験を積むことも企図している。具体的には、近畿・中国地方の農村地域に居住しつつ現地課題に日々向き合う実践家の方々との意見交流会を開催し、この勉強会の成果を報告すると共に、実地調査を通じた現場への共感的理解に基づいて、各々の研究メンバーが研究の視座を再構想するための機会とする。また、本研究科と研究協定を締結している雲南大学民族学与社会学学院の教員の来日に合わせ、2024年 11 月には日中の農村地域振興に関するワークショップの開催を予定している。

活動内容

2024年度 農山漁村文化研究会 特別講演会
「中国と日本、戦後の農村変容を読み解くための手法を学ぶ」

2024年度 農山漁村文化研究会 特別講演会「中国と日本、戦後の農村変容を読み解くための手法を学ぶ」 講師:河野正(国士舘大学21世紀アジア学部講師・中国農村研究者) 2024年11月17日(日)15:00-17:00 対面:立命館大学衣笠キャンパス 究論館プレゼンテーションルームA・B お問合せ 長谷川莉帆(共生領域1回生) gr0697hv@ed.ritsumei.ac.jp 学外からの参加希望者は要事前問い合わせ

【日時】
2024年11月17日(日)15:00-17:00

【参加方法】
可能な限り、事前に申込フォームからお申し込みください。
会場定員の関係で人数把握をしたいと思っています。
もちろん、当日とびいり参加も歓迎します。
※学外からの参加を希望される場合は、事前にお問い合わせください。

【会場】
立命館大学衣笠キャンパス 究論館Room A・B

【講演者紹介】
河野正 先生(国士舘大学21世紀アジア学部講師)
1982年生まれ。2006年東京都立大学人文学部卒業。2008年東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。2016年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(PD)。東京大学社会科学研究所助教、東京大学アジア研究図書館助教を経て2023年より現職。

【参考文献】
河野正,2023,『村と権力――中華人民共和国初期、河北村落の村落再編』晃洋書房

【タイムスケジュール】
15:00-15:05 はじめのご挨拶(河野先生のご紹介) 阿部朋恒 准教授
15:05-15:55 ご講演 河野正先生『中国華北地方の近現代(仮)』
(休憩)
16:05-16:25 対談 『日中農村の通文化的比較(仮)』 河野正先生・阿部朋恒 准教授
16:30-16:55 ご講演・対談を受けてディスカッション
16:55-17:00 おわりに

【主催・共催】
[主催]:立命館大学大学院先端総合学術研究科院生プロジェクト「日中農村文化研究会」
[共催]:東京大学中国学イニシアティブ「現代中国の歴史的起源」部会

構成メンバー

長谷川 莉帆
曹 旭东
片平 深雪
近藤 千尋
勝又 栄政
岳 恒萱
丁 紫燕
閔 子軒

映画理論・映画テクスト研究会(2024年度)

院生代表者

  • 西川 秀伸

教員責任者

  • 千葉 雅也

概要

 本研究プロジェクトの目的は、映画理論と作品分析の方法論に対する理解を深めることである。本研究プロジェクトはこの目的を実現するために、新旧の映画理論を精読し、その学びを軸にして、改めて具体的な映画作品を鑑賞しようと考える。したがって、研究会の構成も映画理論編と作品鑑賞編に分かれることになるだろう。

 映画理論編は、三つに分かれる。第一に今年惜しくも亡くなった北米を代表する映画研究者デビッド・ボードウェルの著作群を講読する。ここでは主に映画と物語の関係を探ることになるだろう。第二にジル・ドゥルーズの『シネマ』1&2を講読する。ここでは、映画研究と哲学の橋渡しを探ることになるだろう。最後に日本の映画研究を牽引する蓮實重彦と木下千花の著作を講読する。ここでは日本の研究者と批評家が、欧米の理論や哲学をいかに自身の研究方法や理論に取り込んでいったかを探求することになるだろう。

 作品鑑賞編は今のところ、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙』を予定している。スコセッシが遠藤周作の原作をいかにして映画メディアに翻案したかを精緻に検討することになるだろう。

 本研究プロジェクトでは、これら二種類の研究会を有益に実施するために、映画理論と映画批評に精通する、大阪大学名誉教授である上倉庸敬先生をゲスト講師として定期的に招聘する予定である。定期的に実施される研究会の内容は、プロジェクトメンバーの発表とそれに基づくディスカションである。

 本研究プロジェクトの意義は、次の三点に集約される。第一に、欧米や日本の映画研究の大きな流れを理解できる点である。第二に、ボードウェルや蓮實や木下そしてドゥルーズの理論と方法論を正確に理解することによって、これらの映画理論を精密に運用する能力を修得できる点である。第三に、本研究プロジェクトを通して、抽象的な次元の映画理論と具体的な次元の作品分析のための方法論の双方に精通することによって、映画研究の未来に資する能力を養うことができる点である。

活動内容

「ポストヒューマンと21世紀のゾンビ映画」
講師:福田安佐子
日時:1/17(金) 16時〜17時30分
場所:創思館303・304
参加方法:対面(事前申し込み不要)
使用言語:日本語

タイムスケジュール
16:00~17:00 福田安佐子「ポストヒューマンと21世紀のゾンビ映画」
17:00~17:30 質疑応答(その後、懇親会を予定しております)

講師/福田安佐子
国際ファッション専門職大学国際ファッション学部助教。専門は、ホラー映画史、表象文化論、身体論。単著に『ゾンビの美学:植民地主義、ジェンダー、ポストヒューマン』(人文書院)、共訳書にブライドッティ『ポストヒューマン』(フィルムアート社)、クロンブ『ゾンビの小哲学』(人文書院)がある。

主催:映画理論・映画テクスト研究会

構成メンバー

西川 秀伸
宮内 沙也佳
立川 宗一郎

日本現代批評史研究会(2024年度)

院生代表者

  • 立川 宗一郎

教員責任者

  • 千葉 雅也

概要

 本研究会は、日本現代批評史における重要文献の講読を通して、日本現代批評の歴史意識や現代の批評状況を把握することにより、批評的な問題意識を醸成することを目的とする。また、学術と批評の横断可能性を意識づけ、多角的な視点を身につけることで、学術/批評をまたぐ「知」のあり方を模索する。

 学術/批評にまたがる「知」に接近するために、日本現代批評に関心をもつ院生とともに文献講読を行う。講読する文献は、浅田彰『構造と力――記号論を超えて』(中公文庫、2023年、初版1983年)、福尾匠『非美学――ジル・ドゥルーズの言葉と物』(河出書房新社、2024年)とする。また、日本現代批評に関する講師を招聘し、公開研究会の実施を予定している。

 本研究会の意義は主に三つある。第一に、さまざまな学問分野の「知」を包含する日本現代批評史を追うことで、文学・哲学・ゲーム研究・メディア論等々の諸分野に関わる横断的な「知」を獲得すること。第二に、批評の歴史意識のなかに存する、学術に還元することを可能とする「知」を探ることを通して、批評的かつアクチュアルな問題意識を形成すること。第三に、さまざまなコンテクストが交差する日本現代批評の文献を講読することにより、複数的な思考を同時的に駆動するようなテクスト読解の能力を向上すること。以上の三点を通して、学術/批評の「知」を血肉化する。

活動内容

2024年度 日本現代批評史研究会 公開研究会
「『非美学』と批評史−否定神学批判のあとで−」

2024年度 日本現代批評史研究会 公開研究会「『非美学』と批評史−否定神学批判のあとで−」 講師:福尾匠 2024年11月14日(木)12:30-15:30 対面:立命館大学衣笠キャンパス 創思館 303.304 参加申込 https://forms.gle/3thDWehTqoatFNwS7

【日時】
2024年11月14日(木)12:30-15:30

【参加方法】
資料準備の都合上、事前にグーグルフォームからご回答ください。
https://forms.gle/3thDWehTqoatFNwS7

【会場】
立命館大学衣笠キャンパス 創思館 303.304

【講演者】
福尾匠 氏

【参考文献】
『非美学 ジル・ドゥルーズの言葉と物』河出書房新社.2024年

【企画趣旨】
福尾匠氏の近刊『非美学』についてご著者本人が講演。
学際的な研究活動を行う院生とともに、批評史における『非美学』の位置づけと、
「開かれているということを包摂の方便にしない」ような交流のポジティヴィティについて議論を深める。

【お問い合わせ】
立川宗一郎 lt1201xk@ed.ritsumei.ac.jp

構成メンバー

立川 宗一郎
TAN Lacheng
徳永 怜
間宮 琴子
今井 友哉

身体論・空間論研究会(2024年度)

院生代表者

  • 宮内 沙也佳

教員責任者

  • 千葉 雅也

概要

 本研究会の目的は、それぞれの理論に関する文献講読と公開研究会での意見交換を通して、研究会所属メンバーの博士論文執筆の切り口の発展、研究者としての活動の礎を築くことである。
 そのために本研究会では、以下の 3 点の内容および方法でおこなう。すなわち、1読書会の開催・文献の輪読、2映画作品の視聴、3院生の研究発表を通したそれぞれの研究の推進、4読書会で検討したテキストの著者や研究者を招聘した公開研究会の実施である。以上を通して、成果発信を定期的におこなっていく。
 VR や AI などのテクノロジーが急速に発達してきた現代において、身体論や空間論の研究分野においてもロボットやアバターに注目が集まっている。そこでは「自在」に動く身体を肯定する主張がなされている。そこで、再度「自在」に動かない身体=有限性を持つ身体・空間について改めて考えていく。本プロジェクトの意義は、多様な専門領域における身体論や空間論を探ることによって、身体の拡張性や有限性を捉えることである。身体論と空間論は緊密な関係にある。本研究のメンバーは、身体論や空間論の研究を背景とするメンバーから構成されている。
 また、所属メンバーは研究対象やルーツに母国以外が関与していることや、本研究会で検討する文献や招聘予定の研究者も国内外を想定していることから、本研究会内外において多様な視点を感受し、各々の研究に還元することにも意義がある。

活動内容

・イベント名 「言語・イメージ・ゆるい身体」
 ・講師 橋本一径
早稲田大学 文学学術院 文化構想学部教授。専門は表象文化論。論文に「最初で最後の写真論?——ロドルフ・テプフェールの「ダゲール板について」(一八四一)をめぐって 」(『美術フォーラム21』第47号 2023年6月号)。編著に『アニメ的人間:インデックスからアニメーションへ』(新曜社)。

 ・日時 2月8日(土) 13時〜15時15分

 ・場所 究論館プレゼンテーションルームB・C

 ・参加方法 対面(事前申し込み不要)

 ・使用言語 日本語

 ・タイムスケジュール
   13:00- 開会・趣旨説明
   13:05- プロジェクトメンバー発表(60分)     
   14:05- 休憩(5分)
   14:10- 講師によるコメント(30分)
   14:40- ディスカッション(30分)
   15:10- 閉会

 ・主催 身体論・空間論研究会

構成メンバー

宮内 沙也佳
KIM Kyohyun
談 拉成
王 裕森
松元 一織
徳永 怜
立川 宗一郎
朱 彦如
今井 友哉

記録を集める・残す・使う(2024年度)

院生代表者

  • 山口 和紀

教員責任者

  • 後藤 基行

概要

【目的と内容】本研究科では「アーカイブ」に関わるプロジェクトに参与する大学院生が多く在籍している。アーカイブズに関する基礎的な学習および、実践的な活動レベルでの知識を得ることが必要である。
 そこで本プロジェクトは、アーカイヴィングやアーカイブズに関わる基礎的な知識獲得を行うための勉強会およびフィールドワークを企画する。

【方法】アーカイブに関する勉強会を定期的に行う。学内の研究所・研究センター等におけるアーカイブズの試みを実地調査する。また、国内拠点のフィールド調査(法政大学内大原社会問題研究所研究アーカイブズを想定)も行う。学内での定期的なミーティングと外部機関での実地調査を組み合わせ、理論と実践の双方を経験する。

【意義】このプロジェクトにより、参加するメンバーはアーカイブ学の基礎から応用までの広範な知識を身につける。さらに、将来的にはこうした知識を活用し、自らの専攻分野における記録保持と情報管理の改善に貢献することが期待される。

活動内容

構成メンバー

山口 和紀
宮本 敬太
長谷川 莉帆
大橋 一輝

「障害者とjob&work」研究会(2024年度)

院生代表者

  • 竹村 文子

教員責任者

  • 後藤 基行

概要

【目的】本研究会は障害者の働くことに関する研究を行なっている院生が共同研究を通じて、各院生の博士論文執筆に必要な研究力を向上させることを目的とする。本研究会メンバーが研究対象とする障害種別は様々である。メンバーには視覚障害者、聴覚障害者、身体障害者、精神障害者、知的障害者に関する研究を行なっているものがいる。院生同士協働・討論する能力を培い、研究する力を身につける。各個研究を「job&work」のテーマのもとで編集し、より大きな成果へとつなげる実践的能力を培い、独創的な協働研究を組織できる研究者となる。

【方法・内容】毎月定例会を対面またはZoomで開催し、各院生の研究動向を発表し、討論を通じて学術研究の発展に寄与できる実践力を養う。また、研究目的に沿った研究者に講演してもらい、理解を深める。

【意義】障害種別によって合理的配慮を含めた労働条件、雇用方法は大きく異なる。修了生である駒澤により精神障害者の働き方について明らかにされたことは多い。しかし、同じ精神障害者でも異なる困難さを見いだすこともできる。また、現在、特別支援教育を受けている児童生徒や不登校児童の増加により障害者雇用の拡大は予想され、全労働人口減少の中、課題も多い。障害者雇用として、特例子会社、A型・B型就労継続支援事業所は急増し、ビジネスとして成長している。このような状況下、異なる視点で共同研究することにより、各自の研究もまた深まり実践的な能力が培われると考える。

【参考文献】駒澤 真由美 2022 『精神障害を生きる――就労を通して見た当事者の「生の実践」』,生活書院.

活動内容

 

この度、立命館大学先端総合学術研究科の院生プロジェクト「少数者と教育」研究会と「障害者とjob&work」研究会では、「障害者の働くを/から考える——福祉・就労・教育」というテーマで、下記の通り、合同シンポジウムを開催することになりました。

「働けない」「不安定な働き方」を巡る研究から、福祉・就労・教育をとらえなおすことを目的とし、
東京大学の近藤武夫先生、明治学院大学の猪瀬浩平先生、立命館大学の小川さやか先生にご登壇いただきます。

労働と教育には深い相互関係があり、単独でそれぞれのテーマに分けて開催するよりも、より深い知見を得ることが可能になると考えます。
ご関心のある方は是非ご参加いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

〇概要
「一人前」の仕事ができない。
だから、いくつも・たくさんの仕事を、仲間と柔軟に乗りこなす。細かく分ける。
多様な人たちと一緒に耕す。
「働けない」「不安定な働き方」を巡る研究から、福祉・就労・教育をとらえなおす。

本シンポジウムは、近代の「能力主義的」な、「一人前の仕事」に対して、
オルタナティブな働き方を提示する研究者たちと、今日の障害者にとっての福祉・就労・教育をとらえなおすことを目指します。

〇開催日時
2025年1月25日(土) 14時〜17時

〇開催場所
立命館大学衣笠キャンパス創思館1Fカンファレンスルーム
現地およびZoom(ハイブリッド)

〇参加対象者・定員
関心のある方。
現地定員:90名
Zoom定員:200名

〇講師・登壇者情報
・近藤武夫
東京大学先端科学技術研究センター教授。博士(心理学)。文部科学省 「障害のある学生の修学支援に関する検討会」委員などを歴任。一般社団法人 特別支援教育士資格認定協会理事。SISL(東京大学 先端科学技術研究センター 社会包摂システム分野)研究プロジェクトにて活動。
・猪瀬浩平
明治学院大学教養教育センター教授。博士(社会人類学)。専門は文化人類学。著書に『分解者たち——見沼田んぼのほとりを生きる』(生活書院)、『野生のしっそう:障害、兄、そして人類学とともに』(ミシマ社)など。
・小川さやか
立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。博士(地域研究)。専門は文化人類学、アフリカ研究。代表作に『都市を生きぬくための狡知——タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社)、『「その日暮らし」の人類学——もう一つの資本主義経済』(光文社新書)など。

○参加方法
以下の申込フォームよりお申し込みください。
https://forms.gle/vaMka9n5g119f9Su5
※申込締切:2024年1月18日(日)まで

○情報保障について
手話通訳、文字情報保障

○合理的配慮について
上記の情報保障以外で合理的配慮をご要望の際、
視覚障害等の理由で申し込みフォームからの申込みが難しい場合などは、
問い合わせ先までご連絡いただけますようよろしくお願いいたします。

問い合わせ先:
メール:gr0529kp@ed.ritsumei.ac.jp (代表:種村光太郎宛)

構成メンバー

竹村 文子
栗川 治
宮本 敬太
大矢 雅之
篠田 紀一郎
種村 光太郎
山口 和紀
山本 由紀子
原田 武彦
大橋 一輝
田場 太基

フランス現代思想研究会(2024年度)

院生代表者

  • 蛭間 直人

教員責任者

  • 千葉 雅也

概要

 本研究プロジェクトの目的は、フランス現代思想に関する文献を用いた購読会を通じて、分野の知見を深め、研究者としてのスキルアップを目指すことである。具体的な内容としては、2024 年 6 月から 2025 年 2 月にかけて、関連研究を行うメンバーによる月例の研究会を実施し、文献の購読とレジュメ作成を行い、発表形式で購読会を進めていく。さらに、秋学期以降は公開研究会を開催し、フランス現代思想を専門とする講師を招聘し、より専門的な講義とディスカッションを行う。
 本研究プロジェクトの意義は、以下の通りである。
1. フランス現代思想分野における知見の深化:文献の購読とディスカッションを通じて、フランス現代思想の理論やアイデアについてより深い理解を得ることができる。
2. 研究者としてのスキルアップ:レジュメ作成や研究発表を通じて、研究方法や論理的思考力など、研究者として必要なスキルを向上させることができる。
3. 学外講師との交流:公開研究会を通じて学外の専門家と交流し、専門的な知識や視点を得ることができる。
※本研究会はA:研究力向上型・C:成果発信型で採択

活動内容

公開研究会:カウント・イン ミシェル・フーコーの「安全装置」と現代
公開研究会テーマ><br />  カウント・イン ミシェル・フーコーの「安全装置」と現代<br />  <開催日時・会場><br />  2025年2月22日(土)15:00~17:00 (開場:14:30)<br />  会場:立命館大学 衣笠キャンパス 究論館 プレゼンテーションルーム<br />  ゲスト講師:箱田徹先生(神戸大学 大学院国際文化学研究科 グローバル文化専攻 准教授)<br />  講演「ポスト福祉社会のフーコー統治論 新たな展開を求めて」

<開催日時・会場>

2025年2月22日(土)15:00~17:00 (開場:14:30)

会場:立命館大学 衣笠キャンパス 究論館 プレゼンテーションルーム
ゲスト講師:箱田徹先生(神戸大学 大学院国際文化学研究科 グローバル文化専攻 准教授)

講演「ポスト福祉社会のフーコー統治論 新たな展開を求めて」

<公開研究会概要>

ミシェル・フーコーが提唱した、「安全 Sécurité」という概念。これは、技術の発展が進む1970年代に、フーコーが1977年の講義『安全・領土・人口』の中で詳述したものです。この概念は、「主権」としての権力、「規律」としての権力がそれぞれ登場したのち、統計的手法に基づく人間の管理技術の発展によって新たに出現した権力の形態を指しています。この「安全(装置)」は、「主権」のように特定の統治者が個々人を支配するわけでもなく、「規律」のように権力を各人の中に内面化して自らを律するのでもありません。それは、単なる統計的なデータを用い、社会全体の調整を図るものであり、人間の生はこの緩やかな調整の全面化の中に浸されることになります。

フーコーのこの講義からは約50年が経過した現在においても、この「安全(装置)」という権力形態は依然として効力を失ってはいません。現代社会では、人間は統計的なデータの一部として「カウント・イン」され、収入やSNSのフォロワー数といった統計データに過剰に依存する傾向が見られます。このような現状を踏まえ、再び「安全(装置)」に関する議論が求められるのは明らかでしょう。それでは、この「安全(装置)」に対して、どのような抵抗、便乗、または脱構築が可能なのでしょうか。

さらに重要な問いとして、新たな技術であるAI、特にChatGPTの台頭と「安全(装置)」との関係性が挙げられます。この技術は「安全(装置)」の一部として捉えるべきか、それとも新たな権力形態の予兆と見るべきか。これも議論の余地があります。

フーコーの死後40年を記念し、今回の公開研究会では、フーコー研究者である箱田徹先生(神戸大学 大学院国際文化学研究科 グローバル文化専攻 准教授)をお招きし、「安全(装置)」と「現代」について考えます。そして、「安全(装置)」による「カウント・イン」を、これからの時代を生きる=演奏するための「カウント・イン」に読みかえ、そのように軽快なリズムを鳴らすことを目指します。

〇参加申し込み

イベント当日までに下記フォームから参加の申し込みをお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScRMm1dDqwG2SQmB8_ivfJUXzHfYHTb0jojmDxbys_maJIvcg/viewform?usp=header

〇主催
立命館大学大学院 先端総合学術研究科 「フランス現代思想研究会」
問い合わせ:蛭間直人
gr0529sf@ed.ritsumei.ac.jp

構成メンバー

蛭間 直人
北村 公人
呉 海鷗(ゴカイオウ)
立川 宗一郎
徳永 怜
濱中 健太
小野 瑞佳

活動歴

2023年度の活動はコチラ

脱構成研究会(2024年度)

院生代表者

  • 徳永 怜

教員責任者

  • 小泉 義之

概要

【目的】
 イタリアの政治哲学者ジョルジョ・アガンベンによるホモ・サケルシリーズの文献講読を行う。本年度は『身体の使用ー脱構成的可能態の理論のためにー』(上村忠雄訳.みすず書房.2016)を主要な輪読文献とし、【脱構成】というテーマを基軸に広く「生政治」を問題とする政治哲学、公法学、美学への読解力の向上を目的とする。
 【脱構成】とは、アガンベンがアントニオ・ネグリの「構成的権力」を批判する際に提示した戦略である。執行権力が法措定を事実上占領する「例外状態」が常態化した今日において、憲法制定の力としての「構成的権力」に頼ることはもはや袋小路である。【脱構成】はこうした生政治的状況に応答するために、法措定を回避する生の形式の可能性を広く問うものであり、その実践について理論的な考察を行うことが本研究会の任務となる。

【活動】
 月例の文献講読を行う。アガンベン読解においては、現代政治哲学における生政治理論の専門用語(統治性、別の生の形式)、公法学の専門用語(構成的権力、構成された権力)、美学の専門用語(ポイエーシス、プラクシス)等、多くの専門知識が求められる。メンバーは報告の過程でこれらの専門知識について適宜調査し、自らの血肉として理論を運用できるよう研鑽に努める。
 また、適宜イタリア現代思想を専門とする外部講師等を招聘し、研究指導を仰ぐ。
 
【意義】
 本研究会での研鑽を通じて、メンバーは「生政治」理論を中心とした諸々の専門領野に対する読解力を養うことが期待される。
 アガンベンの文献読解は、多様な分野の古典理論を現代の状況に敷衍して思考する際に最良の糧となる。現代思想のバックボーンを構成する、諸々の人文科学領野に対する基礎体力を醸成することは、参加メンバーの研究の質を根底から向上させることに役立つであろう。

「近代思想においては、もろもろのラディカルな政治的変化は「構成的権力(potere costituente (みずからを憲法へと構成する権力・憲法制定権力))」という概念をつうじて思考されてきた。
(…)もし構成的権力には革命、蜂起、新しい憲法、すなわち、新しい法権利を定立し構成する暴力が対応するとしたなら、 脱構成的可能態のためにはまったく別種の戦略を考案する必要があるだろう。それを定義することが来たるべき政治の任務なのである。」(『身体の使用ー脱構成的可能態の理論のためにー』(上村忠雄訳.みすず書房.2016.p.444)

*本研究会は立命館大学先端総合学術研究科の学生を主要メンバーとしつつ、京都大学人間環境学研究科でアガンベンを研究する竹下涼氏や東京都立大学人文科学研究科でバタイユを研究する森優太氏等、複数名の有志も協働で参加する。

 

活動内容

公開研究会テーマ><br />  現代思想とアナキズムーアガンベン・フーコーの統治論をめぐって<br />  
<開催日時・会場><br /> 日時:3月2日(日)14:00-17:00<br />  
場所: 立命館大学衣笠キャンパス 創思館303・304<br />
講師:高桑和巳<br />  講演「現代思想とアナキズムーアガンベン・フーコーの統治論をめぐって」

「現代思想とアナキズムーアガンベン・フーコーの統治論をめぐって」

【開催日時・会場】
日時:2025年3月2日(日)14:00~17:00
会場:立命館大学衣笠キャンパス 創思館303・304

【プログラム】
1. 高桑和巳氏 講演
2. 院生による個人研究発表
– II. 徳永怜(立命館大学先端研M2)
– III.竹下涼(京都大学人間環境学研究科M2)

【公開研究会趣旨】
アガンベン『ホモ・サケル』やフーコー『安全・領土・人口』の訳業で知られる高桑和巳氏を招聘し、現代思想とアナキズムの連関について検討する研究会を開催します。

【参加申し込み】
参加申込フォーム:
[Googleフォーム]

【主催】
立命館大学大学院 先端総合学術研究科 院生プロジェクト「脱構成研究会」

【お問い合わせ】
徳永怜 lt1234hi@ed.ritsumei.ac.jp
 

構成メンバー

徳永 怜
立川 宗一郎
今井 友哉
談 拉成
曲 虹霖

マルチモーダル人類学先端研究会(2024年度)

院生代表者

  • 加藤 このみ

教員責任者

  • 小川 さやか

概要

 理性の優位を身体や情動といった観点から揺るがせようとする知的転回(ダマシオ2005)や、デジタル革命により複合化したメディア状況を受けて、学術の対象と手法は従来のテクスト的・理性的なものを超えて、マルチモーダルかつ情動的なものを含むようになっている。こうした動きを踏まえて、2024 年1 月にペンシルベニア大学のデボラ・トーマス教授を招聘し、「マルチモーダル人類学」の集中講義が実施された。本研究プロジェクトは、デボラ教授らによる講義を引き継ぎながら、さらにマルチモーダル人類学に関する知見を、理論と実践を往還しながら学ぶことを目的とする。現象学的人類学の理論(Jackson 2012)、映像人類学の作品(Sniadecki 2014)、マルチモーダル人類学の最新の文献(Westmoreland 2022)、芸術的な人類学への批判(Geismar 2015)までをおさえることで、科学と芸術、人類学を再定義し、研究会員各自がより先鋭な人類学、ひいてはマルチモーダル的な学術制作を達成できるようになることを目的とする。さらに参加者の多様な学問的関心を活かし、社会学、哲学、芸術学などの学際的な視点を含みながら、人類学を超えてマルチモーダルな人文社会科学が発展しうる可能性を模索する。

活動内容

マルチモーダル人類学先端研究会 特別講義
「アーティストのフィールドワーク #01 ホー・ルイ・アン」


 
【開催日時】
2025年1月12日(日)15:00-18:00 (14:30開場)

【開催場所】
立命館大学衣笠キャンパス 充光館 地下シアタールーム(JK001)
〒603-8346 京都府京都市北区等持院北町56−1

【講師】
川上幸之介先生(倉敷芸術科学大学准教授)

【特別講義】
「アーティストのフィールドワーク #01 ホー・ルイ・アン」

【コメンテーター】
小川さやか先生(立命館大学先端総合学術研究科教授)

【タイムスケジュール】
15:00-15:05 はじめの挨拶
15:05-16:00 『Solar: A Meltdown』by Ho Rui An 鑑賞
16:00-17:00 川上先生による講義
17:00-17:40 小川先生によるコメント・対談
17:40-18:00 質疑応答・ディスカッション

【ゲスト講師紹介】川上幸之介 先生 (倉敷芸術科学大学准教授)
1979年山梨県生まれ。ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズMAファインアート修了。KAGアートディレクター(https://gallerykag.jp/)。専門は現代アート、ポピュラー音楽、キュレーション。著書に『パンクの系譜学』、共著に『思想としてのアナキズム』(以文社)。キュレーションにPunk! The Revolution of everyday Life展、Bedtime for Democracy展ほか。川上先生のゼミHPはこちら:https://kawakamilabo.com/

【お申し込み】
事前申し込みは必要ありません。ご不明点があれば、下記連絡先までご連絡ください。

【本研究会の問い合わせ先】
加藤このみ(共生領域2回生) gr0635vs@ed.ritsumei.ac.jp

構成メンバー

加藤 このみ
福田 浩久
藤本 流位
柴田 惇朗
Kyo KIM

活動歴

2023年度の活動はコチラ

ゲーム研究基礎文献講読会(2024年度)

院生代表者

  • 木村 亮太

教員責任者

  • Martin ROTH

概要

本研究プロジェクトでは、ゲーム研究における基礎文献の読解と共有を主軸に、各参加者の知識の向上を目指すものである。
ゲーム研究における基礎文献を取り上げ、各参加者は指定された資料の特定範囲を担当し、定期的に開催する研究会で他の参加者に対して内容の発表とディスカッションを行う。これらの研究会を踏まえて、年に2回ほどゲーム研究者を講師として招待し、取り扱った資料に関して講演や議論を行う。
これらの研究会を実施することで、各々のゲーム研究に対する知識の向上と、特に領域として日の浅いビデオゲーム研究者どうしでの基礎文献についての知識共有につながり、ゲーム・ビデオゲーム研究の更なる発展に寄与できる。
 

活動内容

院生プロジェクト「ゲーム研究基礎文献講読会」『ルールズ・オブ・プレイ―ゲームデザインの基礎』

 【日時】 2025年1月11日(土)15:00-18:00 【参加方法】 以下のGoogleフォームから必要事項をご記入いただくことで、参加予約となります。 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeFFZsHyHSo4yxehLIAnshIOVYrnjQW6PgY9qXIqCEUjJAKwA/viewform?usp=dialog 	 1/11(土)山本貴光先生講演会 参加申し込みフォーム docs.google.com 【開催方法】 オンライン開催 (Googleフォームに記入いただいたメールアドレスに、参加用のURLを送付します) 【講演者】 山本貴光(文筆家、ゲーム作家、東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授) 【参考文献】 ケイティ・サレン, エリック・ジマーマン著, 山本貴光訳(2019)『ルールズ・オブ・プレイ―ゲームデザインの基礎』ニューゲームズオーダー. 【講演内容】 ・『ルールズ・オブ・プレイ』の意図と枠組みと中心概念(Unit1を中心に) ・『ルールズ・オブ・プレイ』はいま、どんな意義をもっているか  ・ゲームで遊ぶとき、何が起きているのか(Unit3「遊び」に関連した検討) ・『ルールズ・オブ・プレイ』を拡張・改訂するとしたらどうするか 【主催】 立命館大学大学院先端総合学術研究科院生プロジェクト「ゲーム研究基礎文献講読会」 【お問い合わせ】 木村亮太 gr0583ee@ed.ritsumei.ac.jp

【日時】
2025年1月11日(土)15:00-18:00
【参加方法】
以下のGoogleフォームから必要事項をご記入いただくことで、参加予約となります。

1/11(土)山本貴光先生講演会 参加申し込みフォーム
【開催方法】
オンライン開催
(Googleフォームに記入いただいたメールアドレスに、参加用のURLを送付します)
【講演者】
山本貴光(文筆家、ゲーム作家、東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授)
【参考文献】
ケイティ・サレン, エリック・ジマーマン著, 山本貴光訳(2019)『ルールズ・オブ・プレイ―ゲームデザインの基礎』ニューゲームズオーダー.
【講演内容】
・『ルールズ・オブ・プレイ』の意図と枠組みと中心概念(Unit1を中心に)
・『ルールズ・オブ・プレイ』はいま、どんな意義をもっているか
・ゲームで遊ぶとき、何が起きているのか(Unit3「遊び」に関連した検討)
・『ルールズ・オブ・プレイ』を拡張・改訂するとしたらどうするか
【主催】
立命館大学大学院先端総合学術研究科院生プロジェクト「ゲーム研究基礎文献講読会」
【お問い合わせ】
木村亮太 gr0583ee@ed.ritsumei.ac.jp

 
ゲーム研究基礎文献講読会講演会


【日時】
2024年11月29日(金)13:00-16:00
【参加方法】
以下のGoogleフォームから必要事項をご記入いただくことで、参加予約となります。
https://forms.gle/3thDWehTqoatFNwS7
【開催方法】
オンライン開催
(Googleフォームに記入いただいたメールアドレスに、参加用のURLを送付します)
【講演者】
小林(七邊)信重(東北学院大学情報学部データサイエンス学科准教授)
【参考文献】
フランス・マウラ著、小林信重訳(2024)『ゲームスタディーズ入門ー文化の中のゲーム』ニューゲームズオーダー.
【講演タイトル】
『ゲームスタディーズ入門ー文化の中のゲーム』概説
ゲームデザイナー堀井雄二の性向と能力の形成過程の探求ー『ゲームスタディーズ入門』の議論に関連して
【主催】
立命館大学大学院先端総合学術研究科院生プロジェクト「ゲーム研究基礎文献講読会」
【お問い合わせ】
木村亮太 gr0583ee@ed.ritsumei.ac.jp
 

構成メンバー

木村 亮太
平田 清音
松元 一織
TONG Haorui
PARK Sujin
髙橋 佑基
間宮 琴子
AN Hongying
YU Haowen
FANG Ya

活動歴

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