「音楽と社会」研究会

院生代表者

  • 堤万里子

教員責任者

  • 千葉 雅也

活動内容

  • シンポジウム 音楽が生起するとき―出会う《職業人・愛好者・大衆》―


    音楽が生起するとき―出会う《職業人・愛好者・大衆》

    ※クリックでPDFファイルダウンロード。

    日時:2016年1月23日(土)15:00~18:00
    場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館303・304
    アクセス
    キャンパスマップ

    【内容】
    15:00~16:15 基調講演
    登壇者(敬称略、五十音順)※タイトルは変更となる可能性があります。
     高橋かおり(早稲田大学 文化社会学)
      「「趣味」だけど/だからこそ――アマチュア芸術活動実践を通じての一考察」
    要旨
     本報告では、首都圏で社会人劇団やアマチュアオーケストラで活動する人たちの語りを通じて、「趣味」として芸術活動を続けている参加者のキャリアと、彼らの芸術活動に対する意味付けを読み解く。そして彼らに光を当てることにより、「アマチュアらしさ」を描き出すと同時に、アマチュアならではの困難さについて議論する。
     プロの対義語としてアマチュアは定義されるが、プロになれなかった人だけがアマチュアなのではない。積極的にアマチュアであることを選ぶ人も存在する。そして、演劇にしてもオーケストラにしても、アマチュアの芸術活動は生活を支える仕事と対比される。なかには、余暇を行いやすい仕事を選択する人もいる。アマチュア活動はほとんどの場合自己支援的であり、多くの時間やお金を投資して「趣味」として楽しまれるのである。
     しかし、結婚や出産、仕事との関連など、「趣味」だからこそ活動を中断せざるを得ないこともある。アマチュアの芸術活動を支える基盤は、単なる芸術活動支援にとどまらず、広く生活環境や労働環境を整えることによって達成される。単なる「趣味」だけど彼らにとっては生きていくために重要な要素なのであり、むしろ「趣味」だからこそ、ある程度制限されているからこそ、参加者はその範囲内で自由に楽しみ、芸術活動に打ち込むことができるのである。

     山本美紀(奈良学園大学 音楽学・音楽教育学、著書『音楽祭の戦後史――結社とサロンをめぐる物語』
      「音楽を媒介とする場の考察から―宗教・教育・音楽祭―」
    要旨
     ある時「問題は、近代という<理性>において、宗教は社会を有機的にまとめるという機能をもはや果たすことができない、ということである。今日、宗教がこの力を失い、もはやそれを取り戻すことができないのは、科学者や哲学者のせいではない。『普通の』人々という大きな集団のせいでもある」(スラヴォイ・シジェク『操り人形と小人 キリスト教の倒錯的な核』青土社2004)という言葉に出会い、ふと「宗教」を「音楽」に置き換えたらどうだろうと考えた。わかりやすくするために、真反対のとらえ方、つまり「音楽」が未だ「有機的にまとめるという機能」を果たせているとすれば、自動的に「普通の人々」がそれを自分たちのものとして保持している、ということになる。さて、いかがだろう。
     現代の、特に芸術的な音楽活動の現場は、「『普通の』人々」を何とかして振り向かせようと、日々苦心しているのが大方の現状だ。そこに「音楽」が「社会を有機的にまとめる」機能への篤い信心があるのかどうかはわからないが、少なくとも2012年に施行された「劇場、音楽堂などの活性化に関する法律」(通称「劇場法」)はその機能を意識した内容を含んでいると言えよう。冒頭のシジェクの言葉は前世紀末の言葉だし、その言葉に沿って何かを読み解こうというのでもないが、「音楽が生起する時」に起こっていることを考える際には話のきっかけとなり得る。
     今回の講演では日本の劇場や学校、また音楽祭など、音楽を媒体とする具体的な場においてその時何が起こってきたのか、概観しようと思っている。さらに芸術の教育・啓蒙的な活動の世界的状況も比較材料としつつ、劇場法などに象徴・想定されている事柄と、「音楽が生起する」時と場の現実がどのような位置関係にあるのか、考える機会としたい。

    16:30~18:00 ディスカッション

    構成メンバー

    荒木 健哉(共生・13年度入学)
    奥坊 由起子(表象・12年度編入学)
    越智 朝芳(表象・08年度入学)
    堤 万里子(表象14年度編入学)
    山口 隆太郎(表象・13年度編入学)

    研究会メンバー

    牧野 広樹(京都大学大学院)

    活動歴

    2014年度の活動はコチラ
    2016年度の活動はコチラ

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