共生―共生の可能性と限界

共生

共生の可能性と限界
多大な犠牲をともなう不完全な共生実験であった人間の歴史を批判的に遡りつつ、未来に向けて、そうした犠牲を伴わない生命と生活の可能性を構築する方途を探ります。

市民社会は共生のモデルとなりうるか?―P・デュムシェル(政治哲学)

P・デュムシェルの写真
政治哲学を基礎にデュムシェルが中心となって、市民社会の起源と構造を論じたさまざまな社会、政治哲学の再検討をおこなう。西洋のそれぞれの国民的伝統の なかで市民社会が形成され、また、この社会の原理を根拠づけるさまざまな哲学の流れが生み出されてきた。市民社会においては、欲望を実現する主体としての 市民を前提として、市民が契約し、経済システムを構成し、社会を民主的に運営するとされるが、欲望はどのように構成されるのか、欲望と経済システムの関係 はいかなるものか、そうした基本的な視点から、そこに含まれた「普遍的」とされる原理の可能性と限界を問い直す。

現代世界における言語の多層化と複数言語使用―西成彦(比較文学)

西成彦の写真
比較文学を基礎に西が中心となって東欧文学作品および英米文学作品を中心とするテキストのなかに多声・混声的な響きを聴き取り、あるいは他者の声が隠蔽さ れていく軌跡をたどりなおす。複数言語使用はかならずしも現代に限られた話ではないが、植民地主義や国民国家の言語政策によって加えられた圧力がその形態 に大きな変更をせまり、さらにグローバリゼーションやボーダレスな人口移動が新しい諸言語間の隣接関係を開こうとしている。こうした歴史を踏まえてテキス トの読みを再構築する。

土地をめぐる法体系の葛藤と共生―渡辺公三(人類学)

渡辺公三の写真
文化人類学を基礎に渡辺が中心となって、文化人類学のこれまでの蓄積を生かし、他のディシプリンからの吟味を加えて、共生の可能性と限界を検討する視点を 形成する。とりわけ過去から現在まで、生活の場である土地との関係において、伝統と近代が葛藤と軋轢を生じた、あるいは現に生じている事例─ 一般的には広義の土地所有権をめぐる係争─ を中心に検討を進める。果たして近代的法─権利の体系を越える共生の原理は成り立ちうるのか、こうした問題に、いわば共生の対極ともいえる事態を起点とし て接近することがこの研究の狙いであり、特徴的な視点である。

先端研 刊行物 学術誌 プロモーションビデオ