「共同連」における「共にいきる」ことを可能とする実践

院生代表者

  • 権藤 眞由美

教員責任者

  • 立岩 真也

企画目的・実施計画

  • 企画テーマ:「「共同連」における「共にいきる」ことを可能とする実践とはなにか」
    目的:共同連における対等な働き方と公正な分配方法、差別・偏見・能力主義への問い
    実施日:2013年10月23日(水)16時00分~19時00分
    場 所:創思館416 
    対談者・招聘者:立岩真也・共同連代表 堀 利和氏
  • 第30回記念共同連全国大会新潟大会参加
    日時:2013年8月24日(土)~8月26日(月)

    「共同連」の全国大会に参加し、「社会的企業」のモデルとなっている事業所の方々と交流を図り分科会にて意見交換 を行った上で、「共同連」の現在の課題や障害を持つ持たないにかかわらず共に働き生きることを可能としているもの が何かを分析する。

  • 「わっぱの会」見学
    日時:2014年2月20日(木)~2月21日(金)

活動内容

 2013年10月に研究会のメンバーだけでなく開かれた研究会にすることを目的に「「共同連」における「共にいきる」ことを可能とする実践とはなにか」というテーマで、共同連代表である堀利和氏と本学教員である立岩教授の対談を行った。教員、院生を含め12名の参加で「社会的企業」、障害のあるなしにかかわらない対等な働き方や公正な分配方法、能力主義について活発な議論をおこなった。
 また、院生個人の関心あるテーマに沿って、共同連全国大会に参加、愛知県名古屋市にある「わっぱの会」の各事業所見学などを行った。共同連全国大会に参加をした際には、障害の有無にかかわらず働き手である双方からの「共に働く」ことに関する現場からの報告を聞くことができた。ワークショップでは、「共に働く場」についての各々の取り組みや思い、工夫、悩みなどを意見交換し、「共に働く」ことを可能にする課題をグループごとにまとめ発表し交流を深めることができた。

成果及び今後の課題

 「「共同連」における「共にいきる」ことを可能とする実践とはなにか」というテーマを解明することは、障害を持つ人たちと持たない人が共に生きることを可能とするひとつのロジックである。1984年の結成大会基調で共同連結成にあたっての基本的一致点は①障害者差別とたたかう②障害者、健常者の平等性の追求③共に働く場、生活する場をつくっていくことであり、団体の中の強固な目的は現在も変わってはいない。そこには、仕事の能力に価値をおくのではなく共に生活を営む上でお互いが生活費を必要としているという前提のもと、支援する側される側の関係ではない労働の場における対等な関係が築かれるその過程には、障害の有無にかかわらず共に働く仲間、共に生きる仲間として、ひいては同じ社会生活を営む一員としての関係性が存在していることがわかったことは研究会の成果のひとつといってもいいだろう。

構成メンバー

  • 権藤眞由美
  • クァク・ジョンナン
  • イム・ドクヨン
  • 青木秀光
  • 坂井めぐみ
フランス現代思想研究会

院生代表者

  • 角田 あさな

教員責任者

  • 小泉 義之

企画目的・実施計画

 本研究会は、フランス現代思想の原書文献における精密な読解能力を習得すること、およびフランス語の語学力向上を目的としている。研究者に求められる能力を考慮すれば、院生の外国語原書読解能力の育成は重要である。本研究科は教員、修了生にフランスの思想研究を専門とする者が多く、フランス現代思想を学ぶ環境に恵まれているといえる。本研究会はその環境を活かすため、2011年1月より有志を募って勉強会を開催し、2012年からは院生プロジェクトとして研究会を行なってきた。先端研におけるこの研究会の意義は、院生がフランス現代思想の原書と向き合い、語学能力と読解能力を育成するための場を提供する点にある。
 2012年度は、月2~4回の割合で研究会を行い、ジル・ドゥルーズの『意味の論理学』の第1、2、12セリーを原書で通読し、年度末には教員責任者である小泉義之先生と、千葉雅也先生をコメンテーターに、公開研究会を開催した。
 2013年度も引き続き『意味の論理学』の第3セリー以降の講読を行う。研究会は毎週、月4回のペースで行う。毎回の研究会では、一文毎に精査・精読し、フランス語文法の理解と読解を丁寧に行う。その際、講師として立命館大学非常勤講師の松谷容作氏を招聘する。

活動内容

  • 第1回研究会
    日時:2013年7月1日(月)18時~
    場所:充光館3F 32
    内容:Gilles Deleuze, Logique du Sens, Les Editions de Minuit, 1969
    Troisème série de la proposition
    報告者 :中村亮太、小西真理子
  • 第2回研究会
    日時:2013年7月8日(月)18時~
    場所:充光館3F 32
    内容:Gilles Deleuze, Logique du Sens, Les Editions de Minuit, 1969
    Troisème série de la proposition
    報告者 :中倉智徳
  • 第3回研究会
    日時:2013年7月30日(火)13時~
    場所:学而館202
    内容:Gilles Deleuze, Logique du Sens, Les Editions de Minuit, 1969
    Troisème série de la proposition
    報告者 :松谷要作
  • 第4回研究会
    日時:2013年8月8日(水)14時~
    場所:学而館202
    内容:Gilles Deleuze, Logique du Sens, Les Editions de Minuit, 1969
    Troisème série de la proposition
    報告者 :小西真理子
  • 第5回研究会
    日時:2013年9月9日(月)13時~
    場所:学而館202
    内容:Gilles Deleuze, Logique du Sens, Les Editions de Minuit, 1969
    Troisème série de la proposition
    報告者 :角田あさな
  • 第6回研究会
    日時:2013年10月2日(水)13時~
    場所:学而館202
    内容:Gilles Deleuze, Logique du Sens, Les Editions de Minuit, 1969
    Troisème série de la proposition
    報告者 :松谷要作
  • 第7回研究会
    日時:2013年11月16日(土)13時~
    場所:朱雀キャンパス316
    内容:Gilles Deleuze, Logique du Sens, Les Editions de Minuit, 1969
    Troisème série de la proposition
    報告者:角田あさな、中倉智徳
  • 第8回研究会
    日時:2014年1月20日(月)11時~
    場所:学而館202
    内容:Gilles Deleuze, Logique du Sens, Les Editions de Minuit, 1969
    Quatrième série des dualités
    報告者 :松谷容作
  • 第9回研究会
    日時:2014年4月1日(火)13時~
    場所:学而館202
    内容:Gilles Deleuze, Logique du Sens, Les Editions de Minuit, 1969
    Quatrième série des dualités
    報告者 :角田あさな、中村亮太、中倉智徳

成果及び今後の課題

 本年度は、前年度の研究活動を継続する形で、引き続き『意味の論理学』の原著読解を行い、著作の理解を深めると同時に、メンバーのフランス語読解能力の向上に努めた。立命館大学非常勤講師の方々にもご参加いただいたおかげで、院生の能力向上とより活発な議論を実現することができた。来年度以降も、引き続き『意味の論理学』の精読を行っていきたい。

構成メンバー

  • 角田 あさな 表象領域5回・2009年度入学
  • 小西 真理子 生命領域5回・2011年度
  • 中村 亮太 公共領域1回・2013年度入学
生命倫理研究会

院生代表者

  • 吉田 一史美

教員責任者

  • 小泉 義之

企画目的・実施計画

 本研究会の目的は、人の生命(生死)をめぐる問題を倫理的観点から検討することである。研究会活動をはじめて今年で6年目に入る。各自の関心、課題に沿った文献講読や研究発表を行い、議論を通して参加者の見識を深め、各々の研究の深化・発展に繋げる。とくに学会発表やジャーナルへの投稿を目標とし、各々の研究を進捗させる一つの拠点として位置づけ、さらに今年度は3名在籍している博士論文執筆予定者の報告会を実施する。月に1回のペースで研究会を開催し、各自の研究発表を行う。

活動内容

  • 第1回研究会
    日時:5月10日 場所:立命館大学衣笠キャンパス学而館202研究室
    報告1 杉島優子「日本における胃瘻の変遷:研究論文のレビューを通して」
    報告2 由井秀樹「日本における人工授精普及過程に関する歴史的検討:『生殖の医療化』の進展」
  • 第2回研究会
    日時:9月28日 場所:立命館大学衣笠キャンパス学而館202研究室
    報告 各自の研究進捗状況の発表(由井秀樹、小西真理子、吉田一史美、鍾宜錚)
  • 第3回研究会
    日時:11月12日 場所:立命館大学衣笠キャンパス学而館202研究室
    報告1 小門穂(生存学研究センター専門研究員)「フランスにおける生殖補助医療と平等――2013年同性婚法案審議の検討から」
    報告2 鍾宜錚「台湾における「死に方」の言説――新聞記事から見た「安楽死」、「自然死」、「安寧死」について」
  • 第4回研究会
    日時:2月11日 場所:立命館大学衣笠キャンパスアカデメイア21小会議室2
    報告1 小西真理子「共依存の倫理:精神分析と臨床心理を越えて」
    報告2 吉田一史美「近代日本における胎児・乳児の生命保護――子どもの生存保障としての養子制度に関する歴史研究」
    報告3 由井秀樹「日本における不妊医療と非配偶者間人工授精の導入をめぐる歴史研究」

成果及び今後の課題

 研究会メンバーが各自、学会発表や論文発表を行った。とくに鍾宜錚は発表論文について生命倫理学会から奨励賞を授与された。また、博士論文執筆予定者3名がすべて3月に学位請求論文を提出することができた。今年度は実りの多い研究会活動であった。今後は、研究発表とあわせて文献講読も積極的に行っていく。

構成メンバー

  • 吉田一史美(先端総合学術研究科生命領域2008年度入学)
  • 西沢いづみ(先端総合学術研究科生命領域2008年度入学)
  • 馬場久理子(先端総合学術研究科生命領域2010年度入学)
  • 由井秀樹(先端総合学術研究科生命領域2011年度入学)
  • 小西真理子(先端総合学術研究科生命領域2011年度入学)
  • 坂井めぐみ(先端総合学術研究科生命領域2011年度入学)
  • 鍾宜錚(先端総合学術研究科生命領域2012年度入学)
  • 徳山貴子(先端総合学術研究科生命領域2012年度入学)
ドイツ語文献講読会(2013年度)

院生代表者

  • 奥坊 由起子

教員責任者

  • 吉田 寛

企画目的・実施計画

 先端的な研究を行う上で、語学力は必要不可欠である。本研究会は、研究遂行上ドイツ語文献の読解を要する院生を中心に、ドイツ語の基礎を学び、読解力の向上を目指すものである。本研究会のメンバーは、ここで培った語学力を活かして学会発表、論文執筆に励み、各自の研究を深めてもらう。

活動内容

 2013年度は新メンバーも加わったことから前期はドイツ語文法を基礎から復習することに力を入れた。後期はメンバーの希望を募ってドイツ語文献を二冊選択して、月一回のペースで講読会を開いた。一冊は音楽史研究の古典Guido Adler, Handbuch der Musikgeschichte, Frankfurt Verlags-Anstalt, 1924で、もう一冊は先端的なトラウマ研究書Franz Ruppert, Trauma, Angst und Liebe: Unterwegs zu gesunder Eigenständigkeit. Wie Aufstellungen dabei helfen, Kösel-Verlag, 2012である。

成果及び今後の課題

 2013年度前期は各メンバーのドイツ語の基礎力を磨き、後期はテクストの読解力の向上を目指したが、この1年余りの研究会での学習と講読とを通じて、メンバーの語学力は、ある程度のドイツ語文献であれば目立った誤読もなく読みこなせる程度には上達した。本来ならば本研究会の成果を学会発表や投稿論文の形で発信すべきではあったが、実現できなかったことが悔やまれる。外国語は一朝一夕では物にはならない。しかし、可能ならば2014年度も本研究会を継続したいと考えている。その折はメンバーの実力も一定の水準に達し、ドイツ関連の論文や学会発表において、本研究会で培った実力を示すことができるはずである。

構成メンバー

  • 田中壮泰 共生領域・2005年度入学
  • 番匠健一 生命領域・2005年度入学
  • 小西真理子 生命領域・2011年度入学
  • 角田あさな 表象領域・2009年度入学
  • 馬場久理子 生命領域・2010年度入学
2013年度