東アジア・メディアデザイン研究会/Study Group of Media Design in East Asia /东亚媒体设计研究会

院生代表者

  • 張 憲

教員責任者

  • 竹中 悠美

企画目的・実施計画

 本研究プロジェクトの目的は日本、中国、台湾、韓国を中心とした東アジア地域における多様な美術、工芸、ファション、デザイン、サブカルチャーを各々メディアでありかつデザインとしての観点から学際的・包括的に研究することである。研究内容は以下である。東アジアというこの地域は古来よりヒト、モノ、情報の移動を通じて、濃密な文化的交流を持っていたが、その研究は従来ディシプリンごとに細分化されていた。本研究は、ジャンルを越えて現在の情報化社会と深刻な経済の国際化と伴い、欧米との連関から見る当代の東アジアのメディア表象がどのように伝統的な視覚文化と融合あるいは断絶しているのかについて研究して行く。方法として、中国のメディアデザインの研究者を招き、中国の最先端なメディアデザイン活動についての情報、そしてそれが欧米やアジアの伝統とどう関わっているのかについて明らかにしていく。このような国際的なワークショップを行うことによって、国際交流・情報交換ができ、東アジアや欧米といった地域を越境した総合的な視野と理論を提示し、各分野・地域の研究連携が促進されることが本研究プロジェクトの意義である。

活動内容

 2018年度前期においては、各メンバーの専門領域の視点から日本、中国、台湾、韓国等の東アジア地域のメディア・デザインについて、資料を精読するため研究会を行いました。次に2018年12月14日(金)に、公開ワークショップ“Open Workshop Media Design in East Asia”を開した。本研究会のメンバー4名による研究報告、及び张宜平氏の招待講演を開催した。研究報告は次の通りである。李君宜(表象領域)“The History of Wuxia Game”、枝木妙子(表象領域)“The Fashion of MONPE as Emergency Clothes”、Ting Xu(公共領域)“Interactive Media Art—Conception, Application, Target Group, Outlook”、張憲(表象領域)“Overview of the Yangjiabu New Year Poster”。招待講演は、張宜平 (Professor of Brand Academy, Hochschule für Design und Kommunikation, University of Applied Sciences/浙江万里学院中德设计与传播学院院長)“Brave New World – the aesthetical and ethical dilemma of digital design”。研究報告と講演会に続いて、来場者を含めたディスカッションを行い、活発に議論することができた。また、ワークショップのほか、平和ミュージアム、修学院離宮、京都国立近代美術館や角屋もてなしの文化美術館へフィールドトリップを実施し、展覧会、建築について講師と話し合うことができた。
 2019年3月8日に、第14回大阪アジアン映画祭(2019年3月8日〜3月17日)の見学を実施した。アジア各地域(香港、日本、韓国)の映画を鑑賞し、上映前/後の監督、役者のトークを通じ、国際交流・情報交換ができ、東アジア地域のメディアについてより深い理解ができた。

  • 東アジア・メディアデザイン研究会 ワークショップ Open Workshop Media Design in East Asia
  • 日時:2018年12月14日(金)13:00〜18:00
    場所:立命館大学衣笠キャンパス 究論館カンファレンスルームB・C

    *詳細はこちら

成果及び今後の課題

 「活動内容」で述べたように、国際的ワークショップやフィールドワークの開催を通じ、最先端なメディアデザイン活動についての情報を吸収し、国際交流・情報交換ができ、東アジアや欧米といった地域を越境した総合的な視野と理論を提示し、各分野・地域の研究連携が促進されることができた。
 本研究プロジェクトは発展的に、招聘する講師の生徒、研究者そして研究施設等と積極的に情報交換を行うことになり、今後の新たな研究交流の開拓を進めるためのプラットフォームともなりうる。例えば、今回講師として招聘した張宜平先生は学術研究だけでなく、イギリスそしてドイツのデザイン会社や、ドイツのハンブルク文化局、ハンブルク市歴史博物館などのデザイナーの経験を持ち、ドイツやイギリスと連携してメディアデザインの学術的研究に不可欠な過去の視覚文化の実践について考察する絶好の機会である。また、国際的ワークショップは英語で実施することによって、研究会メンバーの英語力のスキルアップも期待できる。

構成メンバー

・張憲
・枝木妙子 
・高見澤なごみ
・李怡君
・XU TING
・橋本真佐子

エージェンシー研究会

院生代表者

  • 今里基(春季)→荒木健哉(秋季)

教員責任者

  • 小川さやか

企画目的・実施計画

近年の文化人類学における大きな変化としてアクター・ネットワーク論の浸透があげられる。例えば、B.ラトゥールは、近代的な認識論である、主体/客体、人間/非‐人間といった枠組みを批判し、人間と非‐人間間の対称性を強調する。こうした認識は、人間だけでなく「もの」にも主体性を認め、人間と「もの」が織りなす複雑なネットワークへと関心を向ける必要性を訴えた。今日の人類学における「存在論的転回」(ontological turn)の動きは、こうした理論の浸透の表れといえる。こうした研究動向におけるキーワードのひとつは「エージェンシー」である。人間/非-人間を問わず、対他的に作用する存在をエージェンシーとして把握することは、人類学における西洋的認識論を根本的に変革する可能性を秘めている。今後は、こうした観点から民族誌を記述することは不可欠になることが予想される。そこで本研究会では、①近年の人類学におけるエージェンシーに関する文献を読むことでエージェンシー研究についての動向を把握し、②これらの研究における課題を抽出、批判し、③自らの研究で応用可能にすることを目的とする。

活動内容

以下の日程で輪読会の実施。Daniel Miller Material Cultures(1999)とAlfred Gell Art and Agency(1998)の二つの文献を章ごとに担当者を決め翻訳し、研究会ではその翻訳を基にして議論をした。

2018年7月23日第一回開催 輪読する文献及び、担当者を決定
2018年8月3日第二回開催(担当 酒向)
2018年8月28日第三回開催(担当 荒木)
2018年9月11日第回開催(担当 小田)
2018年9月20日第四回開催(担当 八木)
2018年9月27日第五回開催(担当 今里)

成果及び今後の課題

本研究会で用いた、Material culturesArt and Agencyの二つの文献は邦訳されていないが、現在の人類学における物質文化論やエージェンシー論に強く影響を与えている文献である。その二つの文献を基にした議論を行い得られた知見は、今日の人類学内の理論動向の転重要な転換点の1つを研究会構成メンバーに再確認させ、フィールドワークを含む研究会構成メンバーの個々の研究活動に一定の貢献を果たした。引き続き研究会を行い、参加メンバーの都合から中途で終わった『Art and Agency』の翻訳、また『Material Cultures』や『Art and Agency』の議論が今日の人類学においてどのように受容され、批判されてきたかをめぐる議論を検討することを今後の課題としたい。

構成メンバー

・今里 基
・荒木 健哉
・八木 達祐
・小田 英里
・福田 浩久
・酒向 渓一郎

ディアスポラの文化経済的実践としてのグローバルシネマ研究会

院生代表者

  • 権藤千恵

教員責任者

  • 岸政彦

企画目的・実施計画

 本研究の目的は、ディアスポラ(華僑、越僑等移民)の受入国における文化経済活動について、映画を事例に議論し越境する人々と文化経済活動、さらに活動から生み出された「モノ」のグローバル展開について明らかにすることである。
 本プロジェクトでは今年度はケーススタディとしてベトナムにおける帰国越僑の映画製作活動を取り扱った。現代ベトナム映画を牽引する帰国越僑のメディア実践(映画制作)を通じて、1)越僑の文化活動はどのように行われてきたのか2)越僑たちはなぜ祖国への移動とメディア実践を選んだのか 3)共にメディア実践を行う人々のネットワークはどのように形成されたのかについて明らかにし、ディアスポラが生み出すモノの移動としての映画=グローバルシネマについて地域研究、移民研究、人類学、社会学等、様々なディシプリンから読み解くことである。当初の実施計画は、
1.  春セメスター~夏休み
・ 研究会(研究分担/先行研究に関するディスカッション)、ベトナム映画上映+研究会の実施(3回程度)
・ 論文講読
2.  秋セメスター以降
シンポジウムの開催(小~中規模なもの。予算を鑑みて今年度はベトナムからの招聘を検討)
であった。

活動内容

 本研究の活動は春・夏セメスターから秋セメスターにかけては日本で見ることができるベトナム映画を鑑賞し、監督とのオンラインカンファレンスによるヒアリングを実施した。今年度は『ベトナムの怪しい彼女』(2016年 ベトナム)を事例に、監督のファン・ザー・ニャット・リン監督から現在のベトナム映画、映画産業の状況、越僑との関わりなどについて話を伺った。
 秋に予定していたシンポジウムについては国際平和ミュージアムと共同でベトナム映画のフィルム上映を実施したことから
・ベトナム映画上映会 ダン・ニャット・ミン『サイゴンの少女ニュン』 2018年12月4日(火)実施
・オープンワークショップ『かわいいはベトナム!』2018年12月5日(水)実施
を開催する運びとなった。講師にはベトナムで映画プロデューサーとして多くの実績を持つJenni Trang Le氏を招聘し、話を伺った。

  • 公開研究会「かわいいはベトナム!──かわいいから探るベトナムのこれまでとこれから」
  • 日時:2018年12月5日(水) 18:30開場 19:00開始
    場所:MTRL京都(マテリアル京都)
    【スピーカー】
    ジェニー・チャン・レ(映画「The Rebel 反逆者」「ホイにおまかせ」プロデューサー)
    トミザワ ユキ(料理研究家)
    西澤智子(写真家)

    *詳細はこちら

成果及び今後の課題

 今年度は12月に実施したイベントを中心に活動を行った。対して文献購読などの研究会についてあまり定期的に実施することができなかったことが反省点となる。
 成果は大きく2点ある。ひとつは、ベトナムというフォールドを通じて帰国越僑—ディアスポラの視点を生の声を通じて理解することができたことである。帰国越僑が歴史や文化を越えてアメリカやフランスからもたらした「モノ」が映画という表象を通じてベトナムの文化へと融合されているベトナムの今の姿を体感することができたことは大きな収穫であった。
計画時に提示した3つの問いについても触れておきたい。1)越僑の文化活動はどのように行われてきたのか については、ゲスト招聘したJenni Trang Le氏の言葉を借りれば「アメリカのベトナム系アメリカ人コミュニティがきっかけとなった」ということになる。北米特にLe氏の出身校UCLAがあるロサンゼルスとその近郊にはベトナム系アメリカ人のコミュニティがあり、エスニックコミュニティ毎の映画や演劇活動が盛んに行われていた背景がある 2)越僑たちはなぜ祖国への移動とメディア実践を選んだのか、については1)と同様にベトナム系アメリカ人の映画製作者たちが2000年頃からベトナムでの映画製作に乗り出したことがきっかけであると考えられる 3)共にメディア実践を行う人々のネットワークは1)2)が背景にあると想定される。しかしながら、あくまで今回の考察はあくまでアメリカの帰国越僑を事例にしたものであり、フランスや他国では状況が異なると考えられる。ベトナムでの映画製作・メディア製作をめぐる多様なコミュニティについては継続して研究を進めたい。
 もう1つの成果は映画フィルムの発掘である。計画時は想定していなかったが、立命館大学が所蔵するベトナム戦争期の16ミリフィルムをフィルム上映することができたことは、本研究会のもうひとつの成果となった。今回上映した『サイゴンの少女ニュン (Chi Nhung)』はベトナムを代表する映画監督であるダン・ニャット・ミンがベトナム戦争期に共同監督を務めた北ベトナム製作のプロパガンダ映画である。ダン・ニャット・ミンの作品はベトナム戦争を扱ったものやベトナム国家の共産的なイデオロギーを謳ったものが多いが『市井の人々を描く』というダンの映画の姿勢は今回上映した『サイゴンの少女ニュン』にも見て取れた。現代ベトナムの歴史を映画を通じて体験してきたダン映画の初期作は『10月になれば』『グァバの季節』などの後年の傑作を同時に読み解くことでベトナム戦争下のプロパガンダ映画をより深く読み解くきっかけになるだろう。なお『サイゴンの少女ニュン』の16ミリフィルムについては、保存状態は良好であったが、字幕については16ミリへのプリント時から読みにくくなっていたこともあり、プロジェクトとして字幕のデジタルデータを作成する作業に協力した。

 映画にまつわる研究は映画論や作家論を想起しがちであるが、本研究会のように映画に関わる人々を追う社会学的なアプローチも存在する。今後も移民やトランスナショナルな人々について、映画を通して考察する手段として、本研究会のような研究グループでの活動を継続したいと考えている。

構成メンバー

・権藤 千恵 
・浅山 太一 
・今里 基
・OUYANG Shanshan
・酒向 渓一郎
・長島 史織
・Lu Zhihao

映像人類学(センサリーメディア)研究会

院生代表者

  • 福田浩久

教員責任者

  • 小川さやか

企画目的・実施計画

 映像という形態が研究報告/調査方法/研究報告の一形態一つとして人類学に登場し、認知されるようになってからは久しい。しかしテクストと比較すると、いまだに映像は限られた研究者たちによる部分的な手法としての位置に留まっており、研究の深化とその他の研究者たちのへの普及・「理解」との間には乖離があるようにもみえる。本研究プロジェクトではその乖離を少しでも埋めることで研究メンバーが、1)映像人類学の展開を人類学史やエスグラフィとの関係から理論的に学びぶこと、2)メディア映像制作の実践を通じて調査・研究報告ができるかたちにすることを目的とする。そのために読書会と講師招聘と実習の三様の学びの場を企画した。

活動内容

 読書会ではDavid MacDougall Corporeal Image (2005) を精読のうえ、議論した。またインプットが「読む」だけでは片手落ちで「観る」必要があるので、ほぼ定期の上映会も実施している。講師は第一回に松本工房の松本久木氏を招いて、写真を編集するということについて専門家の視点から語ってもらった。第二回には小田マサノリ/イルコモンズ氏を招き、映像を編集することについてのレクチャーと実習を二日間に渡ってしてもらった。またグループに分かれての映像撮影、編集、上映講評会も実施した。

  • New!映像編集ワークショップ開催
  • 立命館大学の映像人類学院生プロジェクトでは3/18,19の2日間にかけて小田昌教/イルコモンズ先生を講師に迎えて映像編集のワークショップをします。初日はレクチャー、2日目が実習となり、映像のリテラシーを知識として身につけるとともに、実習を通じて身体的な理解を促す、21世紀の知の基礎講座になります。

    【タイトル】立命館映像編集ワークショップ
    【講師】小田昌教/イルコモンズ 
    【日時】3/18(月) 14:00-17:00頃 レクチャー
    3/19(火) 14:00-17:00頃 実習
    【場所】立命館大学 衣笠キャンパス 有心館YS201
    【参加人数】10名程度
    【授業内容】このワークショップは、映像制作の「ハウツー」だけでなく、映像に関する知識と「リテラシー」を身につけながら、映像制作の「スキル」とそのたのしさを学ぶものです。具体的には「映画」のはじまりの時代から使われてきた編集術や特殊効果を、映像編集ソフトで体験することで、映像制作の基本を身につけます。まずはじめに、これまで一度も映像を制作したことのない人でも簡単にはじめられるように、YouTubeがネット上で提供している「YouTube動画エディタ」を使って、初歩的な編集を体験します。次に、パソコンのOSに付属している映像編集フリーソフトを使い、基本的な特殊効果を学びます。さらに、編集ソフト「AdobePremierePro」を使い、自分が表現したいものを映像化する「テクニック」を身につけます。

    【到達目標】「20世紀は人類がはじめて歴史を「動く映像」として見ることができた最初の世紀」であったことから「映像の世紀」と呼ばれました。20世紀の映像は、主に映画館やテレビのスクリーンで見るものでしたが、メディアの発達と多様化により、今ではパソコンをはじめ、携帯電話やスマートメディアのディスプレイで見るものとなり、あらゆる場所に映像があふれています。いまや映像は「メディア」のための「コンテンツ」とされ、消費されるものとなりました。私たちは、日常のささいな出来事まで「動く映像」として見る「二番目の映像の世紀」を生きていて、「最初の映像の世紀」の人たちが体験した驚きや感動を感じることはありません。このワークショップは、「はじめて映画を見た人たち」や「はじめて映画をつくった子どもたち」の姿を見ることからはじめます。そして「映像の最初の世紀」を生きた映画作家たちの思索や実験をふりかえりながら、それを追体験することで、もう一度、映像に向かい合いたいと思います。「映像の再発見」は、私たちの身のまわりの世界や人生の見方を変えるかもしれません。

    【事前・事後学習】ワークショップで紹介した映画やヴィデオを、ネットの「映像アーカイヴ」や「動画配信サイト」で見て、予習・復習をしてください。

    ▪️参加希望の方は以下のアンケートに回答のうえ、ふくだぺろ/福田浩久 isthisapen7(at)gmail.com ((at)を@に置き換える)までメールください。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    氏名
    所属
    専攻分野・研究テーマ
    映像でなにをしたいか
    撮影経験
    編集経験
    使ったことがある編集ソフト
    好きな映画作品(5本程度)
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    ▪️シラバス

    ▪️参考資料:データを視覚化することの重要性を示す一例

成果及び今後の課題

基礎的な理論と実践は今年度でメンバーそれぞれ身についた。また先端研に限らず、立命館の映像研究科や京都大学も巻き込んで、映像人類学に関心を持つ人間にとってのハブとして本研究会が機能していることは今年度の達成といえる。一方で本研究会の達成を点で終わらせず、線に、面に拡大するには継続と更なる広がりが必要になる。そのためにはメンバーの要望にもよるが、より体系立てたカリキュラムが必要になると思われる。

構成メンバー

・福田 浩久 
・小田 英里 
・荒木 健哉
・今里 基
・八木 達祐
・酒向 渓一郎

高等教育における障害者研究会

院生代表者

  • 高雅郁

教員責任者

  • 立岩真也

企画目的・実施計画

【目的】本研究会の目的は、大学における障害者(障害学生)の実態および支援体制を明らかにすることである。特に外見からはわからず、申告しなければ支援を得にくい障害(発達障害、吃音、精神疾患など)に注目する。

【内容と方法】本研究会の内容および方法は3つの活動で構成される。
①先行研究と現状に関するサーベイ:障害学生の支援に関する先行研究と現状についてサーベイを行う。具体的には、国内外の大学(その他高等教育機関)での障害学生支援や、教育現場における合理的配慮に関する研究・資料を収集し輪読(必要に応じて翻訳作業など)を行う。

②全国高等教育障害学生支援協議会(AHEAD JAPAN)の大会への参加:AHEAD JAPANは2014年に設立された、日本における大学に進学した障害学生支援に関する研究などを牽引する拠点的な組織である。2018年6月28-30日に行われるAHEAD JAPANの第四回大会に参加し、高等教育機関における学生支援について情報収集を行う。

③報告会の開催:サーベイ・大会参加で得た情報をまとめ報告会を行う。その際、立命館大学の障害学生支援室のスタッフの方や障害学生支援に興味のある方をお招きして、情報交換・交流する。

活動内容

①研究会開催:先行研究のサーベイと検討を目的とした研究会を4回行った。

  • 第1回:2018年6月12日(火)15:00-16:00
        創思館3階ラウンジ
  • 第2回:2018年7月23日(月)10:00-12:00
        究論館1階
  • 第3回:2018年8月20日(月)13:00-15:30
        究論館1階プレゼンテーションルームC
  • 第4回:2018年9月25日(火)15:00-17:30
        究論館1階プレゼンテーションルームC

②学会参加:

  • 学会名:全国高等教育障害学生支援協議会(AHEAD JAPAN)第4回大会
  • 日程:2018年6月28日―30日(木‐土)
  • 会場:国立オリンピック記念青少年総合センター カルチャー棟・センター棟
  • 内容:各テーマの講演会(教育や法律など)と分科会(地域支援との連携、科技技術の運用、コーディネーターの役割、発達障害の学生に対する就労移行支援など)に参加して、現在の障害のある学生に支援の動向や悩み・問題に関する理解を深めた。会場で配布された資料の収集にも成功し、一部はPDFファイル化した。また、会場では、実際に各大学で障害学生を支援する方々から現場の話を伺い、交流を行った。

③障害学生支援室へ訪問:

  • 日程:2018年7月3日(火)17:00-17:45
  • 会場:立命館大学障害学生支援室
  • 内容:立命館大学障害学生支援室の職員を訪問し、支援室のシステムや役割について伺った。

④研修会に参加:

  • 会名:避難において困難が予想される学生などの災害時対応における研修会
  • 日程:2018年7月19日(木)17:00-19:00
  • 会場:立命館大学衣笠キャンパス至徳館102会議室
  • 内容:立命館大学総務部及び障害学生支援室共催して、特定非営利活動法人ヒューマンネットワーク熊本の研究員である吉村千恵先生を招待し、講演会を行い、討論した。吉村先生には、2016年4月に熊本地震発生以来、熊本学園大学にて健常者と障害者のインクルーシブ避難所の開設を支援したことや、障害のある学生の個別避難計画の作成と練習、学内での避難所シミュレーションの訓練の実施などについて講演いただいた。

⑤国際ワークショップ参加:

  • 会名:「立命館大学における障害学生支援の研究と実践――情報アクセシビリティを中心に」
  • 日程:2019年3月14日(木)
  • 会場:立命館大学衣笠キャンパス、平井嘉一郎記念図書館1Fぴあら
  • 内容:立命館大学人間科学研究所プロジェクトが主催、ダスキンアジア太平洋障害者リーダー育成事業のブータンからのヨンテン・ジャムソンさんの研修の一環として、植村要さん(立命館大学人間科学研究所客員研究員)が「プリント・ディスアビリティと図書館のアクセシビリティ」について、また、小中啓司さん(立命館大学図書館利用支援課)が「立命館大学のテキストデータ提供サービス」について話した。ヨンテンさんもブータンの視覚障害者の情報アクセシビリティについて話した。本研究会からも2名が参加し、情報アクセシビリティについて議論を行った。

成果及び今後の課題

 本研究会は、1年を通じて、精力的に障害学生支援の現状について情報収集を行った。その結果、高等教育にいる様々なニーズや障害のある学生に対する、基本的な支援の体制や現在実施可能な支援方法を学ぶことができた。小規模校と大規模校の支援体制の差異、文系と理系の学生に対する支援方法の差異、支援者の専門性や資格、及び学校と他機関の連携などの要素を念頭に入れ、今後も支援方法に関する研究を進めていなければならない。そして、災害時に、障害者を始めとする避難が困難な学生に向けた支援や準備、特定の障害特徴がある学生(例:視覚障害者)向けの情報アクセシビリティについても理解してきた。
 本研究会は概ね計画にそって活動を進め、予算を執行した。しかし、2018年11月頃から構成メンバー各人の研究や就労の都合のために、研究会の日程を調整することが著しく困難になるという問題が発生した。2019年度の活動について話し合った結果、当初予定していた報告会等の実施が現実的ではないという認識を共有し、2018年度で高等教育における障害者研究会としての活動を終了するという合意に至った。今後は各人のペースや研究課題に沿う形で研究を継続していく。

構成メンバー

・高 雅郁 
・橋本 雄太 
・高木 美歩

生命倫理研究会(2018年度)

院生代表者

  • 髙木美歩

教員責任者

  • 小泉義之

企画目的・実施計画

本研究会の目的は、生命倫理学に関する基礎的な研究力を養うことである。
実施計画としては、月に1度読書会を開催し、生命倫理に関する重要文献・論文の輪読を行うことを活動の基本とする。また、2018年12月から翌年2月を目途に、読書会で検討したテキストの著者をお招きして公開研究会を行う。招聘する講師は2018年9月までに確定し、報告する。

活動内容

 活動内容は、月に1度、読書会を行う。各読書会の担当を決定し、それぞれのメンバーが1-2回、レジュメを作成し発表を行う。基本の活動に加えて、常時発表者を募り、希望があればその都度研究会を開催して、互いに助け合いながら各自の研究の発展を目指す。

  • 【2018年度生命倫理研究会 公開研究会】
  • 2018年度生命倫理研究会 公開研究会「ディスエイブルな人々の倫理を考える――責任や非難の視点から」

    日時:2019年2月9日(土)13:30~16:50(開場13:00)
    会場:キャンパスプラザ京都 第一演習室(5階)http://www.consortium.or.jp/about-cp-kyoto
    講師:佐々木拓先生(金沢大学)

    申し込み締め切り:2019年2月6日(水)、懇親会へ参加を希望される場合は2月4日(月)までにご連絡ください。
    申し込みフォーム:https://goo.gl/forms/nJMvNfjCEi3DXIHF2

    【プログラム(入退場は自由)】
    13:30~13:35 企画趣旨説明
    13:35~14:30 佐々木拓先生(金沢大学)による講演
    14:30~15:00 特定質問者およびフロアによる質疑応答
    15:00~15:10 小休憩
    15:10~15:50 研究会院生の関連した発表
    15:50~16:30 佐々木先生からのコメントおよびフロアからの質疑応答
    16:30~16:50 総合的なコメントなど
    18:00~20:00 懇親会(参加費4000円程度、会場付近、希望者のみの事前予約制)

    【注意事項】
    会場の都合上、席に限りがあり、当日直接お越しいただいても参加いただけない場合があります。
    懇親会含め、申し込みが定員に達し次第、参加受付を終了させていただきます。
    何らかの配慮が必要な方がいらっしゃいましたら、2月6日までにご連絡ください。
    各種お問い合わせは【研究会代表者:髙木(gr0239vh■ed.ritsumei.ac.jp、■をアットマークにかえて送信してください)】へお願いいたします。

    佐々木先生のご講演については、事前勉強会で検討した
    佐々木拓(2015)「依存行動への責任を限定する:レヴィの自我消耗仮説と規範的統制原理の適用可能性」『倫理学年報』(64): 189-202.
    佐々木拓(2016)「依存症と自由意志」『倫理学研究』(46): 133-44.
    佐々木拓(2017)「非難の倫理学は何を説明しようとしているのか : BLAME: Its Nature and Normsサーベイ論文」『哲学・人間学論叢』(8): 1-14.
    上記3本にお目通しいただくと、より理解が深まるかと思います。

    成果及び今後の課題

     成果としては、2018年6月から2019年1月まで、長期休暇期間を除き、月1度の読書会を継続した。2018年9月から公開研究会に向けて会議・問い合わせ等の準備を行った。2018年12月には公開研究会に向けて2回事前勉強会を行った。2019年2月には、金沢大学の佐々木拓先生をお招きし、キャンパスプラザ京都にて「2018年度生命倫理研究会 公開研究会『ディスエイブルな人々の倫理を考える――責任や非難の視点から」」を開催し、5名ほどの参加者を加えて議論を行い、無事終了した。
     2018年度は計画通り予算を執行し、読書会を定期的に開催できた。また、研究会のメンバー全員が1度または複数回発表を担当し、基礎研究力の向上に貢献できたと思われる。今後も定期開催を継続しつつ、読書会で取り扱うテキストの幅を広げ、院生の基礎研究力の向上に資する、より充実した研究会となるよう心掛けたい。

    構成メンバー

    髙木美歩
    北島 加奈子
    笹谷絵里
    塩野麻子
    OUYANG Shanshan
    寺田拓矢
    笹谷絵里

    2017年度立命館大学大学院先端総合学術研究科パートナーシップ委員会企画

    2017年度立命館大学大学院先端総合学術研究科パートナーシップ委員会企画

    いかにアカデミズムの未来を守るか
    ――大学の自治と大学院の多様性


    2017年度パートナーシップ委員会企画ポスター

    ※クリックでPDFファイルダウンロード

    日時 2018年1月20日(土)15:00~17:30 (開場14:30)
    場所 立命館大学 衣笠キャンパス 平井嘉一郎記念図書館 1F カンファレンスルーム 会場が変更になりました
    http://www.ritsumei.jp/campusmap/map_kinugasa_j.html)
    参加無料・事前申込不要
    プログラム

    第一部 
     15:00-15:15 主催団体紹介及び開催趣旨説明
     15:15-16:00 講演
     石原俊(明治学院大学社会学部教授)
     「いかにアカデミズムの未来を守るか
      ―─大学の自治と大学院の多様性」
     New!講演抄録

    第二部
     16:10-16:45 鼎談
     【登壇者】
     石原俊(明治学院大学社会学部教授)
     岸政彦(立命館大学先端総合学術研究科教授)
     小川さやか(立命館大学先端総合学術研究科准教授)
     New!鼎談抄録

    第三部
     16:55-17:30 ディスカッション・質疑応答

    主催 立命館大学大学院先端総合学術研究科パートナーシップ委員会
    お問い合わせ:lt0509rp[at]ed.ritsumei.ac.jp ([at]をアットマークに変えてください)

    ※ 当日の会場で配慮やサポートを必要とされる方は、開催の3日前までにメールでご相談ください。

    東アジア・メディアデザイン研究会 ワークショップ Open Workshop Media Design in East Asia


    Media_Design-Workshop_20181214プログラム

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    日時・場所

    日時:2018年12月14日(金)13:00〜18:00
    場所:立命館大学衣笠キャンパス 究論館カンファレンスルームB・C

    使用言語:英語

    Program プログラム

    • 13:00- Part I Presentation 研究報告
      Moderator: Xian Zhang 張 憲(表象領域5回生)

      13:10-13:40
      Junyi Li 李 君宜(表象領域1回生)
      ”The History of Wuxia Game”

      13:40-14:10
      Taeko Edaki 枝木 妙子(表象領域5回生)
      ”The Fashion of MONPE as Emergency Clothes”

      14:10-14:40
      Xian Zhang 張 憲
      ”Overview of the Yangjiabu New Year Poster”

    • 14:40-15:00 Coffee Break

    • 15:00- Part II Invited Lecture 招待講演
      Guest Commentator: Prof. Yusuke Misu 三須祐介(立命館大学文学部准教授)
      Moderator: Prof. Yumi Kim Takenaka 竹中悠美(表象領域教授)

      15:00-17:00
      Prof. Yiping Zhang 張 宜平 (Professor of Brand Academy,
      Hochschule für Design und Kommunikation, University of Applied Sciences/浙江万里学院中德设计与传播学院院長)
      “Brave New World – the aesthetical and ethical dilemma of digital design”

      17:00-17:30 Discussion

      17:30 Closing

    主催

    先端研院生プロジェクト「東アジア・メディアデザイン研究会」
    +アジア日本研究推進プログラム「『アジア芸術学』の創成」

    かわいいはベトナム!──かわいいから探るベトナムのこれまでとこれから

    公開研究会
    「かわいいはベトナム!──かわいいから探るベトナムのこれまでとこれから」

    日時・場所

    • 日時:2018年12月5日(水) 18:30開場 19:00開始
    • 場所:MTRL京都(マテリアル京都)
       〒600-8119 京都府京都市下京区本塩竈町554

      入場料:無料
      定員:30名(登録優先制)

       登録フォーム→ https://goo.gl/forms/2L9jhiBugaCInDQo2

    スピーカー

    • ジェニー・チャン・レ(映画「The Rebel 反逆者」「ホイにおまかせ」プロデューサー)
    • トミザワ ユキ(料理研究家)
    • 西澤智子(写真家)

    開催概要

    ベトナム料理やベトナム雑貨にどこかしら「かわいい…」と感じたことはありませんか?急速に経済発展が進むベトナムはゼロ年代のベトナム雑貨ブームの頃からさらに新しい時代へと変わりつつあります。それでは、かつて私たちが感じていた「レトロかわいい」ベトナムはどのような「新しいかわいい」時代へと変化しつつあるのでしょうか?このイベントではプロフェッショナルなゲストと一緒に「映画」「食」「雑貨」の具体的な事例を紹介しながらディスカッションを進めていきます。
    海外からのゲストには日本でも公開された「The Rebel 反逆者」「CLASH クラッシュ」などの制作に関わっている映画プロデューサーのJenni Trang Leさんを、国内からのゲストには今年8月に出版された「ベトナム行ったらこれ食べよう! 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。」(誠文堂新光社)の著者である料理家のトミザワ・ユキさん、写真家の西澤智子さんのおふたりをお招きします。
    アジア・ベトナムを研究対象とする方からまずはベトナムに行ってみたい方まで ― 参加されるみなさんにとって楽しくさらにちょっと勉強になる、そんな「学術的」なイベントを目指しています。

    主催

    立命館大学大学院 先端総合学術研究科 院生プロジェクト「ディアスポラの文化経済活動実践としてのグローバルシネマ研究会」(研究代表:権藤千恵)

    鼎談 岸政彦×小川さやか×松尾匡 「楽しい反緊縮──借金返さナイト」

    2018年度大学院ウィーク企画
    2018年度大学院ウィーク企画として、下記のイベントを開催いたします。
    多数のご来場をお待ちしております。

    立命館大学大学院先端総合学術研究科紹介の集い in 京都

    鼎談 岸政彦×小川さやか×松尾匡 「楽しい反緊縮──借金返さナイト」

    岸政彦
    小川さやか
    松尾匡(立命館大学経済学部教授)


    日時・場所

    2018年11月30日(金) 18:30開場 19:00〜21:00
    会場:マテリアル京都(京都市下京区富小路五条下ル)

    ◆一般公開◆ 入場無料・予約制(定員50名)
    ビールorドリンク有り(別途料金)

    いまこの社会に吹き荒れる「緊縮文化」。とにかく予算がないんです!税金が足りないんです!お金がないんです!……ほんとうにそうなのか。私たちはもっと、自由に、のびのびと暮らすことはできないのか。「緊縮文化」の正体を、経済学・人類学・社会学の視点から暴きだす、「今日を生きる」ためのトークイベント!

    ご予約・お問い合わせ

    ご予約をご希望の方は、お名前・人数・ご連絡先を記入の上こちらのメールアドレスまでご連絡ください。

    sentan01(at)st.ritsumei.ac.jp
    *送信時は(at)を半角の@に置き換えて入力してください。

     *本イベントは申込数上限に達しましたので、
      予約を締切ました。ご了承ください。