2018年のイベント
メディアからの発信 2017年度
ビデオゲーム文化研究会

院生代表者

  • 梁 宇熹

教員責任者

  • 千葉 雅也

企画目的・実施計画

本研究会の目的は、ビデオゲームをはじめとするコンテンツ分野に関する歴史・変遷・現状を巡って、特にグローバルな視点から、既存のゲームスタディーズや視覚文化に対する理解を深めながら、将来性を検討することである。本研究会においては、個々分野の分析だけではなく、多数のコンテンツを横断的に概括し、今後のビデオゲームや視覚文化に関する研究の方向と課題の提出を試みる。また、申請者共はこの研究会を媒介として、各分野に関心を持つメンバーの交流・支援のためのネットワークの基礎を構築する。また、構成メンバーは各自の研究を深め、日本におけるゲーム文化の発展史を調査するため、『ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム』展覧会に参加し、展覧会の意義や今後の課題についても分析、考察を行った。

活動内容

  • 第1回研究会
    日時:2015年6月25日(木) 17時00分~18時30分
    場所:究論館 プレゼンテーションルームA
    内容: 第一回では、前年度とは異なり、本研究科に新入生として周鵬、向江駿佑が新たにゲーム研究を行う院生として、研究会の中核メンバーに参入したため、本研究会を前年度とは違う形で行うことを中心に、今後の予定と方向性を確定するべく相談の機会を設けた。結果的に今年度の研究会は、専門が大きく異なるメンバーが多いことから、基礎文献の輪読を主とするのではなく、それぞれが進めている研究や、読み進めている文献の報告、及びそれを中心とした議論を行う事に変更することとなった。また、同時に大きな発表会以外には隔週の木曜日17時~19時の間に、究論館の1Fにてメンバーを集める日、時間を作り、個々人の研究成果を確認し、議論しあう機会を設けることにした。隔週の定例集会では、例えばそれぞれが発表を控えている学会研究大会の発表を、より大会内での議論を深めるために先行して行う場合や、各々が読み進めた文献の紹介を行う、純粋に現状の進捗を報告する場合など多様であり、それぞれの状況に応じた形での議論が行われた。この定例の集会では、現状のゲーム研究における今後の課題の提示や議論も多々行われ、各人の専門とする研究領域の共有に大いに役立つものとなった。
  • 第2回研究会
    日時:2015年8月02日(日) 10時00分~12時00分
    場所:東京・国立新美術館
    内容: 第二回例会では、特別企画として、6月24日から8月31日までの間、東京、六本木の国立新美術館で行われていた『日本のマンガ・アニメ・ゲーム展』の見学を行った。メンバー全員が同時に参加することは各人の所用や遠方で開催されている点の問題があり難しかったが、最終的に全員が鑑賞を行った。同時に参加した面々はおのおの同展覧会の展示物、展示の手法、章の構成など、さまざまなことについて議論しながら鑑賞していた。後述する第三回例会では、これらの議論や展覧会の内容を中心に、この展覧会の構成、意義について発表している。
  • 第3回研究会
    日時:2014年10月08日(木) 17時00分~19時00分
    場所:プレゼンテーションルームB
    内容: 第三回例会では、辛 注衡、焦 岩、川﨑寧生により、『日本のアニメ・マンガ・ゲーム展』の内容の整理、及び今後の課題と意義に関する発表、そして周 鵬による、デジタルゲームにおける行動の変遷に関する発表が行われた。まず辛ら3名はそれぞれ異なる観点から同展覧会の内容の整理、及び成果と今後の課題を提示しており、結果的にアニメと漫画、ゲームという現代日本を代表し、またそれぞれが密接に絡みあった三種の文化の、初の同時展覧会という意義を確認した。その一方で今後の課題として、展示作品や展覧会自体の構成、展示の仕方など、全体的に3つの文化をまとめて展示するにあたって、同時展示した意義がうまく表せていなかったことや、カタログ内で提示していた現代日本史との関わりなど、本来提示したかったことがうまく表現できていない問題なども確認した。全体として、課題の多い展覧会であったということは確認しつつも、今後の日本ポップ・カルチャー史を俯瞰する上で重要な展覧会であることを、発表と議論で確認出来た。
    続いて周の発表では『何よりも、行動を』という題名で、1970年代から現在に至るデジタルゲームの歴史の中でゲームにおける『行動』というワードに着目して分析を行っていた。発表内ではゲーム内のコントロールデバイスに着目、ゲーム史の中でデバイスが複雑化、或いは身体化することで、より繊細な行動をゲーム内で行うことが可能になったこと、ゲーム世界への没入感の高まりと、同時にゲーム側もより「らしい」世界を構築しやすくなったことを、各ゲーム、特にレースゲームと音楽ゲームの変遷を通じて分析していた。最終的に、これらの変遷を通じて、ゲームはプレイヤーがキャラクターへコントローラーを通じて指示するものから、プレイヤーが動作することで自発的にゲームに働きかけるものに変化しているのではないかと考察し、この方向性をより先鋭化させているオープンワールドタイプのRPGの重要性を提示していた。本発表では特に、ゲームの変化、進化と言われているものは実際どのようなものなのか、それは今後ゲーム研究でどのように考えていくべきかなどを中心に、おおいに議論を重ねることができた。

成果及び今後の課題

 本研究会では特に隔週の定例集会を中心に現行専門化しつつある各ゲーム研究領域の共有化に努め、各々が進めた研究テーマを主軸に発表を行うことで、参加者がより研究を進めながら活発に議論が行う場を作ることが出来た。その一方で、隔週の定例集会を中心とした議論が主体となってしまったため、普段の研究会の活動が比較的クローズドなものになってしまったことは大きな反省点である。
 また、節目で行った各研究会では、特に今年度、埼玉のスキップCITYで行われた『あそぶ!ゲーム展』(10月3日~2月28日)や彙報提出時現在進行形で行われている『GAME ON~ゲームってなんでおもしろい?~』(3月2日~5月30日)など、デジタルゲームに関する史学的展覧会が大いに行われ、日本においてデジタルゲームが文化として歴史上に位置され始めた中で、ゲームを展示するということの難しさや、いかなる形で展示していくべきか、何を展示すべきかなど、他のメディアと比べてゲームを展示することが如何に特殊で、かつ課題が多いものかを、早い段階で活発に議論出来たことは、研究会の成果であると考えられる。
 今後もこのような研究会を行い、参加者間におけるゲーム研究に関する理解を深めつつ、今後より活発になると思われるゲーム研究について、より議論を行う場を作る事を考えている。また、議論を進めるだけではなく、今後もさらに研究会での内容を踏まえた発表や、論文作成へと発展させていきたい。

構成メンバー

梁 宇熹(表象領域・2012年度入学・代表者)
焦 岩(表象領域・2014年度入学・研究分担者)
川崎 寧生(表象領域・2008年度入学)
辛 注衡(表象領域・2014年度入学)
周 鵬(表象領域・2015年度入学)
向江 駿佑(表象領域・2015年度入学)

「遊び化する労働──参加型文化における遊びと情動」


Playbour-Workshop_20180625フライヤー

※クリックでPDFファイルダウンロード

「生産と消費の区別を解体するポストフォーディズム社会においては、人間の生のあらゆる領域、そのあらゆる活動は、潜在的労働として資本の体制に組み込まれつつある。むろん「遊び」も例外ではない。ゲームのプレイ動画が動画サイトのキラーコンテンツとなり、ゲーム実況者が子どもの「憧れの職業」になっている今日、ゲームプレイはすでに「労働化」されており、「遊び対労働」や「クリエイター対ファン」といった従来の対立軸がもはや無効であることは明らかだ。だが問題はそれにはとどまらない。より深刻なのは、「遊びの労働化」よりもむしろ「労働の遊び化」である。搾取すべき潜在的労働者としてプレイヤーを誘うシステム、「遊び」というかたちでユーザーの無償労働を搾取するプラットフォーム、いわゆる「参加型文化」の実態──その資本主義的実質──とはそのようなものではないのか。ポストメディア社会において遊びは(どのように)可能なのか。社会学、メディア研究、ゲーム研究の観点から議論する。」

  • 日時:
    2018年6月25日(月)14:00~18:00

  • 場所:
    立命館大学(衣笠キャンパス)
    平井嘉一郎記念図書館カンファレンスルーム
  • 入場無料、事前登録不要

  • 発表者:
    伊藤守(早稲田大学)
    「ポストメディア社会における情動のエコロジー」
    マーティン・ロート(ライプツィヒ大学)
    「デジタル空間の交換様式」
    ファニー・バルナベ(リエージュ大学/立命館大学)
    「ゲーム文化における創造性の再定義──
    シチュアシオニストの「逸脱」概念を復活させる」
    吉田寛(立命館大学)
    「強制される遊び?──非物質的労働としてのゲームプレイ」
  • ディスカッサント:
    井上明人(立命館大学)
    北野圭介(立命館大学)
  • 主催:
    立命館大学大学院先端総合学術研究科/ライプツィヒ大学東アジア研究所日本学科/リエージュ大学ゲーム・ラボ
  • 助成:
    立命館グローバル・イノベーション研究機構(R-GIRO)/日本学術振興会(JSPS)/欧州連合(Erasmus+)/ドイツ学術交流会(DAAD)
  • お問い合わせ先:
    吉田寛: hrs-ysd (at) ce.ritsumei.ac.jp

A Workshop

On Playbour:
Laborization of Affect and Play in Participatory Culture

  • Date & Time:
    14:00-18:00, June 25, 2018 (Monday)

  • Venue:
    Conference Room, Hirai Kaichiro Memorial Library,
    Kinugasa Campus, Ritsumeikan University
  • *No participation fee, open to the public
    *English and/or Japanese used throughout the workshop

  • Speakers:
    Mamoru Ito (Waseda University)
    “On the Ecology of Affect/ion in the Post-Media Society”
    Martin Roth (Universität Leipzig)
    “On Modes of Exchange in Digital Space”
    Fanny Barnabé (Université de Liège/Ritsumeikan University)
    “Redefining the Creativity in Gaming Culture:
    Reviving the Situationist Concept of Détournement”
    Hiroshi Yoshida (Ritsumeikan University)
    “Forced Play? Gameplay as Immaterial Labour”
  • Discussants:
    Akito Inoue (Ritsumeikan University)
    Keisuke Kitano (Ritsumeikan University)
  • Co-organized by:
    Graduate School for Core Ethics and Frontier Sciences, Ritsumeikan University / Institute of East Asian Studies, Universität Leipzig / Liège Game Lab, Université de Liège
  • Sponsored by:
    Ritsumeikan Global Innovation Research Organization (R-GIRO) / JSPS / Erasmus+ / DAAD
  • Contact:
    Hiroshi YOSHIDA : hrs-ysd (at) ce.ritsumei.ac.jp
公聴会(2016年度)

2016年度後期博士学位審査(甲号)公聴会

【終了】■ 学位審査申請者:岩田 京子(共生領域)
学位審査論文名:「京都市嵐山の近代的景観に関する歴史人類学的研究-風致・観光・郊外-」
  日時: 2017年 1月 30日(月)14時40分~
  場所: 創思館カンファレンスルーム
  審査委員:
  【主査】渡辺公三  教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  【副査】畔上直樹 准教授 (上越教育大学社会系教育実践コース)
  【副査】河合洋尚 准教授 (国立民族学博物館研究戦略センター)
  【副査】松原洋子 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  【副査】吉田 寛 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

★ 公聴会発表者へ
公聴会発表にあたっての留意事項です。

  1. 発表時間は30分、質疑応答30分とする。
  2. レジュメの様式は特に指定しない。あらかじめ50部を用意して持参すること。
  3. レジュメのデジタルデータをメールに添付して提出すること。(学外サーバーにて配付する。)
  4. 発表用原稿またはメモはレジュメとは別に各人において用意すること。
  5. 発表用に使用する機器類については事前に相談すること。
  6. 2010年度よりWEBでの音声配信も先端研内で公開としていますが、なんらかの理由により公開しない場合はその旨届けること。
学位審査 公聴会

2017年度(遡及) および2018年度前期博士学位審査(甲号)公聴会

以下のとおり公聴会を実施いたします。
なお、やむを得ぬ事情のあるときを除き、
先端総合学術研究科大学院生は全員参加を原則としています。

  • 学位審査申請者:松枝 亜希子 (公共領域)[遡及]
    学位申請論文名:「戦後日本における大衆薬の分化過程についての歴史的考察-安全性と効果の政治学-」
    日時: ★未定
    場所: ★未定
    審査委員:
    【主査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】黒田浩一郎 教授 (龍谷大学社会学部)
    【副査】美馬達哉 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】竹中悠美 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 学位審査申請者: 安 孝淑 (公共領域)
    学位申請論文名:「福祉制度とALSの人の家族介護に関する質的研究―韓国介護支援制度を中心に―」
    日時: 2018年 7月 9日(月)11時00分~12時30分
    場所: 図書館カンファレンスルーム
    審査委員:
    【主査】美馬達哉 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】土屋葉 准教授 (愛知大学文学部)
    【副査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】松原洋子 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 学位審査申請者:大野 藍梨 (共生領域)[遡及]
    学位申請論文名:「抵抗」する女たち―フランス語圏カリブ海文学における「シスターフッド」―
    日時: 2018年 7月 20日(金)15時00分~
    場所: 創思館カンファレンスルーム
    【主査】西成彦 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】大辻都 准教授 (京都造形芸術大学通信教育部)
    【副査】小川さやか 准教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】吉田寛 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 学位審査申請者:笹谷 絵里 (生命領域)
    学位申請論文名:「日本における新生児マス・スクリーニングの歴史的検討―「遺伝」をめぐる問題に着目して―」
    日時: 2018年 7月 23日(月)13時00分~14時00分
    場所: 創思館カンファレンスルーム
    審査委員:
    【主査】小泉義之 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】土屋敦 准教授 (徳島大学大学院社会産業理工学研究部)
    【副査】美馬達哉 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】竹中悠美 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 学位審査申請者: 篠原 眞紀子 (公共領域)
    学位申請論文名:「恵那地方の障害児者地域生活運動―生活綴方と人々が織り成す現代史―」
    日時: ★未定
    場所: ★未定
    審査委員:
    【主査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】津田英二 教授 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科)
    【副査】岸政彦 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】小川さやか 准教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 学位審査申請者:髙阪 悌雄 (公共領域)
    学位申請論文名:「障害基礎年金制度の成立プロセスの明確化および現状の障害者所得保障の改善方法に関する研究」
    日時: ★未定
    場所: ★未定
    審査委員:
    【主査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】新川敏光 教授 (法政大学法学部)
    【副査】岸政彦 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】小泉義之 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 学位審査申請者:萩原 浩史 (公共領域)
    学位申請論文名:「相談支援の基本構造と形成過程―精神障害を中心に―」
    日時: ★未定
    場所: ★未定
    審査委員:
    【主査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】竹端寛 准教授 (兵庫県立大学環境人間学部)
    【副査】美馬達哉  教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】松原洋子 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 学位審査申請者:坂井 めぐみ (生命領域)
    学位申請論文名:「日本における脊髄損傷医療の歴史的研究―脊髄損傷「患者」の生成と変容―」
    日時: 2018年 7月 16日(月)13時00分~14時00分
    場所: 創思館カンファレンスルーム
    審査委員:
    【主査】松原洋子 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】武藤香織 教授 (東京大学医科学研究所)
    【副査】小泉義之 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】美馬達哉 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 学位審査申請者:北村 隆人 (公共領域)
    位申請論文名:「精神分析草創期における共感に関する心理歴史学的研究―フロイト、アブラハム、フェレンツィの人生とプラクティス―」
    日時: ★未定
    場所: ★未定
    審査委員:
    【主査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】成田善弘 (元大阪市立大学 教授)
    【副査】美馬達哉 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
    【副査】吉田寛 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

★ 公聴会発表者へ
公聴会発表にあたっての留意事項です。

  1. 発表時間は30分、質疑応答30分とする。
  2. レジュメの様式は特に指定しない。あらかじめ50部を用意して持参すること。
  3. レジュメのデジタルデータをメールに添付して提出すること。(学外サーバーにて配付する。)
  4. 発表用原稿またはメモはレジュメとは別に各人において用意すること。
  5. 発表用に使用する機器類については事前に相談すること。
  6. 2010年度よりWEBでの音声配信も先端研内で公開としていますが、なんらかの理由により公開しない場合はその旨届けること。
  7. 以上

    過去の公聴会

    公聴会(2017年度分)
    公聴会(2016年度分)
    公聴会(2015年度分)
    公聴会(2014年度分)
    公聴会(2013年度分)
    公聴会(2012年度分)
    公聴会(2011年度分)

公聴会(2017年度)

2017年度前期博士学位審査(甲号)公聴会

以下のとおり公聴会を実施いたします。
なお、やむを得ぬ事情のあるときを除き、
先端総合学術研究科大学院生は全員参加を原則としています。

  • 【終了】学位審査申請者: 越智 朝芳 (表象領域)[遡及]
    学位申請論文名:「ヴォコーダー論―主体なき声の歌―」
    日時: 2017年 7月 7日(金)13時00分~
    場所: 平井嘉一郎記念図書館カンファレンスルーム
    審査委員:
     【主査】吉田寛 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】福田貴成 准教授 (首都大学東京人文・社会系)
     【副査】小泉義之 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】美馬達哉 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 【終了】学位審査申請者: 葛城 貞三 (公共領域)[遡及]
    学位申請論文名:「滋賀における難病患者運動の歴史 1983年~2015年」
    日時: 2017年 7月 11日(火)11時00分~
    場所: 創思館303・304
    審査委員:
     【主査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】土屋葉 准教授 (愛知大学文学部)
     【副査】岸政彦 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】渡辺公三 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 【終了】学位審査申請者: 梁 陽日 (公共領域)[遡及]
    学位申請論文名:「在日コリアン教育運動の現代史―戦後大阪の公立学校を中心に―」
    日時: 2017年 7月 14日(金)11時30分~
    場所: 創思館カンファレンスルーム
    審査委員:
     【主査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】広瀬義徳 教授 (関西大学文学部)
     【副査】天田城介 教授 (中央大学文学部)
     【副査】美馬達哉 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】小泉義之 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 【終了】学位審査申請者: 永田 美江子 (共生領域)
    学位申請論文名:「女子大学における観光ホスピタリティ教育の展開―平安女学院大学の実践を事例に―」
    日時: 2017年 7月 14日(金)13時00分~
    場所: 創思館カンファレンスルーム
    審査委員:
     【主査】小川さやか 准教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】浅岡柚美 教授(中村学園大学流通科学部) 
     【副査】西成彦 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】岸政彦 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 【終了】学位審査申請者: 西沢 いづみ (生命領域)[遡及]
    学位申請論文名:「京都市・西陣地域における医療実践の歴史的研究―白峯診療所・堀川病院の活動を中心に―」
    日時: 2017年 7月 18日(火)13時00分~
    場所: 平井嘉一郎記念図書館カンファレンスルーム
    審査委員:
     【主査】松原洋子 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】高岡裕之 教授 (関西学院大学文学部)
     【副査】小泉義之 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 【終了】学位審査申請者:Albertus-Thomas Mori (共生領域)
    学位申請論文名:「華人キリスト者の人類学的研究:トランスナショナルな宗教実践の様相」
    日時: 2017年 7月 18日(火)14時15分~
    場所: 平井嘉一郎記念図書館カンファレンスルーム
    審査委員:
     【主査】渡辺公三 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】渡辺祐子 教授 (明治学院大学教養教育センター)
     【副査】小泉義之 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】小川さやか 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 【終了】学位審査申請者: 栄 セツコ (公共領域)
    学位申請論文名:「精神障害当事者にエンパワメントをもたらす公共の場の語りの設計」
    日時: 2017年 7月 18日(火)15時30分~
    場所: 平井嘉一郎記念図書館カンファレンスルーム
    審査委員:
     【主査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】小西加保留 教授 (関西学院大学人間福祉学部)
     【副査】岸政彦 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】小川さやか 准教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
  • 【終了】学位審査申請者: 窪田 好恵 (公共領域)
    学位申請論文名:「重症心身障害児者施設の歴史的背景と看護のありよう―くらしの中で福祉職と協働する看護の再定義―」
    日時: 2017年 7月 24日(月)15時40分~
    場所: 創思館カンファレンスルーム
    審査委員:
     【主査】立岩真也 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】杉本健郎 (元関西医科大学助教授)
     【副査】岸政彦 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)
     【副査】松原洋子 教授 (立命館大学大学院先端総合学術研究科)

★ 公聴会発表者へ
公聴会発表にあたっての留意事項です。

  1. 発表時間は30分、質疑応答30分とする。
  2. レジュメの様式は特に指定しない。あらかじめ50部を用意して持参すること。
  3. レジュメのデジタルデータをメールに添付して提出すること。(学外サーバーにて配付する。)
  4. 発表用原稿またはメモはレジュメとは別に各人において用意すること。
  5. 発表用に使用する機器類については事前に相談すること。
  6. 2010年度よりWEBでの音声配信も先端研内で公開としていますが、なんらかの理由により公開しない場合はその旨届けること。
多様化社会現象とデジタルコンテンツ研究会(2017年度)

院生代表者

  • 焦岩

教員責任者

  • Paul G. Dumouchel

企画目的・実施計画

 本プロジェクトの目的は、①社会的な文脈でデジタルコンテンツと社会現象を解釈すること、②デジタルコンテンツを用いて社会現象を理解することである。人々はデジタルテクノロジーの発展と共に、より一層デジタルコンテンツに依存して他人とのインタラクションとコミュニケーションを行うようになった。我々にとってデジタルコンテンツの役割が大幅に増えてきた。しかし、このようなデジタルコンテンツの役割を重要視すべきという意見に対して、人々の間に実際におこなうインタラクションやコミュニケーションの行為がそもそも重要で、逆にデジタルコンテンツはその行為を妨げてしまうという否定的な意見も近年強まっている。さらに近年、デジタルコンテンツにおける政治性に関する議論も盛んになっている。これらから、刻一刻と多様化が進行する現代社会のなかで、デジタルコンテンツの役割と多様化の社会現象を社会的な文脈で解釈することが、コンテンツの政治性についての理解にも、必要であると考えられる。そのため、本プロジェクトはメディア社会論・コミュニケーション論・コンテンツ論・遊び論・デジタルテクノロジー論などの視点からアプローチしていく。本プロジェクトは現代社会におけるデジタルコンテンツと社会現象との関係について明らかにし、デジタルコンテンツの政治性に対する主張を強める点で意義を有する。

活動内容

 今年度の活動は主にシンポジウムと例会・集まり会という二つの内容を実行してきた。それぞれの詳細は以下の通りである。

1.多文化における社会現象と他国のコンテンツ発展状況を勉強することができる機会として、国際的なシンポジウムを開いた。詳細は以下通りである
テーマ:韓国エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)の文化
日時:7月25日(火)17:00~20:00
場所:立命館大学衣笠キャンパス創思館三階303・304号室
ゲスト:
カン・シンギュ(Kang Shinkyu)――韓国西江大学校研究員、ゲームスタティーズ
コメンテーター:
 ポール・デュムシェル(Paul G. Dumouchel)――本学、政治哲学
 吉田 寛――本学、感性学
通訳者(韓国→日本語):
 南 玉瓊――本学、国際関係科
プログラム:
17:00~17:10 開始挨拶
 17:10~19:10 韓国eスポーツの文化(カン・シンギュ)
 19:10~19:40 質問
 19:40~20:00 議論・コメント(カン・シンキュ、ポール・デュムシェル、吉田 寛)
 20:00 終了

2.男女間のコミュニケーションに着目し、そのコミュニケーションのなかで生じた差を解釈する方法をテーマとして、2017年度において、5月22日(火)、6月30日(金)、7月21日(金)、9月29日(金)、11月15日(水)、1月31日(水)に、6回にわたって、例会・集まり会を催した。一回目は、研究会の主なる活動と進む方向について参加メンバーの意見を交換し、乙女ゲームについての理解および、現代社会との繋がりや現代社会への影響などについて、議論を行った。二回目は、各メンバーは乙女ゲームとかかわる文献をしらべ、研究会で他のメンバーに紹介し、紹介した文献内容について意見と質問をお互いに交流する勉強会を開いた。三回目は、25日に開催するシンポジウムで発表する内容に関連する予備知識を習うため、事前勉強会を開き、シンポジウム当日の下準備および、注意事項と流れの説明を行った。四回目は、乙女ゲームの仕組みやシステムを深く理解するため、ゲームコンテンツを制作する際によく使うアプリケーションと技術を紹介し、実践に操作してみた。五回目は、ジェンダーや分析哲学などの視点から乙女ゲームにある表象について検討を行った。六回目は、今年度の活動を振り返り、一年間の研究成果と今後の課題をまとめた。

成果及び今後の課題

 本プロジェクトの成果として以下の点が挙げられる。
 2017年度の研究活動を通じ、メンバーのそれぞれの母国にある国際的な事例を用い、乙女ゲームという表象を、社会的・ジェンダー的・哲学的・教育学的などの視点で見ることによって、デジタルコンテンツと社会現象を解釈し、理解することが深めたられた。また、シンポジウムで、韓国の事例に中心し、ゲームが社会と人間への政治的な影響とその影響を働いているゲームの仕組みについても深く考えられた。今後の課題として、乙女ゲームの他に、他のジャンルのゲームが社会や人間への政治的な影響について検討することであると考えられる。

構成メンバー

焦 岩(表象領域・2014年度入学)
佐草 智久(公共領域・2013年度入学)
劉 雨瞳(表象領域・2016年度入学)

アジアの精神障害者の自助活動研究プロジェクト(2017年度)

院生代表者

  • 伊東香純

教員責任者

  • 立岩真也

企画目的・実施計画

[目的]本研究プロジェクトの目的は、精神障害者の自助活動においてその活動のリーダーを育てるための研修の構造化を試みることである。
[内容]アジアには、コミュニティに設置された小さな檻に閉じ込められたり木に縛りつけられたりしている精神障害者がいる。かつて日本にも類似の私宅監置があり、この監置の状況の悲惨さから患者の精神科病院への移送が進められたが、それが現在では長期的な非自発的隔離に至っている。それぞれの地域の精神障害者は、その地の社会的文化的状況に合わせて自分たちを抑圧する実践とは異なる考え方に基づくオルタナティブな実践をおこなってきた。このような異なる状況に応じた実践についての情報を共有し、その共通点から精神障害者の自助活動のリーダーとしてアジア域内で活動するために必要な資質を明らかにする。
[方法]アジアで自助活動をおこなう精神障害者を講師として招聘して研究会を開催する。
[意義]精神障害者の運動についてのこれまでのほとんどの研究は、精神医療体制のあったことある欧米の運動を対象としてきた。これに対し本プロジェクトには、精神医療が普及していない地域の精神障害者の活動を明らかにし、そこからこれまで不利益を被ってきた本人たちの手でそのオルタナティブの実践を築いていくことに資するという意義がある。

活動内容

日時:2017年11月22日(水)・23日(木)
会場:立命館大学大阪いばらきキャンパス

◆22日(水)13時~16時(参加人数:約20名)
「精神障害者のピアサポートに関する各国からの報告」
◇13:00~ Chintha (Sri Lanka) ◇13:30~ Tien and Sissy (Taiwan) ◇13:50 Linus and Frank (China) ◇14:30~ Vincent and Susan (HongKong) ◇14:50~15:10 Waqar (Pakistan) ◇15:10~ Patcharin and Win (Thailand) ◇15:30~質疑応答

◆22日(水)18時半~21時(参加人数:約35名)
ワークショップ「オープンダイアローグ――アジアでのひろがり・ふくらみ、そして新たな対話を聴く!」
◇18:30 開会の挨拶 ◇18:40 講演――インドの取り組み(講師:Bhargavi Davar・インド) ◇19:00 ワークショップ(楽器を使ったオープンダイアローグの体験) ◇20:30 意見交換 ◇21:00 閉会の挨拶

◆23日(木)13時~18時(参加人数:約30名)
公開学習会「アジアにおけるピアサポート実践とシステム」
◇13:00 挨拶 ◇13:10 報告――藤井千代(国立精神神経研究センター)、外務省 ◇14:00 講演「アジアにおけるピアサポート実践」:Bhargavi Daver(TCI-Asia) ◇15: 00 指定発言:Yeni Rosa Damayanti(インドネシア)・Wiriya Tangpanyawong(タイ) ◇16:00 フロア発言 ◇17:00 閉会 ◇ 18:00 懇親会

成果及び今後の課題

◇国際的な活動を牽引するリーダーを育成するための研修カリキュラムを作成した。
◇SDGs、アジア太平洋障害者の10年、障害者権利条約、実際のアジアの精神障害者の状況と取り組みをまとめた。

構成メンバー

伊東香純
桐原尚之
谷口俊恵
寺前晏治

存在論的美学研究会(2017年度)

院生代表者

  • 根岸貴哉

教員責任者

  • 竹中悠美

企画目的・実施計画

 本プロジェクトは、昨年度の「芸術経験と作品存在の哲学的解釈学研究」研究会から継続している研究会である。本研究会の目的は、哲学的・美学的なテクストの読解を通して、哲学史や芸術学への知識を深めることにある。そのために、上倉庸敬先生を招聘し、議論と講読を進める。

活動内容

・第1回研究会
2017年 11月 22日(水)18時30分~21時00分
場所:衣笠キャンパス究論館プレゼンテーションルームB
内容:ジルソン『絵画と現実』における「1-3 現存と現前」(pp.43〜65)について、講読をすすめた。当該箇所では、おもに絵画作品と音楽作品を区別し、比較しながら芸術作品の現前性と現存性についての議論が中心であった。

・第2回研究会
日時:2017年 12月5日(水)18時00分 ~ 21時00分
場所:衣笠キャンパス究論館プレゼンテーションルームA
内容:前回に引き続き、上倉先生を招聘して、エチエンヌ・ジルソン『絵画と現実』における現存(existence)「現存と現前」についての議論を、フォルマとマテリアという二つの側面から検討した。

・第3回研究会
日時:2017年 1月 24日(水)  18時 00分 ~  20時 30分
場所:衣笠キャンパス究論館プレゼンテーションルームC
内容:上倉先生を招聘して、エチエンヌ・ジルソン『絵画と現実』における「2 個体性」および「2-1質料因」(pp.68〜85)について、講読と議論をすすめた。

・第4回研究会
日時:2018年 1月 31日(水)  17時 00分 ~  19時 30分
場所:衣笠キャンパス究論館コミュニケーションルームC
内容:上倉先生を招聘して、『絵画と現実』における「質料因」について、英語版とフランス語版を確認しつつ、議論を行った。また、これまでの絵画と現実性の問題の具体例として、ルーヴル美術館が所有するヤン・ファン・エイク《宰相ロランの聖母》の解説映像を鑑賞した。

・第5回研究会
日時:2018年 2月 23日(土)  18時 00分 ~  20時 30分
場所:衣笠キャンパス創思館404・403教室
内容:上倉先生を招聘して、これまで見てきた絵画作品の様態の具体例として、「ダ・ヴィンチ ミステリアスな生涯」というレオナルド・ダ・ヴィンチの作品を具体例とした映像を鑑賞し、理解を深めた。

成果及び今後の課題

 今年度の本研究会では、昨年度に引き続き、エチエンヌ・ジルソン『絵画と現実』の講読を進めた。本書は、哲学の手法を用い、絵画を考察するためのものであり、芸術経験を哲学的に考察することを目的とする本研究会の趣旨に合致していた。また、絵画と音楽の比較や、絵画における運動性の問題などを取り上げている同書は、各参加メンバーの興味、関心や専門に近しい。つまり、本書を通じ、哲学的な論点を背景にしながら、各メンバーの専門分野を議論することにより各自の研究を発展が期待できる点において適していたからである。議論を通じて、ディスカッション能力の向上や各メンバーの専門分野への応用だけではなく、テクストの読解自体や、正しいとされる読解を通して理解を深めることができた。とくに、邦訳だけではなく、英語、フランス語などの原典にあたり、言及されている書物についても検討したことなどは、テクストへ対して深く考究できたと言えるだろう。
 しかし、講読の速度が遅かったことは、昨年度から引き続く課題である。

構成メンバー

根岸 貴哉
向井 駿佑
焦 岩
忠岡 経子
西澤 忠志
森 敬洋