「震災をめぐる障害者・病者の生活問題」に関する研究会(2012年度)

院生代表者

  • 権藤 眞由美

教員責任者

  • 立岩 真也

企画目的・実施計画

本研究会の目的は、震災をめぐる障害者・病者の生活問題を院生個々人の関心の所在に引き寄せて研究を行い、その過程で見えた課題に対し研究会にて議論を重ね問題解決の一助となるよう取り組むことにある。震災によって困難極める状況下におかれた障害者や在宅で生活している難病患者の方の声を聞き、震災に関する情報発信、情報共有を行う。
昨年度は、グローバルCOE「生存学」創生拠点院生プロジェクトにおいて研究会を行い学会及びシンポジウム等にて各自の研究に基づき災害時における「障害者」「病者」への援助、支援、避難所の在り方を報告した。本年度も継続して研究を行うことで障害者・病者の視点に立脚した「震災」対策の提言を行うことに意義があると思われる。

活動内容

本研究会は、メンバー個人で障害者・震災をキーワードに現地調査を実施した。仙台・八戸の調査における精神障害者に関する報告、JDF被災地障がい者支援センターふくしま、JDF被災地障がい者支援センターみやぎにて、障害者における現状と課題についてのインタビュー調査、震災地における情報弱者についてなど、各自の研究により学術的に深みを増す機会となった。年度末には、生存学研究センターポスドク研究員である渡辺克典氏を交えコメントを頂き調査結果及び調査経過の研究報告会を開催した。

成果及び今後の課題

 今年度の本研究会は、各メンバーが現地へ出向き調査を実施し、ホームページなどでも情報発信、国際セミナーでのポスター報告など成果発信・情報共有の側面においても成果があったと思われる。
 今後の課題は、定期的に研究会を開催できなかったことである。遠方の院生もいるが、次年度は、事前に研究開催日を調整・周知し計画的に研究会を実施することである。また。今年度は、現地への調査を中心に計画を実施したが、メンバー間で関心のある研究者の方などを招聘するかたちでの研究会も取り入れていくことも含め、研究活動を一層邁進して行きたいと考えている。

構成メンバー

  • 有松 玲      
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • イム・ドクヨン   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・4年
  • 桐原 尚之     
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・1年
  • クァク・ジョンナン
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・4年
  • 権藤 眞由美    
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・4年
  • 酒井 美和     
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・4年
  • 佐藤 浩子     
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
マイノリティ研究会(2012年度)

院生代表者

  • 梁 陽日

教員責任者

  • 天田 城介

企画目的・実施計画

本プロジェクトは、立命館大学グローバルCOEプログラム「『生存学』創成拠点」の院生プロジェクト「地域社会におけるマイノリティの生活/実践の動態と政策的介入の力学に関する社会学研究」(2009年6月~2012年3月)の成果を継承して研究活動を進める。

マイノリティ研究は、マイノリティをめぐる差別・排除の実態、国家・行政や資本による政策・事業の内容や枠組み、「マイノリティ」を規定する知、そして差別・排除に抗う運動・実践、の連関を分析・考察することが求められている。本プロジェクトは、マイノリティをめぐる知が、差別・排除を補完・編成する社会的装置でもあるとの視点から、マイノリティ研究のあり方をメンバーの研究テーマ・フィールドから批判的に問い返す試みを目的とする。

具体的には、①2012年3月に出版した『差異の繋争点――現代の差別を読み解く』(天田城介・村上潔・山本崇記編ハーベスト社 http://www.arsvi.com/b2010/1203aj.htm)の公開合評会を通じ、マイノリティ研究の達成点と課題を明らかにすること。上記をふまえ、②新たな研究課題を設定し、共同研究を更に深めること。以上の2点である。

http://www.arsvi.com/o/m02.htm

活動内容

公開合評会「天田城介・村上潔・山本崇記編『差異の繋争点――現代の差別を読み解く』を読む」(立命館大学大学院先端総合学術研究科主催、マイノリティ研究会共催)の実施

日時:2012年6月5日(火) 18:00~20:30
場所:立命館大学衣笠キャンパス存心館2階705教室
企画概要:

  1. 執筆者による自著解題(目的・問題意識など)
    村上 潔(先端総合学術研究科研究指導助手)
  2. コメンテーターによる書評コメント
    安部 彰(立命館大学衣笠総合研究機構特別招聘准教授)
    安田 智博(先端総合学術研究科一貫制博士課程)
  3. 全体討論

定例研究会の開催

  1. 第28回定例研究会(2012年12月18日(火)15:00~於立命館大学学而館2階201)

    発表者:

    • 梁陽日「夜間中学における教育とその変遷――大阪における取り組みを中心に」
    • 由井秀樹「日本における非配偶者間人工授精に関する歴史的検討――なぜ1948年まではじめられなかったか?」
    • 大野光明「大阪のなかの『沖縄問題』の『発見』――大阪沖縄連帯の会を事例に」
  2. 第29回定例研究会(2013年2月19日(火)15:30~於立命館大学学而館2階 201)

    発表者:

    • 牛若孝治「芸術活動における障碍のある人とない人との関係性――援助者・非援助者を超えて」
    • 梁陽日「若者支援・特別支援教育の陥穽――善意による排除社会補完構造の考察」

成果及び今後の課題

第1に、公開合評会を通じてマイノリティ研究会の成果である『差異の繋争点――現代の差別を読み解く』(天田城介・村上潔・山本崇記編ハーベスト社、2012年3月)の達成点と課題を確認した。特に、マイノリティをめぐる言説、理論、政策的提言が、常に・既に福祉国家論の枠組みに親和的であらざるをえない現実に対し、批判的な距離を取ること、研究と実践を架橋することの必要性が再確認された。本合評会は先端総合学術研究科との共催で実施され、研究会内外の幅広い層からの参加を得るとともに、生存学の核心概念としてのマイノリティ研究のあり方に一石を投じたものと自負している。同時に、マイノリティの生き方の実態を記述するための方法論の構築については、十分に議論が深められなかったため、継続して今後の課題となったことを記しておきたい。

第2の成果は、新たな研究会メンバーを加え、ネットワークを広げられたことである。研究メンバーはアカデミズムの場のみならず、様々なフィールドに対して積極的に参与を行っており、日常的な研究活動を通じて広げてきたネットワークを活用しながら、様々な研究者や実践者が集う多様な場として研究会が運営されてきた。今後も、研究会が持つ多様性を基盤としたダイナミックな場としての意味を問いながら、さらに研究会を維持・発展させていきたい。

構成メンバー

  • 大野 光明 先端総合学術研究科・公共領域
  • 林 徳榮   先端総合学術研究科・公共領域
  • 郭 貞蘭  先端総合学術研究科・公共領域
  • 権藤 真由美 先端総合学術研究科・公共領域
  • 酒井 美和  先端総合学術研究科・公共領域
  • 白杉 眞     先端総合学術研究科・公共領域
  • 西沢 いづみ 先端総合学術研究科・生命領域
  • 矢野 亮    先端総合学術研究科・公共領域
  • 梁 陽日   先端総合学術研究科・公共領域
  • 吉田 幸恵   先端総合学術研究科・公共領域
生命倫理研究会(2012年度)

院生代表者

  • 鍾 宜錚

教員責任者

  • 小泉 義之

企画目的・実施計画

 本研究会は、人の生命(生死)をめぐる問題に関する先行研究を取り上げ、倫理的観点から検討することを目的としている。2012年度は、生命領域院生を中心に2ヶ月に1回のペースで研究会を開催し、参加メンバーの研究課題に沿った文献講読や研究発表を行ない、議論を通して参加者の見識を深め、各々の研究の発展に繋げていく。研究者同士が切磋琢磨できる場を設けて、新たな視点や方法論を展開することに本研究会の存在意義があるといえる。

活動内容

  • 日時、場所:2012年5月25日、16:30-18:00、創思館405
    内容:鍾宜錚「台湾の『安寧緩和医療条例』から捉えた『善い死(善終)』の作法」
  • 日時、場所:2012年6月7日、16:00-18:30、学而館202
    内容:家住裕美子「メチニコフの思想と明治期で日本での受容—死生学前史の試み」
    由井秀樹「不妊治療を経て実子のいない養育里親家族が形成されるプロセスに関する研究:就学前児童を養育する里母の語りから」
  • 日時、場所:2012年8月5日、16:00-18:30、学而館202
    内容:小西真理子「自己紹介に嗜癖する―ギデンズ、フーコーを手掛かりに」
       徳山貴子「宝月理恵『戦後日本における歯科衛生士の専門職化—口腔医療をめぐる支配管轄の変容から―』」
  • 日時、場所:2012年10月23日、15:00-18:00、学而館202
    内容:由井秀樹「配偶子提供、代理懐胎における『子の福祉』—AID出生者の事例から」
       鍾宜錚「現代台湾人の死生観について―『安寧緩和医療条例』の成立を手がかりに」
       家住裕美子「メチニコフの思想とイワン・イリイチの死—死生学前史の試み」
  • 日時、場所:2013年3月14日、14:00-17:00、学而館202
    内容:由井秀樹「日本における人工授精普及過程に関する歴史的検討:生殖の医療化の進展」
       小西真理子「Similarity and Difference between the Ethics of Care and “Amae” —Comparing Men/Women with Western/Japanese Culture—(ケアの倫理と『甘え』の概念の類似性と差異性—男性/女性文化および西欧/日本文化の比較—)」
       鍾宜錚「台湾における終末期医療に関する法改正と現状」

年度総括

 今年度は計5回の研究会を行なった。その内容は主に各自の研究の進捗状況を発表し、議論し、その後の学会発表や論文執筆に有用な視座が与えられた。研究会で他者の発表を聞くことで、参加者も刺激を得ることができた。
 今後も引き続き参加者が相互に刺激を与え合い、各々の研究を進捗させる一つの拠点として研究会を位置づけていきたい。

構成メンバー

  • 鍾宜錚(代表者)
  • 吉田一史美 
  • 由井秀樹 
  • 小西真理子 
  • 徳山貴子
  • 馬場久理子
  • 堀元樹

※本研究科院生のみ記載 

歴史社会学研究会(2012年度)

院生代表者

  • 小出 治都子

教員責任者

  • 天田 城介

企画目的・実施計画

本研究科は学問横断的な研究を旨とするため、さまざまな学問分野に所属する学生が在籍する。そのような場に共通項として現れるのが歴史記述の問題である。歴史をどのように記述するかについては、歴史学のみならず、社会学、人類学、経済学、政治学の分野でも模索されてきた。その中で、歴史社会学と呼ばれる分野は、歴史学と社会学の融合を目指す点で、学際的な研究において歴史記述をどう扱うかという問題の重要な参照点となりうる。本研究会は、歴史社会学の定義の確立や歴史社会学の方法の一般化を目指す研究会ではない。歴史社会学を実践する諸文献を学際的に読み解くことで、そこで示されている歴史記述の手法をどのようにそれぞれの学問分野に応用できるのかを探求することを目的とするものである。日本においては、歴史社会学学会なるものは存在しない。歴史社会学を標榜する本研究会は、そのような現状に一石を投じるという意味で、おおいに意義のあるものといえる。
本研究会は2009年度より、文献の読みこみ、歴史社会学を専門とする研究者の講演の企画、『歴史から現在への学際的アプローチ』(生存学研究センター報告17)の刊行など、様々な活動を展開してきた。本年度は、これまでの研究の集大成として、洛北出版から『体制の歴史』を出版することを目指し、本の構成や各自の論文を検討する研究会の開催を中心に活動を展開した。

活動内容

第1回研究会
日時:5月11日(金)16:00~19:30
場所:創思館416
発表者・タイトル:研究会メンバー全員・『体制の歴史』構想発表

第2回研究会
日時:6月8日(金)16:00~19:30
場所:創思館416
発表者・タイトル:石田智恵、大谷通高、櫻井悟史、佐藤量、中田喜一、渡辺克典・『体制の歴史』草稿検討会

第3回研究会
日時:7月3日(火)13:00~16:00
場所:創思館416
発表者・タイトル:大谷通高、石田智恵、近藤宏、西嶋一泰、中田喜一・『体制の歴史』草稿検討会

第4回研究会
日時:7月13日(金)16:30~19:00
場所:創思館416
発表者・タイトル:角崎洋平、小出治都子、冨田敬大、橋口昌治、松田有紀子・『体制の歴史』草稿検討会

第5回研究会
日時:8月17日(金)10:00~19:00
場所:創思館416
発表者・タイトル:研究会メンバー全員・『体制の歴史』草稿検討会

第6回研究会
日時:9月20日(木)10:00~19:00
場所:立命館大学衣笠キャンパス アカデメイア立命21 3階
発表者・タイトル:研究会メンバー全員・『体制の歴史』草稿検討会

第7回研究会
日時:10月9日(火)10:00~19:00
場所:立命館大学衣笠キャンパス アカデメイア立命21 3階
発表者・タイトル:研究会メンバー全員・『体制の歴史』草稿検討会

第8回研究会
日時:10月31日(水)10:00~19:00
場所:立命館大学衣笠キャンパス アカデメイア立命21 3階
発表者・タイトル:研究会メンバー全員・『体制の歴史』草稿検討会

成果及び今後の課題

成果

天田城介・角崎洋平・櫻井悟史編, 2013,『体制の歴史』洛北出版.【出版予定】
角崎洋平, 2013, 「構想される「生業」への経路――貸付による離陸」天田城介・角崎洋平・櫻井悟史編『体制の歴史』洛北出版.
近藤宏, 2013, 「アポリアを生み出す自主管理――パナマ東部先住民エンベラから見る先住民統治体制」天田城介・角崎洋平・櫻井悟史編『体制の歴史』洛北出版.
松田有紀子, 2013, 「「女の町」の変貌――戦後における京都花街の年季奉公をめぐって」天田城介・角崎洋平・櫻井悟史編『体制の歴史』洛北出版.

今後の課題

 これまでの研究成果を『体制の歴史』としてまとめたので、まずは同書の合評会を開くなどして、批判的検討を行なっていきたい。そこで今後の課題をまとめ、その後、第二弾の本の構想を練っていく。

構成メンバー

  • 大谷通高(公共・2005年度入学)
  • 角崎洋平(公共・2008年度入学)
  • 小出治都子(表象・2006年度入学)
  • 近藤宏(共生・2006年度入学)
  • 中田喜一(公共・2008年度入学)
  • 西嶋一泰(共生・2008年度入学)
  • 松田有紀子(共生・2008年度入学)
精神保健・医療・福祉(含関連事象)にかんする理論的および経験的研究(2012年度)

院生代表者

  • 中田 喜一

教員責任者

  • 立岩 真也

企画目的・実施計画

 精神障害・精神医療をめぐる人びとの活動とその背景をなす制度・政策については、精神保健福祉にかかわる医療・福祉専門職や行政関係者による報告、さまざまな領域の研究者による記述と分析、そして当事者の手による記録が存在している。しかしそれら各々の立場性を止揚し、体系的かつ批判的に検討する取り組みが存在しているとは言い難い。本研究会は、メンバー各自の当事者・専門職・研究者としての立場を尊重しつつも、その枠にとらわれない精神障害・精神医療の体系的かつ批判的な研究の推進を目的としている。

活動内容

本研究会は、ACT-Kの日本における提唱者であり、かつ精神医療改革運動/反精神医学運動の主要な担い手でもあった高木俊介先生(精神科医)の招聘(公開インタビュー企画)を見据えての事前勉強会を実施した。しかし、高木先生およびメンバー間の日程の調整が付かず、今年度の招聘は断念した。また、数人のメンバーによる「やどかりの家」の見学・調査も検討していたが、これもやはり日程の調整が付かず、次年度以降に延期となった。
さらに上記とは別に、メンバー各自の関心にもとづいた、精神障害・精神医療にかんする研究報告を随時実施し、本プロジェクトの企画目的に沿うかたちで、各自の研究の学術的な質の向上を図った。

成果及び今後の課題

 今年度の本研究会は、各メンバーが企画目的に沿う形での個人研究業績(論文・学会報告等)を多数挙げることができたという点において、その目的をおおむね達成していると考えられる(研究業績についてはhttp://www.arsvi.com/o/m03.htm#2012dを参照のこと)。
 他方で、今年度は予定していた招聘企画や調査活動を全く実施できなかった。この点は猛省を要する。次年度以降は実現可能性をさらに精査したうえで、招聘企画や調査活動を企画・実施していきたい。

構成メンバー

  • 阿部 あかね
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・3年
  • 植村 要
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 牛若 孝治   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・4年
  • 片山 知哉   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 川端 美季   
    立命館大学大学院生存学研究センター・ポストドクトラルフェロー
  • 桐原 尚之   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・1年
  • 権藤 眞由美  
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・4年
  • 齊藤 由香   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 白田 幸治   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・3年
  • 末安 民夫   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 田中 慶子   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 仲 アサヨ   
    先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 中田 喜一   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 藤原 信行   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科非常勤講師
  • 長谷川 唯   
    日本学術振興会特別研究員PD
  • 堀 智久    
    日本学術振興会特別研究員PD
  • 松枝 亜希子  
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 三野 宏治   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 山口 真紀   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 吉田 幸恵   
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
  • 渡邉 あい子  
    立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程公共領域・5年
草分け時代を生きた「精神病」者運動家の個人史保存(2012年度)

院生代表者

  • 白田 幸治

教員責任者

  • 立岩 真也

企画目的・実施計画

歴史哲学における歴史とは、過去の歴史的事実と歴史叙述からなるものとされる。歴史的事実とは、史料によって実証的に裏付けられる事実のことである。そして歴史的事実の一回性の連続を歴史叙述という。歴史叙述は、その過程において何を価値基準とし叙述するのかによって同じ史料を基礎としても全く異なる叙述となり得る。これまで「精神病」者運動の歴史は、体系的な研究がされていないため、断片的な記録が確認できる程度にとどまってきた。そして、断片的な「精神病」者運動史の記録も、戦後史、社会事業史の叙述に取り込まれ、医学モデルによる支配的な考えの成すままとされている。すなわち「精神病」者の歴史は、戦後史、社会事業史の言説の中で沈黙を強いられており、この沈黙を打ち破らない限り、「精神病」者がいかに歩み、生きてきたかを知り得ることはできない。
 本院生プロジェクトは、1970年代から1980年代前半の草分け時代を生きた「精神病」者運動家4人に対してインタビュー調査を行い、個人史(life history)の保存をする。運動家らは、既に高齢であり早急な個人史の保存が求められる。運動家らの個人史から「精神病」者運動の歴史と系譜を明らかにし、ついては社会事業史、戦後史の叙述へのカウンターヒストリーとしての「精神病」者運動史の体系化に一石を投じる。

活動内容

2012年8月23日、西山志郎インタビュー
2012年9月27日、松井秀彦インタビュー
2012年11月10日、山本潔インタビュー
2012年12月26日、分析ミーティング
2013年1月20日、報告書『「精神病」者運動家の個人史(1巻)』の発行。

成果及び今後の課題

報告書『「精神病」者運動家の個人史(1巻)』の発行。
現代思想への企画の持ちかけ。
桐原尚之が立命館人間科学研究27巻の公募論文に成果にかかる投稿をした。

構成メンバー

  • 白 田 幸 治 先端総合学術研究科 公共領域 2012年度
  • 桐 原 尚 之 先端総合学術研究科 公共領域 2012年度
  • 諸 岡   聖 先端総合学術研究科 公共領域 2012年度
  • 権 藤 眞由美 先端総合学術研究科 公共領域 2011年度
  • 窪 田 好 恵 先端総合学術研究科 公共領域 2012年度
  • 成 瀬 泰 樹 先端総合学術研究科 表象領域 2012年度
出生をめぐる倫理研究会(2012年度)

院生代表者

  • 西沢 いづみ

教員責任者

  • 松原 洋子

企画目的・実施計画

 本研究会は出生をめぐる倫理をテーマとし、文献講読や講師を招いた研究会を通して、参加者がテーマへの理解や議論を深め、各自の研究を刺激することを目的とする。人工妊娠中絶・出生前診断・新生児医療・捨て子・養子縁組など、出生前や出生時の子どもの問題だけでなく、子どもが出生した後の問題にも視野を広げる。これまでの公開研究会では、生殖に関する研究を行う社会学者、歴史学者、哲学者を講師に招き、学際的な議論を積極的に試みている。そこで今年度は、男女の不妊をめぐる種々の問題や子どもの出生をめぐる法的な問題について、子の視点・立場をキーワードに考察を試みることを目標に掲げ、法学者の二宮周平氏を招いた公開研究会を企画した。

活動内容

1) 2012年9月2日 於:立命館大学
報告者:由井秀樹
テーマ:「学校衛生と石原色覚検査表:小学校身体検査における色神検査に関する歴史的検討」
2) 公開研究会にむけての事前勉強会
2012年10月31日 於:立命館大学
使用テキスト
・ 二宮周平『家族と法――個人化と多様化の中で』岩波新書,2007年.
・ 二宮周平「家族法と戸籍を考える(28)子の出自を知る権利(3完)―法的構成とその内容『戸籍時報』(643):37-55,2009年.
・ 二宮周平「家族法と戸籍を考える(15)認知制度を誰のためにあるのか(4)―人工生殖と親子関係」『戸籍時報』(607):11-34,2006年.
2012年12月9日 於:立命館大学
使用テキスト
・ 二宮周平「子の出自を知る権利」日本学術会議事務局編『学術会議叢書19 生殖補助医療と法』日本学術協力財団,2012年.
・ 二宮周平「親子関係とジェンダー」ジェンダー法学会編『講座 ジェンダーと法 第2巻 固定された性役割からの解放』日本加除出版,2012年.
2) 2013年2月6日(水)14:00~17:00 於:立命館大学
  公開研究会「生殖と法――二宮周平先生をお迎えして」
  招聘講師:二宮周平(立命館大学教授・家族法)
企画のテーマは「生殖と法」であり、法学者の二宮氏に「生殖補助医療と法――家族形成の希望と子の利益」と題したご講演をいただいた。日本の生殖補助医療規制の現状を批判的に検討し、子の出自を知る権利の確保を行い、提供者、代理母と子、養育親がオープンに交流できる関係性の構築を技術利用の調整点とすることが提案された。
指定質問では、生殖における胎児・新生児の生命保護と法律上の母子関係に関する分娩主義・戸籍制度の限界、第三者生殖技術の利用における子の出自を知る権利の複層性などが討論され、またフロアからは、代理懐胎の依頼者による出生児の引き取り拒否への対策の必要性等、意見が出された。今回は法学的な視点から、第三者生殖技術の利用、親子関係の成立等に関する問題について、多くの参加者と活発な議論を行うことができ、実り多い企画となった。

成果及び今後の課題

 本研究会の活動を通して学際的な議論の方向性を新たに開き、メンバーが各々の研究活動においてその成果を発信することができている。今後は、院生の研究発表と外国語文献の講読に力を入れたい。

構成メンバー

  • 西沢いづみ(代表者・生命領域)
  • 山本由美子(生命領域)
  • 吉田一史美(生命領域)
  • 由井英樹(生命領域)
  • 坂井めぐみ(生命領域)
  • 小栗悠子(社会学研究科)
ヨーロッパ文化研究会(2012年度)

院生代表者

  • 川崎 寧生

教員責任者

  • 竹中 悠美

企画目的・実施計画

今年度の「ヨーロッパ文化研究会」は、昨年度のヨーロッパ文化研究会を継承・発展させるべく企画された。昨年度は、フッサールやヴェーバーの著作を参照しながら、西欧近代の根本にある問題を見極め、考察することを目的としていた。そこで今年度は、さらに美学・芸術学について理解を深めるために石黒義昭先生を講師としてお招きしマルティン・ハイデガーの『芸術作品の根源』の講読を行ない、ハイデガー独自の術語に秘められた意図を理解し、西欧思想における芸術の位置をより深く考察することを目指した。
 研究会ではMartin Heidegger; Der Ursprung des Kunstwerkes (Vittorio Klostermann)と、その翻訳『芸術作品の根源』(関口浩訳、平凡社ライブラリー、2008)を基礎文献として用いた。一ヵ月に数度院生が集まって輪読し、基本的な知識を確認する。そのうえで、石黒先生を中心に、各自が用意したレジュメを用いて議論を行った。議論では、ハイデガーの著書『「ヒューマニズム」について』『美と永遠回帰』『形而上学入門』『ニーチェ〈1〉美と永遠回帰』などにも目を向け、理解を深めた。また、研究会に参加できなかった学生に対してインターネット等によるフォローを行ない、全員が研究会に参加できるようなシステムをつくることを目指した。

活動内容

・第1回研究会 
日時:2012年7月7日(土)15時00分~19時00分
  場所:創思館409号室
  内容: 事前学習として『芸術作品の根源』の「1 物と作品」までを学生のみで輪読し、哲学史の流れや用語等の確認を行った。内容を序章、三つの物概念、道具的なものと作品的なものとに便宜的に分け、それぞれを担当者が要約し、研究会へと臨んだ。研究会では、石黒先生より、当時の時代背景、『存在と時間』やその他の著作との連関、カントやヘーゲル、ニーチェとの関係について説明していただきながら、一文一文精読していった。

・第2回研究会 
日時:2012年11月27日(火)14時00分~16時10分
  場所:創思館409号室
  内容:事前学習では、前回の研究会を振り返ったのち、「2作品と真理」「3真理と芸術」を輪読し、「<大地>とは何か」「<世界>、<闘争>は何か」について生徒間で議論を行い、理解が及ばない箇所を確認した。研究会では『芸術作品の根源』に頻出する言語の確認をしつつ、前回の続きを行った。著者ハイデガーがどのような考えを持ち、当時の社会状況がどのようなものであったのかを石黒先生に教授していただきながら、事前学習では不明瞭におわった箇所に重点を置き議論を深めた。また、『芸術作品の根源』のもととなるニーチェの論についても触れることにより、ハイデガーの論について考える基礎的知識の構築を図ることができた。

・第3回研究会 
日時:2013年2月19日(火)14時00分~16時00分
  場所:創思館409号室
  内容:事前学習では、研究会を欠席した院生へのフォローをしつつ、これまでの研究会で行ってきた『芸術作品の根源』について振り返り、総まとめを行った。研究会では、河合大介「芸術作品における闘争――ハイデガー『芸術作品の根源』より」(『成城文藝』182号、2003年)を輪読し、これまでの内容を踏まえた議論を行った。次に、本書に登場する後期印象派画家Vincent Van Gogh(1853-90)の《靴》(アムステルダム ファン・ゴッホ美術館所蔵)を見ながらハイデガーが本書で述べた見方と一般的に行われる見方の相違を確認した後、ハイデガーが問う「芸術作品とは何か」について議論を交わした。

成果及び今後の課題

本研究会では内容把握とともに、一つひとつの語句を洗い出し、曖昧な個所を残さないように基本文献を読むことを重要視した。そして、二十世紀における芸術哲学の根本問題を考えてゆくとともに、美学に対する批判的視点を検討することを目指した。
 当初は計4回の研究会を行うことを予定していたが、うまく予定を組み立てることができず、当初予定していたほど研究会を開催することができなかった。そのため、3回分の研究会を踏まえた各自の研究課題に沿った発表を行い議論する場が持てなかったことが反省点としてあげられる。しかし、3回分の研究会と院生同士の事前学習においては、参加人数が少人数であったこと、また昨年度までの研究会の参加者であったことにより、講師と学生間での昨年度の研究会を踏まえた活発な議論が行えた。このことは本研究会の成果であると同時にこれまで続けて行ってきた研究会の成果であると考える。
 今後もこのような研究会を行い、近代哲学・文化形成について論じる場を作ることを考えている。また開催頻度を増やし院生各自の研究発表をより多く行うことで、それぞれの学会発表あるいは論文作成に活かしていく方向性を考えていきたい。

構成メンバー

  • 川崎寧生(研究会代表者・表象領域2008年度入学)
  • 小出治都子(表象領域2006年度入学)
  • 鹿島萌子(表象領域2008年度入学)
  • ダニエル・サストレ(表象領域2008年度入学)
  • 角田あさな(表象領域2009年度入学)
  • 平田剛志(表象領域2010年度入学)
デジタル時代における研究手法と倫理研究会(2012年度)

院生代表者

  • 小出 治都子

教員責任者

  • 吉田 寛

企画目的・実施計画

本研究会は、高度に情報技術が発達した今日において、主に人文学的研究がどのように情報技術と関わっていくべきかを、研究手法と研究倫理の双方から議論するために発足した。具体的には、テキストマイニングやビジュアライゼーション(可視化)といった、人文社会科学諸分野において今後重要となると思われる研究手法を学び、参加者各々の専門分野と結び付けてその方法論を模索する。
 以上から、本研究会は、デジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)の国内における主要拠点であるアート・リサーチセンターに協力を要請しつつ、情報学や哲学、倫理学の専門家である石黒義昭先生・稲葉光行先生・尾鼻崇先生を講師として迎え、技術的指導や関連書の輪読、ディスカッションなどを行うことで、参加者各々の本来の専門領域を越境した学際的(かつ実践的な)技術と知識を習得することを目的とした。
本研究会は、まず、参加者各自が自身の研究の中で情報技術を応用・援用したいテーマを発表し、その目的や予想される結果について議論を行なう。さらに講師からの助言を受けつつ、各自が(可能な範囲で)研究の結果を出し、報告を行なう。本研究会は、参加者の短期的な研究成果の蓄積ではなく、現代社会に生きる研究者がしかるべき情報技術という基礎体力を身にまとうことを達成目標とした。

活動内容

・第1回研究会 
日時:2012年7月7日(土)13時00分~14時30分
場所:創思館409号室
内容:
『デジタル・ヒューマニティーズ研究とWeb技術』第一章の分析考察を行なった。事前に、学生が読み、それぞれ疑問・質問を持ち寄り、討論を行う形とした。さらに、講師である尾鼻崇先生にコメントをいただいた。また、基礎的な知識としてアート・リサーチセンターでどのようなデジタル・ヒューマニティーズ研究が行われているのかを尾鼻先生から教わり、各自の研究とデジタル・ヒューマニティーズ研究がどのように関わることができるかを自由に話し合った。

・第2回研究会
日時:2012年11月27日(火) 16時20分~17時50分
場所:創思館409号室
内容:
『デジタル・ヒューマニティーズ研究とWeb技術』の輪読、および研究会のメンバーである小出が『アート・リサーチ』に投稿中の論文の検討を行なった。今回は、ヨーロッパ文化研究会と連続して研究会を行ない、学生だけでなく、石黒義昭先生にご参加いただくことで、Web技術を用いて分析した化粧品広告についてご意見をいただくことができ、有意義な研究会とすることができた。

・第3回研究会
日時:2013年2月14日(木) 14 時 40分~17 時 00 分
場所:アート・リサーチセンター プロジェクト1室
内容:
まず初めに、テキストマイニング手法の長所と短所について、政策科学研究科の稲葉光行先生にご教授いただいた。次に、テキストマイニングを使って論文を執筆された尾鼻崇先生にテキストマイニングを使うことの留意点についてご教授いただいた。それらの点を踏まえ、稲葉研究室の方とどういった目的でテキストマイニングを使うのが良いかを論議した。

成果及び今後の課題

 本研究会ではテキストマイニングやビジュアライゼーション(可視化)といった、人文社会科学諸分野において今後重要となると思われる研究手法を学び、参加者各々の専門分野と結び付けてその方法論を模索することを目的とした。
 当初は月1回の研究会を行うことを予定していたが、うまく予定を組み立てることができず、当初予定していたほど研究会を開催することができなかった。特に、他大学から講師を呼び、公開研究会を開催することができなかったことが反省点としてあげられる。
しかし、研究会においてメンバーの論文を読み、議論することができたこと、また、他研究会の先生に、研究会に参加していただけたことは、本研究会の成果であると考える。
 今後もこのような研究会を行い、人文学的研究と情報技術の関わりを論じる場を作ることを考えている。また開催頻度を増やし院生各自の研究発表をより多く行い、それぞれの学会発表あるいは論文作成に活かせるようにしていきたい。

構成メンバー

小出治都子(研究会代表者・表象領域2006年度入学)
下西 紀子(表象領域2006年度入学)
鹿島萌子(表象領域2008年度入学)
川崎寧生(表象領域2008年度入学)
角田あさな(表象領域2009年度入学)

論理学研究会(2012年度)

院生代表者

  • 角田 あさな

教員責任者

  • 吉田 寛

 

企画目的・実施計画

本企画の趣旨は、論理学を初歩から学び、研究に必要な基礎知識を身につけようというものである。本研究会は、立命館大学文学部の伊勢俊彦先生を中心として、2011年4月から継続して行っているものである。前年度に引き続き、参加者が文献の要約などを適宜発表し、その後、その内容についての補足やコメント、および質疑応答を行うというセミナー形式で、月2回を目処に行う。論理学とはどのようなものか、その基本知識を身につけることを目的とする。

活動内容

第1回研究会
日時:2012年5月1日(火)18時00分~19時30分
場所:創思館410
テキスト:飯田隆『言語哲学大全Ⅱ 意味と様相(上)』、第1章「論理実証主義の言語哲学」、1節「運動としての論理実証主義」および、2節「ウィトゲンシュタインと論理実証主義」
発表者:角田 あさな

第2回研究会
日時:2012年5月21日(月)18時00分~19時30分
場所:創思館409
テキスト:飯田隆『言語哲学大全Ⅱ 意味と様相(上)』、第1章「論理実証主義の言語哲学」3節「意味と検証」
発表者:小西 真理子

第3回研究会
日時:2012年7月11日(水)18時00分~19時30分
場所:創思館406
テキスト:飯田隆『言語哲学大全Ⅱ 意味と様相(上)』、第1章「論理実証主義の言語哲学」3節「意味と検証」
発表者:小西 真理子

第4回研究会
日時:2012年7月30日(月)18時00分~19時30分
場所:創思館406
テキスト:飯田隆『言語哲学大全Ⅱ 意味と様相(上)』、第3章「分析性の退位」
発表者:田邉 健太郎

第5回研究会
日時:2012年9月10日(月)18時00分~19時30分
場所:創思館406
テキスト:飯田隆『言語哲学大全Ⅱ 意味と様相(上)』、第3章「分析性の退位」
発表者:田邉 健太郎

第6回研究会
日時:2012年10月22日(月)18時00分~19時30分
場所:創思館312
テキスト:飯田隆『言語哲学大全Ⅱ 意味と様相(上)』、第3章「分析性の退位」
発表者:田邉 健太郎

第7回研究会
日時:2012年10月29日(月)18時00分~19時30分
場所:創思館312
内容:次回以降の講読テキストについての打ち合わせ

第8回研究会
日時:2012年11月19日(月)18時00分~19時30分
場所:創思館312
テキスト:青山拓央『分析哲学講義』、講義1「分析哲学とは何か」
発表者:新田 千春

第9回研究会
日時:2013年1月10日(木)18時00分~19時30分
場所:創思館409
テキスト:青山拓央『分析哲学講義』、講義3「名前と述語」
発表者:田邉 健太郎

第10回研究会
日時:2013年1月30日(水)18時00分~19時30分
場所:創思館409
テキスト:青山拓央『分析哲学講義』、講義2「意味はどこにあるのか」
発表者:山田 由紀

第11回研究会
日時:2013年2月21日(木)18時00分~19時30分
場所:創思館406
テキスト:青山拓央『分析哲学講義』、講義4「文脈理論と全体論」
発表者:角田 あさな

第12回研究会
日時:2013年3月29日(金)18時00分~19時30分
場所:創思館406
テキスト:青山拓央『分析哲学講義』、講義5「意味はどこに行ったか」
発表者:新田 千春

成果および今後の課題

本研究会では、2012年度を通して、12回の研究会を実施した。今年度は、昨年度からのテキストであった飯田隆『言語哲学大全』の精読を終了し、言語哲学において、数学や論理に属する命題がわれわれの取り決めによって真であるという規約主義がどのようにして成立し、解体したかを知ることができた。しかしながら、前期は一部のメンバーのみの関心に傾き、議論への参加者が限られてしまったことを反省し、後期は、本企画の本来の目的でもあった「初歩」へと立ち戻り、より多くのメンバーが議論に参加できるようなテキストへと変更した。今後も、より多くの参加者の哲学的関心/知識欲に沿うテキストを選択し、本研究会が各々の研究の手助けとなるよう目指したい。

構成メンバー

  • 大貫 菜穂(表象領域)
  • 角田 あさな(表象領域・代表者)
  • 小西 真理子(生命領域)
  • 下門 史幸(表象領域)
  • 田邉 健太郎(表象領域)

※本研究科院生のみ記載

LAST UPDATE: 20130322