キャンパス・ハラスメント防止ガイドライン

立命館大学大学院先端総合学術研究科
キャンパス・ハラスメント防止ガイドライン

目次

0.はじめに

1.ガイドライン制定の趣旨

2.研究科の責任と構成員の義務

3.ガイドラインの対象

4.ハラスメントの定義

5.パートナーシップの基礎となる信頼関係

  1)教員・研究科の義務
  2)禁止される行為

6.パートナーシップ委員会(仮称)

  1)委員会の設置
  2)委員会の構成
  3)委員会の業務

7.相談室の開設に向けて

本文

0.はじめに

 大学の研究の力量が、大学院に結集した若手研究者、大学院生の鋭い問題意識と多様で自由な発想やそれらの能力にかかっていることは、大学内外の研究者、教育関係者の共通理解である。特に大学院生が研究者として成長していく途上でハラスメント等の人権侵害に煩わされることなく、活き活きと研究に専念できる真に「魅力ある大学院」を構築しえた大学こそが研究の力量を伸ばすことができる。
 立命館大学のセクシュアル・ハラスメントやアカデミック・ハラスメント(以下、キャンパス・ハラスメント)への対策は、全国あるいは世界の標準から見て立ち後れていたが、ようやく全学的なハラスメント対策に向けた制度的な改革の機運が芽生えつつある。
 立命館大学大学院先端総合学術研究科(以下、本研究科)では、本研究科院生会からの問題提起を受け、キャンパス・ハラスメントを議題とする協議会において率直な議論を重ねた。協議会での検討を踏まえ、本研究科はキャンパス・ハラスメント防止ガイドラインを制定する。ハラスメント防止のガイドラインが内実を持つためには、ハラスメントを受けた被害者に対して迅速に対応する相談窓口などの実効性のある機能が必要であり、時には調停あるいは処分等を検討し実行する権限を備えた全学的な組織が確立されなければならない。研究者養成を目指す本研究科は、事の重要さと迅速な制度化の必要性を鑑み、個別研究科レベルでの相談窓口の設立への模索を継続すると同時に、全学的な組織の設置についても提起していく。当面、本ガイドライン作成の場となった協議会の意志を継承する役割も含めて「パートナーシップ委員会」(6.参照)を発足させる。

1.ガイドライン制定の趣旨

 本研究科のすべての構成員は、安全、平等かつ快適な状態で研究、教育、就労ができる権利を有する。すべての構成員とは、教員・職員(いずれも常勤・非常勤を問わない)・院生(本研究科のプロジェクト等に関わりのあるすべての者。以下、「院生」という)である。本研究科はセクシュアル・ハラスメントやアカデミック・ハラスメント等の人権を侵害し、個人の尊厳を損ねる行為を決して容認しない。様々なハラスメントの防止に留まらず、プロジェクトを円滑に推進するための信頼関係の構築を励行する。ここでいうプロジェクトとは、本研究科の研究教育活動の基本形態を指し、狭義の「プロジェクト研究」および、共同で開催されるシンポジウム等の活動を含む。こうした研究教育活動において万一、ハラスメント等が発生した場合に備え、このガイドラインを定める。
 院生には何らかの独創的な視点が認められ、既に教員を含む他者を凌ぐ何かを有するプロジェクト・パートナーである。教員は院生の可能性を謙虚に受け止め、そこから学び、それをより伸ばすという姿勢を保持せねばならない。また、大学職員と良好な関係を形成することは、プロジェクトの推進にとって不可欠であり、院生・教員は大学職員と協力し、本研究科全体が新たな領域を切り開く有機的な教育研究システムとなるよう努力する。
 本研究科は、人文科学と社会科学の刷新と総合を倫理的な原点「核心としての倫理」から、自然科学の成果を受け止め、人文科学と社会科学の刷新と総合をはかり、よりよく生きるための知の再構築を推進することを使命と考えている。それにふさわしい研究環境を整えるために、他人の人格を傷つける言動を行わない決意を表明するとともに、そのような言動を防止するための万全の配慮と不断の努力を行うことを宣言する。

2.研究科の責任と構成員の義務

 本研究科のすべての構成員は、相手の立場を尊重することに努めるとともに、信頼関係を損ない、人としての尊厳を傷つけるハラスメント等を起こさないこと、防止することに努める。本研究科教授会は、ハラスメント等の人権侵害に対して厳しい態度で臨み、快適な研究・教育・職場環境を作る努力を行う。研究科の教学全般に責任を負う研究科長は、ハラスメント等の防止と対策に関する研究科全体の施策全般についても責任を負い、また各テーマ領域責任者等は、具体的な施策や措置の実施について責任を負う。

3.ガイドラインの対象

 1) このガイドラインは、本研究科の構成員のすべてを対象とする。ただし、教員・職員については離職後、院生については、研究科を卒業・退学などで学籍を失った後においても、在職中もしくは在学中にうけた被害についての訴えを申し出ることができる。
 2) このガイドラインは、ハラスメントが本研究科の構成員相互間において問題となる場合には、学内・外、授業中・外、課外活動中・外、勤務時間内・外など、それが起こった場所・時間帯を問わず、適用される。
 3) ハラスメントが、本研究科の構成員と本研究科の構成員以外の者との間において問題となる場合には、当事者間に職務上の利害関係のあるときに限り、このガイドラインを適用する。したがって、教員が大学等の外において行う講演・講義、あるいは、院生のアルバイト先での問題等についても、このガイドラインを適用する。ただし、加害者が研究科の構成員以外の者であるときには、このガイドラインの手続きを準用し、研究科として解決のために必要かつ適当な措置をとるよう努力する。

4.ハラスメントの定義

 ハラスメントとは、性別、社会的身分、人種、国籍、信条、年齢、職業、身体的特徴等の属性あるいは広く人格等に対する言動によって、相手に不利益や不快感を与え、あるいはその尊厳を損なう人権侵害である。アカデミック・ハラスメントおよびセクシュアル・ハラスメントとは、教育上の優越的地位にある者が継続的関係において行う不適切な言動・指導・待遇によって、相手の研究意欲・研究環境を阻害し、あるいはその後の人生においても悪影響を残す人権侵害である。この場合、意に反する他者の人権を侵害する性的言動を伴うものを特にセクシュアル・ハラスメントと言う。これらは、その生起する状況や内容に違いはあるが、何らかの優越的地位に依拠し、権力関係の中で生じるものであり、広義にはパワー・ハラスメントと言える。ハラスメントの認定は、被害者の判断を基準とする。

5.パートナーシップの基礎となる信頼関係

 プロジェクト・パートナーである院生とプロジェクト・リーダーである教員の適正な関係は信頼関係の上に構築される。とりわけ研究活動開始の初期は、信頼関係の構築が重要である。その前提として、ハラスメントの防止とその根絶のための環境づくりが行われなければならない。教員は、院生の言葉を注意深く傾聴し、院生の主題の核心を十分に理解し、発展の可能性及び行き詰まっている点を慎重に判断する。必要に応じて、院生とともに探求を進める姿勢を明確に示すことが基本姿勢となる。具体的に守るべき行動規範は、信頼関係の構築、維持、発展を促す規範である。大別すると、教員・研究科が積極的にすべき義務と絶対にしてはならない禁止行為がある。

1)教員・研究科の義務
院生の能力向上への寄与
 1.必要に応じた院生への助言指導を行う。
 2.適切な文献、学会、研究会、雑誌媒体等の紹介をする。
 3.院生に必要な推薦書の作成をする。
 4.院生が研究成果を発表する適切な機会を保障し、その能力向上の支援を行う。

教育機会の平等の保障
 5.日本語を第一言語としない院生には、特にその必要に応じた配慮を行う。
 6.遠隔地に居住する、長時間働いているなどで大学にあまり来ることができない院生には、メールなどの通信手段を使って、充分な指導の機会を保障する。
 7.障害を持つ院生には、必要な配慮のもとに指導を行う。
 8.演習、予備演習、研究科内の良好な人間関係を保つよう寄与する。

プロジェクト遂行のための配慮
 9.プロジェクトの計画実践を通して院生の能力向上に寄与し、そのための必要な配慮を行う。
 10.教員への助言・資料提供、プロジェクトへの貢献をした院生の名前を公的に明示する。
 11.プロジェクト等の遂行には、院生に事前事後の充分な説明を行い、必要に応じて計画を変更する。
 12.万一、プロジェクト等の遂行に何らかの問題を生じた場合には、院生の努力を無駄にしないよう、必要に応じてプロジェクト等の軌道修正を行う。

研究科全体に関わること
 13.論文審査や講義の評価の透明性を保ち、院生からの異議申し立てを真摯に受け付ける。
 14.プロジェクト推進にあたって、研究科に必要な制度やシステムの整備を行う。

2)禁止される行為
 以下の具体例は「アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク」資料などを参考にしている。
1.学習・研究活動妨害(研究教育機関における正当な活動を直接的・間接的に妨害すること、何らかの契約不履行)
 例)学会などへの出張を正当な理由無く許可しない/プロジェクト等の遂行に十分な事前事後説明を行わず、結果として研究時間を奪う、など
2.卒業・修了・進級妨害(院生の進級・卒業・修了を正当な理由無く認めない、正当な理由無く単位を与えない)
 例)理由を示さず単位を与えない、など
3.選択権の侵害(就職・進学の妨害、望まない異動の強要など)
 例)本人の希望に反する学習・研究計画や研究テーマを押しつける、など
4.指導義務の放棄、指導上の差別(教員の義務である研究指導や教育を怠ること。また指導下にある院生を差別的に扱うこと)
 例)「放任主義だ」と言いセミナー・ゼミを開かず、研究指導やアドバイスもしない/自分が興味のあるテーマで研究する院生にのみ指導するなどの指導の上で差別がある、など
5.不当な経済的負担の強制(本来研究費から支出すべきものを、院生に負担させる)
6.研究成果の搾取(研究論文の著者を決める国際的なルールを破ること、アイデアの盗用など)
 例)院生のアイデアを使い、こっそり論文・発表をする、など
7.精神的虐待(不適切な発言やメール・相手の主張の不十分な点を揶揄する。本人がその場に居るか否にかかわらず、院生を傷つけるネガティブな言動を行う。発奮させる手段としても不適切)
 例)「ゼミに出る資格がない、出て行け」「厳しく言うのは愛情だ」「女は研究者に向かない」など
8.身体的暴力(殴る・蹴る)
9.誹謗、中傷
 例)職務上知りえた院生の個人情報を他の教員や院生に告げてまわり、結果として大学で当人の居心地を悪くさせる
10.不適切な環境下での指導の強制
 例)指導するからといってホテルの一室に呼びつける
11.優越的地位・権力関係の濫用
 例)日曜に研究室に来ないと留年させるなどの不当な規則の強制/食事に付き合わないと指導しないなどの親密な関係の強要/研究データの捏造・改ざんの強要などの不正・不法行為の強要
12.プライバシー侵害
 例)院生が望んでいないにもかかわらす、恋人のことなど根掘り葉掘り聞く
13.その他
 例)自らの不適切な言動について、言い訳をするだけで改善をしない(被害が深刻になる可能性)/教員同士の個人的な確執による鬱憤を、相手が指導する院生へ不利益を被らせることで晴らそうとする/教員間の権力関係が院生に影響を及ぼす(権力のない教員についた院生への悪影響の可能性)、など

6.パートナーシップ委員会

1)委員会の設置
 本研究科は、ハラスメントに関する情報の収集および研修、ハラスメントに関する学内外機関との連携、協力等を行うため、「パートナーシップ委員会」(以下「委員会」)を置く。教授会は委員会の意見を尊重する義務を負い、また教授会は委員会の意見について話し合った内容を委員会に対して回答する義務を負う。

2)委員会の構成
 院生会の代表者2名と教授会の代表者1名および副研究科長の計4名(男女比は1:1となるよう配慮する)が委員会を組織する。
 教授会の代表者は院生の推薦を得た教授会のメンバーを教授会の承認を得て決定する。委員会は必要に応じて大学職員の参加を求める。委員会の判断により必要に応じて外部の専門家への諮問あるいは会議への参加を求めることができる。

3)委員会の業務
1.人権擁護の意識徹底の活動
 新入生オリエンテーションでの説明(院生会)、リーフレットの作成、研究科構成員すべてを対象とする継続性を持たせた研修(外部専門家の指導)、学生便覧など(必要に応じて大学職員と協力)、カリキュラムの中での人権教育の取り組みの検討(委員会全体)などハラスメントへの問題意識を高める活動を主導する。また全学的な組織および各研究科レベルでの相談窓口の設置へ向けた学内での問題を継続的に行う。
2.ガイドラインの定期的な見直し
 最低半期に1回は、ガイドラインの見直しを継続的に検討する。
3.その他
 院生会の代表者、あるいは教授会の代表者から開催の要請があった場合には、直ちに委員会を開催する。

7.相談室の開設に向けて

 本研究科は、院生が研究を深めうるプロジェクト等への参加を通じた研究者養成を原則とする。プロジェクトの円滑な遂行には、プロジェクト・パートナーである院生とプロジェクト・リーダーである教員との信頼関係の構築、維持、発展が必要である。より良い適正な関係へとしていくために、本研究科はハラスメント等の相談室を設置することを目標とする。相談室の機能の詳細は、今後「パートナーシップ委員会」を中心に詰めの作業を続行する。現時点において、以下を構想している。
 相談室には、研究科とは利害関係のない、人権擁護に精通した専門家を相談員として配置する。相談員はハラスメント等の被害者のすべての過程における主体性、意思を尊重する。守秘義務を遵守し、プライバシーを保護する。また、相談等に関わった人すべてに対する二次被害を防止する。相談員の具体的な業務は、研究科構成員の訴えを聞き受け止めること、被害者の救済方法の整理・確認、被害者のカウンセリング、必要な複数の窓口の照会・選択肢の提示、第三者からの相談の受付等である。相談員以外の教職員も、相談した本人が望んだ場合には受けた相談を相談室に連絡することができる。

 このガイドラインは、2006年3月28日の教授会承認および「パートナーシップ委員会」の発足を条件として発効し、パートナーシップ委員会で継続的な見直しが行われ、その度に更新される。

このページに関する問い合わせ

立命館大学大学院先端総合学術研究科
〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
衣笠独立研究科事務室 先端総合学術研究科気付
TEL:075-465-8348 FAX:075-465-8364
E-mail:doku-ken★st.ritsumei.ac.jp (★→@)

UP:20060418
CONVERT:20201026

パートナーシップ委員会

 パートナーシップ委員会の目的は、大学院の研究環境の改善に向けてハラスメントを含む大学院独自の見えにくい課題を析出し、教員と院生が共に問題を共有し、解決に向けた現実的な提案を行うことにあります。例えば、障害や病を抱えた院生やLGBTなど異なりを抱えた院生が抱える課題は、大学内の施設の利用から日常的な差別やハラスメント、日々の研究活動、研究者としてのキャリアパスの課題まで多岐にわたります。その中には学部と共通するものもありますが、大学院独自の課題も多いと認識しています。またマイノリティやダイバーシティに関連する課題だけでなく、情報格差やヘイトスピーチ、大学自治のあり方、分野横断的な院生同士の交流の促進といった大学院の未来を展望するための課題も数多くあると考えます。
 本委員会は、大学院をとりまく環境の既存の問題を解決するとともに大学院の未来を展望するために、学内の院生と教員が共に議論する勉強会、研修、シンポジウムを実施します。それを通じて特定の課題に対する教員・院生相互の理解を深め、各研究科での日常的な営みへと還元されることを到達目標としています。
 

2024年度 立命館大学大学院 先端総合学術研究科
パートナーシップ委員会企画イベント
「キャリア・パスの脱構築:文系研究者のこれから」

 
キャリア・パスの脱構築 文系研究者のこれから 2025年1月30日(木)18:30~20:30 立命館大学衣笠キャンパス創思館1Fカンファレンスルーム +Zoom配信 

 

◇開催日時・会場

2025年1月30日(木)18:30~20:30

立命館大学衣笠キャンパス創思館1Fカンファレンスルーム +Zoom配信

◇登壇者

小西真理子(こにしまりこ)さま

Researchmap

先端研生命領域修了後、学術振興会特別研究員(PD、RPD)などを経て、大阪大学に着任。専門は哲学、倫理学。

吉野靭(よしのゆぎ)さま

Researchmap

先端研公共領域修了後、学術振興会特別研究員(PD)、立命館大学専門専門研究員などを経て、現在は立命館大学生存学研究所 客員研究員として活動。専門はジェンダー。

比嘉夏子(ひがなつこ)さま

Researchmap
個人ページ Meshwork

京都大学博士課程を修了後、より実践的な人類学のあり方を模索し、合同会社メッシュワークを設立。人類学的アプローチを現場で活かすべく、組織や個人の伴走支援を行う。専門は文化人類学。

趙瑩瑩(チョウエイエイ)さま

研究室ページ

大阪大学博士課程を修了後、民間の企業に就職され、活動。専門はジェンダー。

◇イベント概要

近年、文系研究者のキャリアの選択肢は、アカデミックポストに限らず広がりを見せています。しかし、その背景には、文系分野の若手研究者が直面する就職難や非正規雇用の問題があり、大学院生にとっては博士課程終了後のキャリア形成が重要な課題となっています。このような背景から、文系研究者のキャリアに関する将来像をいかに描き、実際にどのように戦略的にキャリアを築いていくべきかという問題は、大学院生のみならず、現役の研究者や大学教育に携わる者にとっても重要なテーマです。アカデミックなキャリアを選ぶのか、あるいは学問を糧に別の道を切り拓くべきか。現状の不安定さの中で、どのようにキャリアを脱構築し、新たな可能性を見出すべきかが問われています。

この状況を打破するためには、大学側の支援と実際のキャリア選択における現実とのギャップを認識し、大学院生と教員が互いに理解し協力し合うことが不可欠でしょう。今回のイベント「キャリア・パスの脱構築」では、大学院生と教員の垣根を越えたオープンな対話を通じて、相互理解を深めながら、両者が共に現実的な支援策を模索する場を提供します。あるいは、大学のサポートに頼らず、個人事業主的な活動を展開せざるを得ない状況もあるでしょう。こうした場合、どのようなテクニックや戦略が求められるのか、その現実にも目を向けることが必要です。将来的に見れば、大学はこれまでのような形で存続できないかもしれません。大学のサポートをただ待つだけではなく、自ら積極的にキャリアを切り拓く姿勢というのも、これからますます重要になってくるでしょう。

本イベントは、具体的には、文系研究者のキャリアに関する課題を共有し、大学がどのようにサポートできるか、あるいは大学の外でいかに自立して活動できるかを議論します。アカデミック分野に囚われない新たな可能性を開拓された方や、実際に苦労しながらキャリアを築いてきた先輩方をお迎えし、大学院生がキャリアに関して抱えるリアルな悩みや不安を共有します。その上で、大学としてどのような支援が求められているのか、具体的な提言を行います。

また、本イベントは、「立命館大学大学院先端総合学術研究科」が持つ強みにも焦点を当てます。この研究科は、学際的なアプローチや独自の研究手法に基づく高度な専門性を持つだけでなく、社会的課題に対応した研究を推進してきました。昨年度に20周年を迎えた「先端総合学術研究科」ですが、この研究科独自の強みとは一体何なのでしょうか。この強みを大学の「内」、あるいは「外」でどのように活かせるのかを明確にし、キャリアの可能性を広げる議論も行います。

登壇者には、先端総合学術研究科の教員として戸谷洋志准教授をはじめ、他分野で活躍する卒業生・文系研究者をお招きし、それぞれがどのようにキャリアを選択し、発展させてきたかを具体的な事例として共有していただきます。また、事前に本研究科に所属する大学院生にアンケートを実施し、キャリアに関する不安や悩みを収集した結果も会で紹介します。「先端総合学術研究科」の支援のあり方を検討することにより、大学院生や教員が提起するキャリア形成に関する課題が大学全体で認識され、具体的な改善策に向けた第一歩となることを期待しています。本イベントは、単なる議論の場にとどまらず、支援策の実現に向けた出発点として機能することを目指しています。

このイベントは、文系研究者のキャリア形成における現実的な支援策を共に考える機会になると同時に、各自が自立的にキャリアを切り拓くための戦略を学ぶ場となり、参加者同士が新たな視点を得られる場となるでしょう。皆様のご参加をお待ちしております!

◇参加方法

以下の申込フォームよりお申し込みください。

https://forms.gle/j5L7dszHbiwtQ7uQA

※申込締切:2025年1月28日(火)まで

◇情報保障について

文字情報保障が付きます。

◇合理的配慮について

上記の情報保障以外で合理的配慮をご要望の際、

視覚障害等の理由で申し込みフォームからの申込みが難しい場合などは、

問い合わせ先までご連絡いただけますようよろしくお願いいたします。

問い合わせ先:

メール:gr0529kp@ed.ritsumei.ac.jp(代表:種村光太郎宛)

主催
立命館大学大学院 パートナーシップ委員会
マーティン・ロート、戸谷洋志、種村光太郎、北村公人
 

過去のパートナーシップ委員会企画

 

立命館大学大学院先端総合学術研究科パートナーシップ委員会報告書






過去のイベント
カレンダー

2025年度 行事

★随時更新★ [最終更新:2025年4月16日]
*予定は変更の可能性があります。

2025年4月

  • 1日(火) 新入生オリエンテーション
  • 2日(水) 入学式
  • 7日(月) 春セメスター授業開始

2025年5月

  • 29日(木) 7月実施入学試験 出願開始

2025年6月

2025年7月

  • 5日(土) 7月実施入学試験 試験日
  • 15日(火) 春セメスター授業終了
  • 17日(木) 
      7月入試合格発表
      9月入試出願開始
      博士論文/博士予備論文構想発表会
  • 18日(金) 博士論文/博士予備論文構想発表会
  • 20日(日) 博士論文/博士予備論文構想発表会
  • 31日(木) 9月入試出願締切

2025年8月

  • 3日(日) 『コア・エシックス』投稿原稿検討会
  • 4日(月) 『コア・エシックス』投稿原稿検討会

2025年9月

  • 7日(日) 9月実施入学試験 試験日
  • 24日(水) 秋入学者オリエンテーション
  • 25日(木) 秋季入学式
  • 26日(金) 秋セメスター授業開始、9月実施入学試験合格発表
  • 27日(土) 学位授与式(博士)

2025年10月

2025年11月

2025年12月

  • 4日(木) 2月実施入試出願開始
  • 18日(木) 2月実施入試出願締切

2026年1月

  • 19日(月) 秋セメスター授業終了

2026年2月

  • 1日(日) 2月実施入学試験 試験日
  • 16日(月) 博士論文/博士予備論文構想発表会
  • 17日(月) 博士論文/博士予備論文構想発表会
  • 19日(木) 2月実施入学試験 合格発表

2026年3月

  • 28日(土) 学位授与式(博士)
多彩な大学院生

 

 

FAQ: 大学院・入試に関して

Q1
課程博士論文を仕上げるための指導体制はどうなっていますか。

院生は入学直後に、自らの研究テーマに則し、テーマ領域を越えて指導教員3名を選びます。3名の指導教員は1名の主担当と2名の副担当で構成され、きめ細かい研究指導を様々な角度から行ないます。また、研究指導を行なう科目として、1年次~2年次ではプロジェクト予備演習を置いています。院生は担当者による演習、博士予備論文報告会、さらには指導教員の個別指導および準研究員として参加するプロジェクト研究への出席を通じて、各自の研究課題を絞り込み、2年次の終わりに博士予備論文を提出します。3年次以降はプロジェクト演習を履修し、共同研究員としてプロジェクト研究に参加し、個別指導発表者として研究成果を発表します。また、他のテーマのプロジェクト研究にも準研究員として参加することが可能です。

このように先端総合学術研究科では、単一分野の研究者でなく異なる分野を横断する視点を持ち、幅広い人的ネットワークの中で研究を進める創造力と応用力を持った研究者を養成するため、他に類を見ない充実した指導体制を用意しています。

Q2
先端総合学術研究科のキャンパスや施設について教えてください。

先端総合学術研究科は京都、衣笠キャンパスにあります。周辺には金閣寺や竜安寺、仁和寺など名所・史跡も多く、古都ならではの情緒にあふれています。京都の文化的環境に立地する伝統と新しさが息づくのが立命館大学衣笠キャンパスです。先端総合学術研究科の院生たちは、究論館の先端総合学術研究科専用の院生共同研究室で自習をしたり、学而館にあるテーマ別に用意されたプロジェクト室で活発に議論を行い、自らの研究テーマを深めています。さらに博士予備論文の審査により共同研究員と認められた院生全員に一人一机が保障されます。
なお、立命館大学の学術情報施設は和書約230万冊、洋書約100万冊、和雑誌4万8千タイトル、洋雑誌1万7千タイトルを所蔵しており、基本文献とともに電子媒体での資料収集・活用を積極的に行なっています。

Q3
他大学の修士課程を来春修了見込みです。先端総合学術研究科は一貫制博士課程ですが、3年次に入学することは可能でしょうか。

3年次に入学することは可能です。転入学試験を受験し、入学してください。

Q4
仕事を持っていますが、社会人でも履修は可能でしょうか。

社会人でも受験できるように「社会人入試」を導入しておりますが、社会人がウィークデーをフルタイムでお勤めされている方でも学びやすいように時間割を組んでいるわけではありません。先端研は昼間に開講する通学型の大学院です。ですので、「仕事を継続しながら勉学が可能か」どうかという質問には「相当な努力が必要になる」という風に回答せざるを得ません。1回生から入学し修了するには38単位が必要になります。修士相当の30単位、全部2単位科目なら15科目を5年間の間に修得する必要があります。午後6時以降に開講する科目は2科目くらいなので、どうしても仕事を午後だけ休む曜日を作らないと単位修得はおぼつかないと考えられた方が良いでしょう。

後期相当の8単位は研究指導なので、それはいろいろな方法があると思います。日常的にメールなどでやりとりもありますので、社会人でも可能だろうと思われます。発表も夕刻から夜に行うように院生と日程を往復して決定することもあると思います。

先端研では多くの社会人の院生が実際にはおられます。1回生で入学してくる院生は毎年2~5名程度はおられます。修士を修了された方で博士後期課程相当の3年次転入学の方々の中には、フルタイムの仕事をされている方は多いです。およそですが、毎年10名程度おられます。この方々は30単位のうち24単位までは単位認定しますので、1回生の方々とはずいぶん条件が変わってきます。

「仕事を継続しながら勉学が可能か」という質問に対してはそれぞれの方々の事情により勉学の難しさは多種多様、十人十色と言う回答をするしかございません。「社会人自己推薦入試」は社会人でも受験して入学できる入試制度で、社会人を受け入れて社会人に対応したカリキュラム、学修方法、対応、サービスを保証しているわけではありませんので、その点ご理解の程宜しくお願い致します。

学修要覧、時間割、シラバス、学費等

学修要覧

 

時間割

 

シラバス

本学のシラバスについては以下を参照してください。
 

 

学費

本学の学費については以下を参照してください。

本学TOPページ ⇒ 受験生・新入生の方へ ⇒ 大学院受験生のための入試サイトの中の 学費・奨学金 をクリックしてください。

先端研パンフレット

先端総合学術研究科の
パンフレット・チラシ・ポスターが
ダウンロードできます。

立命館大学大学院 先端総合学術研究科 パンフレット(2026年度版、2025年入学者用)

過去のパンフレットはこちら

進学説明会日程

当日は、プロジェクト演習を展開する専任教員が、先端総合学術研究科の設置の趣旨、カリキュラムの特徴、プロジェクト演習の研究内容 や進め方、入学試験等について説明します。質疑応答の時間や、個別相談の時間も十分取っていますので、どんなことでもお気軽にご相談ください。ご参加をお待ちしています。
個別の説明や相談についても随時受け付けています。質問は教員への直接質問からどうぞ。今年度実施の進学説明会の予定は以下の通りです。

※当日、都合により変更になることもあります。
※参加教員など詳細決まり次第、随時更新いたします。

◆立命館大学全体の大学院入試・進学説明会および「大学院ウィーク」の説明はこちら
 
◆先端研の教員一覧はこちら
 

2025年度 進学説明会日程 [2025年4月21日更新]

 

2025年度春学期

2025年5月23日(金)

  • 開催方法

    Zoomによるオンライン配信

  • ◆要事前申込み◆
    ※参加にあたっては事前申込みが必要です。大学院進学説明会の「申込はこちら」リンクより申込受付期間内にお申込みください。
    申込受付期間 4月24日(木)10:00 ~5月22日(木)15:00

  • 開催時間

    18:30~19:30

  • 参加教員

    戸谷洋志・マーティン・ロート

 

2025年5月31日(土)

  • 開催方法

    Zoomによるオンライン配信

  • ◆要事前申込み◆
    ※参加にあたっては事前申込みが必要です。大学院進学説明会の「申込はこちら」リンクより申込受付期間内にお申込みください。
    申込受付期間 4月24日(木)10:00 ~5月30日(金)15:00

  • 開催時間

    10:30~11:30

  • 参加教員

    阿部朋恒・千葉雅也

 

2025年6月8日(日)

  • 開催方法

    Zoomによるオンライン配信

  • ◆要事前申込み◆
    ※参加にあたっては事前申込みが必要です。大学院進学説明会の「申込はこちら」リンクより申込受付期間内にお申込みください。
    申込受付期間 4月24日(木)10:00 ~6月6日(金)15:00 

  • 開催時間

    10:30~11:30

  • 参加教員

    後藤基行・美馬達哉

アクセス

 

入試日程(2025年度実施分)

[2025年4月14日最終更新]
※必ず入試要項の冊子で最終確認してください。
※入学試験要項は下記リンクからダウンロードできます。
入学試験要項一覧(一般学生の方へ)

2026年4月入学

 

7月実施入学試験

  • 【入試方式】
    学内進学入学試験
  • 【出願期間】
    2025年5月29日(木)~ 2025年6月12日(木)
  • 【試験日】
    2025年7月5日(土)

 

9月実施入学試験

  • 【入試方式】
    一般入学試験・一般入学試験(自己推薦)・社会人入学試験・外国人留学生入学試験・学内進学入学試験・APU特別受入入学試験・転入学試験
  • 【出願期間】
    2025年7月17日(木)~ 2025年7月31日(木)
  • 【試験日】
    2025年9月7日(日)

 

2月実施入学試験

  • 【入試方式】
    一般入学試験・一般入学試験(自己推薦)・社会人入学試験・外国人留学生入学試験・学内進学入学試験・APU特別受入入学試験・転入学試験
  • 【出願期間】
    2025年12月4日(木)~ 2025年12月18日(木)
  • 【試験日】
    2026年2月1日(日)

 

大学HPの入試日程情報もあわせてご確認ください